うちゅう‐ひこうし〔ウチウヒカウシ〕【宇宙飛行士】
宇宙飛行士
概要解説 宇宙飛行士になるためには、まず宇宙開発事業団(NASDA)から宇宙飛行士候補者として採用された後、1年半程度の基礎訓練を受け、宇宙飛行士に必要となる科学・技術の知識、語学、国際宇宙ステーション(ISS)/日本の実験棟システムの概要等について学びます。これらを修了すると、訓練結果を評価の上、ISS搭乗宇宙飛行士として認定されます。その後、約1年間のアドバンスト訓練に参加し、各参加機関にてISSの各システム及びその操作技術等について学び、訓練修了後、搭乗するミッションが決定するとそのミッションを遂行するためのISS操作手順、実験操作手順等の訓練を1年半程度行います。これらの訓練を修了した後、3~6ヶ月程度の期間、ISSに滞在することとなります。宇宙飛行士になるためには次の条件が必要です。自然科学系の大学卒業以上であること自然科学系の研究・開発の仕事に携わった経験が3年以上あること長期間の宇宙滞在に身体的(身長、血圧、視力、聴力など)、精神的に適応できること英語で充分コミュニケーションがはかれること(英検1級程度の英話力)日本人の宇宙飛行士としてふさわしい教養を有することなど。 必要な能力・資格など 関連する職業
宇宙飛行士 astronaut, cosmonaut
宇宙飛行士
必要な資質は「健康」「協調性」「英語力」の3要素
宇宙飛行士は、地上とちがった環境である無重力状態に体をなれさせる必要があるので、まず健康でなければなりません。それに、限られたシャトルの空間の中で数人が共同生活するので、協調性やチームプレーの精神が必要です。また、機内での会話や地上との交信はすべて英語でおこなわれるので、英語力も欠かせません。この3つが宇宙飛行士になるのに最低限必要になるでしょう
シャトルの宇宙飛行士は、役割別の専門家集団
スペースシャトルの宇宙飛行士は役割によっていろいろな種類に分類されます。「コマンダー」はシャトルの船長で、シャトルでの飛行期間中の全責任を負います。「パイロット」はコマンダーを補助し、シャトルの運用と操縦をおこないます。「ミッション・スペシャリスト」(MS)は、機器の操作、船外活動、人工衛星の回収・放出などを実行します。若田光一宇宙飛行士は日本人としてはじめてMSとしてシャトルに乗り込みました。「ペイロード・スペシャリスト」(PS)はNASAの宇宙飛行士以外の搭乗員で、特定のミッションの専門家です。毛利衛宇宙飛行士と向井千秋宇宙飛行士は、それぞれ材料科学と医学のPSです。
国際宇宙ステーションへ向け、さらに募集
1995年、宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))は5人目の宇宙飛行士を募集し、野口聡一さんが宇宙飛行士として選ばれました。また、アメリカ、EU諸国、カナダ、ロシア、日本の協力で、地球周回軌道上に、長期にわたり実験や観察ができる国際宇宙ステーションの建設が計画されました。それに向けて、宇宙ステーションで活躍する宇宙飛行士の募集が数回おこなわれ、現在のところ、古川聡さん、星出彰彦さん、山崎直子さんが宇宙飛行士として訓練を積んでいます。
1年にわたりおこなわれる、宇宙飛行士の訓練
フライトが決定した宇宙飛行士は1年にわたり訓練をおこないます。体力訓練としては、2時間のトレーニングが週に3回ほどおこなわれます。このトレーニングは筋肉をきたえるのではなくて、限られた期間内で数十種類の実験をこなす体力を保つためにおこなわれます。NASAではKC135という飛行機の慣性飛行で無重力状態をつくり出し、体が無重力状態に慣れる訓練をします。また、無重力状態でスムーズにミッションが進められるように、宇宙服を着て、水中でミッションの予行を何回もくり返します。
