ニュートリノ研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/08 02:27 UTC 版)
「グラン・サッソ国立研究所」の記事における「ニュートリノ研究」の解説
2006年8月下旬以降、CERNのスーパー陽子シンクロトロンからミューニュートリノのビームが730km離れたグラン・サッソ研究所に向けて照射され、OPERAとICARUS検出器によって検出されている(en:CERN Neutrinos to Gran Sasso) 。このニュートリノ振動の研究はフェルミラボからMINOSへ向けて照射する実験の結果を改善すると期待される。 2010年5月、グラン・サッソ研究所の理事Lucia Votanoは、「OPERA実験は最初の目標、すなわちジュネーブからグラン・サッソ研究所に到達するまでの間にミューニュートリノから変化することで得られるタウニュートリノの検出を達成した。」と報告した 。ニュートリノがこの変化を起こすためには質量を持たなければならないため、この発見は素粒子物理学の標準モデルに何らかの欠陥があることを示している。 CUORE (en:Cryogenic Underground Observatory for Rare Events)と呼ばれる、ニュートリノがマヨラナ粒子かディラク粒子かを決定するための努力がこの研究所で行われている(2018年現在)。最近鋳造された鉛よりも古代の鉛の方が放射能が低いため、この検出器は古代ローマの難破船から回収された鉛で遮蔽されている。この遺物はカリャリの国立考古学博物館からCUOREに提供された。 2011年9月、OPERA共同研究チームのDario Autieroは、ニュートリノが光速で移動するとした場合よりも約60ns早くOPERAに到達したことを示す結果が得られたことを発表した。この超光速ニュートリノ異常の原因はすぐには解明されなかった。 この結果はその後調査され、間違っていることが確認された。これはOPERA実験室の受信機における光ファイバーケーブルの接続不良によって引き起こされ、ニュートリノ到着信号に比べてクロック信号の到着が遅れることによるものであった。 2014年にBorexinoが初めて、太陽の主要な陽子-陽子核融合過程からのニュートリノを直接測定した。この結果はNatureに掲載されている。この測定値は、MSW理論で説明される太陽ニュートリノ振動の理論を加えたジョン・バーコールの標準太陽モデルから導き出される予測値と一致する。これは太陽に燃料を供給するP-Pチェーンに関する理解の礎石と見なすことができる。
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