ニュートリノ混合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/19 08:21 UTC 版)
ニュートリノは電気的に中性で、 弱い相互作用しかしない非常に軽い粒子である。つまり、気付かれることなく長い距離を移動することができる。ニュートリノの特性のひとつは伝搬するにつれ、ある確率でニュートリノ振動によりフレーバー( e , μ , τ {\displaystyle e,\mu ,\tau } )が他のものに変わるというものであり、この原理のもと実験が行われる。ダブルショーの目的は θ 13 {\displaystyle \theta _{13}} 混合角の値により厳しい制限を与えることである。 1990年代に行われたショー実験(英語版)は θ 13 {\displaystyle \theta _{13}} 混合角は以下のように制限されることを発見した。 sin 2 ( 2 θ 13 ) < 0.2 {\displaystyle \sin ^{2}(2\theta _{13})<0.2} これは10年以上にわたって最も良い実験的上限であった。ダブルショー実験の目的は、以下のようなさらに小さな領域での θ 13 {\displaystyle \theta _{13}} 角の調査を継続することである。 0.03 < sin 2 ( 2 θ 13 ) < 0.2 {\displaystyle 0.03<\sin ^{2}(2\theta _{13})<0.2} 混合角の観測は原子炉の核分裂反応によって放出される ν ¯ e {\displaystyle {\bar {\nu }}_{e}} フラックスの観測によって達成される。予測される原子炉からの ν ¯ e {\displaystyle {\bar {\nu }}_{e}} フラックスは1日当たりおよそ50個である。一方のニュートリノ質量の2乗差が他方よりはるかに小さいため、ダブルショー実験は2フレーバー間振動のみを考慮すればよい。2フレーバーモデルでは特定のニュートリノの生存確率は次のようにモデル化される。 P = 1 − sin 2 ( 2 θ 13 ) sin 2 ( 1.27 Δ m 31 2 L E ν ) ( i n n a t u r a l u n i t s ) . {\displaystyle P=1-\sin ^{2}(2\theta _{13})\,\sin ^{2}\left({\frac {1.27\Delta m_{31}^{2}L}{E_{\nu }}}\right)\quad \mathrm {(in\;natural\;units).} } ここで、 L {\displaystyle L} はニュートリノが移動する距離をメートルで表したもので、 E ν {\displaystyle E_{\nu }} は ν ¯ e {\displaystyle {\bar {\nu }}_{e}} 粒子のエネルギーである。 これにより混合角の値は原子炉ニュートリノの振動強度から測定することができる。
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