さまざまな任務を帯びて活躍する宇宙飛行士たち
スペースシャトルには、少なくても5人の乗組員がいます。コマンダー、パイロット、3人のミッション・スペシャリスト(MS)です。通常は、これにペイロード・スペシャリスト(PS)が1人か2人搭乗します。コマンダーは、シャトルの飛行から帰還までのミッション全体を指揮するので、シャトル・システムすべてについて訓練を受けています。パイロットは、とくに電力系と姿勢制御系の訓練を受けています。打上げ時や着陸時の故障などの緊急事態の訓練を重ね、不測の事態に対処する役割が期待されています。パイロットとして1度か2度フライトを経験するとコマンダーに昇格します。
MSとPS
ミッション・スペシャリスト(MS)は、シャトルが軌道上にある時の作業を担当します。第1から第3のMSがいて、搭載した荷物と実験に関すること全般について責任を負っています。船外活動、人工衛星の回収・放出などをします。第2MSの宇宙飛行士は、打上げと着陸時にはコマンダーとパイロットのすぐ後ろの席に着き、緊急事態が生じた時にはフライト・エンジニアとして補助的な役割を受け持っています。ペイロード・スペシャリスト(PS)はNASAの宇宙飛行士ではありませんが、普通、宇宙研究に関して専門的な知識を持つ科学者がなり、荷物として積み込んだ実験機器を使って、その人にしかできない実験をします。
宇宙飛行士
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/10 01:46 UTC 版)
宇宙飛行士(うちゅうひこうし)とは、地球の大気圏外において、宇宙船の操縦や科学実験などの業務を行う人員[1]。
注釈
出典
- ^ a b 日本国語大辞典, 日本大百科全書(ニッポニカ),百科事典マイペディア,デジタル大辞泉,精選版. “宇宙飛行士とは”. コトバンク. 2021年11月19日閲覧。
- ^ 〈宇宙兄弟リアル〉金井宣茂/宇宙飛行士 〜宇宙飛行前夜 それは最初の一歩〜(前半) - 宇宙兄弟公式サイト
- ^ a b 立花隆『宇宙からの帰還』中央公論社 1983 中公文庫、1985
- ^ a b c d “JAXA「初の学歴不問」宇宙飛行士試験で、意外な“真の課題”が不合格者の声で露呈”. ダイヤモンド・オンライン (2023年4月9日). 2023年4月9日閲覧。
- ^ 宇宙飛行士募集に関する資料集
- ^ a b c d e 宇宙飛行士になれるのはどんな人? NASAの選考責任者に聞く - ナショナルジオグラフィック
- ^ a b “JAXAの宇宙飛行士、学歴不問に 月探査を視野に13年ぶり募集:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2021年11月19日閲覧。
- ^ 日本放送協会. “新たな宇宙飛行士選抜試験の募集要項公表 JAXA”. NHKニュース. 2021年11月19日閲覧。
- ^ “宇宙飛行士候補に油井2空佐 全日空の大西氏と パイロットで初めて”. 朝雲新聞. (2009年3月5日). オリジナルの2009年3月12日時点におけるアーカイブ。
- ^ 呉インターネット写真ニュース / 金井医官きょう退職
- ^ USAJOBS - The Federal Government’s Official Jobs Site
- 1 宇宙飛行士とは
- 2 宇宙飛行士の概要
- 3 定義
- 4 米国での区分
- 5 スカウト・身分
- 6 年収
宇宙飛行士
出典:『Wiktionary』 (2021/08/28 14:06 UTC 版)
名詞
発音(?)
