ニュートロニウムと中性子星
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/27 03:49 UTC 版)
「ニュートロニウム」の記事における「ニュートロニウムと中性子星」の解説
詳細は「中性子星」を参照 「ニュートロニウム」という用語は、一般向けの文献では「中性子星の核に含まれる物質」という意味で使用されることがしばしばある。中性子星は密度が非常に高く、表面から約1 kmよりも深い部分では電子縮退圧で支えることができない。中性子星の内部で、密度が1010 kg/m3を超えると、構成物質の原子核に含まれる一部の陽子が電子を捕獲して中性子となる。この密度では、中性子過剰の原子核が安定に存在するが、原子核同士は個別に存在する。密度が4.3×1014 kg/m3から1×1017 kg/m3の領域では、中性子が原子核の外部でも安定に存在するようになる。ここまでは地殻に相当するクラスト層である。中性子星の核は外核に相当するアウターコアと、内核に相当するインナーコアから構成されていると考えられている。アウターコアでは、わずかな陽子や電子を除き、ほぼすべてが自由中性子で占められている。インナーコアでは中性子内部からπ中間子が漏れ出している。 このような「中性子星の核を構成する物質」を指す名称として、「ニュートロニウム」という用語が採用されている場合がある。ただしこの用語が専門的な科学文献で使用されることは稀である。その理由は2つある。 「ニュートロニウム」という用語の定義が、広く合意されていない。 中性子星の核は複数の層からなり、特に中心部は中性子以外の素粒子を多数含む。 中性子星の核を構成する物質の多くは自由中性子であると推定されている。専門的な科学文献ではこれについて通常、中性子縮退物質として参照している。
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