- う↗ちゅーひこ↘ーし
翻訳
- アイスランド語: geimfari (is) 男性
- アイルランド語: spásaire (ga) 男性
- アストゥリアス語: astronauta (ast) 男性
- アラビア語: رجل فضاء (ar) (rájul faḍāʾ) 男性, رائد فضاء (ar) (rāʾid faḍāʾ) 男性, ملاح فضائي (ar) (mallāḥ faḍāʾiyy) 男性
- アラビア語エジプト方言: رائد فضاء (arz) (rāʾed faḍāʾ) 男性
- アルバニア語: astronaut (sq), kosmonaut (sq)
- アルメニア語: աստղագնաց (hy) (astġagnac')
- インドネシア語: astronot (id)
- ウクライナ語: космонавт (uk) (kosmonávt) 男性, астронавт (uk) (astronávt) 男性
- 英語: astronaut (en)
- エスペラント: kosmonaŭto (eo)
- オランダ語: ruimtevaarder (nl) 男性, astronaut (nl) 男性
- カタルーニャ語: astronauta (ca) 男性
- ガリシア語: astronauta (gl) 男性
- ギリシア語: αστροναύτης (el) (astronáftis) 男性
- scr:
- スウェーデン語: astronaut (sv) 通性, rymdfarare (sv) 通性
- スペイン語: astronauta (es) 男性
- スワヒリ語: mwanaanga (sw)
- タイ語: นักบินอวกาศ (th) (nákbinawakaad)
- タミル語: விண்ணோடி (ta)
- チェコ語: kosmonaut (cs) 男性
- 中国語:
- 朝鮮語: 우주인 (ko) <宇宙人> (u.ju.in)、우주비행사 (ko) <宇宙飛行士> (u.ju.bi.haeng.sa)
- テルグ語: వ్యోమగామి (te) (wyoomagaami)
- デンマーク語: astronaut (da)
- ドイツ語: Astronaut (de) 男性
- トルコ語: astronot (tr), uçurcu (tr)
- ナヴァホ語: wótáahgoo ałnaaʼáłtʼahiʼ (nv)
- ハンガリー語: űrhajós (hu), asztronauta (hu)
- ヒンディー語: अंतरिक्ष यात्री (hi) (antarikṣ yātrī)
- フィンランド語: astronautti (fi)
- フランス語: astronaute (fr) 男性
- ベトナム語: nhà du hành vũ trụ (vi), phi hành gia (vi)
- ヘブライ語: טייס חלל (he) (tayás halál) 男性
- ベラルーシ語: касманаўт (be) (kasmanáŭt) 男性, астранаўт (be) (astranáŭt) 男性
- ペルシア語: فضانورد (fa) (fazâ-navard)
- ベンガル語: নভোচারী (bn) (nâbhocari)
- ポーランド語: astronauta (pl) 男性, astronautka (pl) 女性, kosmonauta (pl) 男性, kosmonautka (pl) 女性
- ポルトガル語: astronauta (pt) 男性
- マケドニア語: космонаут (mk) (kosmonáut) 男性, астронаут (mk) (astronáut) 男性
- マレー語: angkasawan (ms)
- ラーオ語: ນັກອາວະກາດ (lo)
- ルーマニア語: astronaut (ro) 男性
- ロシア語: космонавт (ru) (kosmonávt) 男性, астронавт (ru) (astronávt) 男性 (US)
「宇宙飛行士」の例文・使い方・用例・文例
- 彼女は国内初の女性宇宙飛行士になった
- 少年たちは宇宙飛行士ごっこをした
- 宇宙飛行士になるという夢を抱く
- パレードは帰還宇宙飛行士たちに与えられて当然の栄誉だ
- その宇宙飛行士たちは月への道を開いた
- その7人の宇宙飛行士は任務から無事帰還した
- 彼女がかつては宇宙飛行士になろうと思ったことがあるとは驚きだね
- 世界中の人が宇宙飛行士たちが月面を歩くのを見た
- その宇宙飛行士は船外活動を行った。
- 宇宙飛行士たちは月から帰還後名士扱いされた。
- 彼は宇宙飛行士になるため一生懸命勉強した。
- その宇宙飛行士は彼の初めての宇宙遊泳についての本を書いた。
- その少女は宇宙飛行士になり月の上を歩くという夢を持っている。
- 突然その宇宙飛行士との交信が途絶えた。
- 1969年に宇宙飛行士が月面を歩いた。
- 私のおばは宇宙飛行士と結婚しました。
- 私の夢は宇宙飛行士になって月に行くことです。
- 彼らはみな、宇宙飛行士の帰還を望んでいた。
- 僕は宇宙飛行士になるために毎日一生懸命勉強するつもりだ。
- 私は宇宙飛行士になりたいと思っています。
- 宇宙飛行士のページへのリンク