核分裂生成物とは? わかりやすく解説

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かくぶんれつ‐せいせいぶつ【核分裂生成物】

読み方:かくぶんれつせいせいぶつ

核分裂過程生成される核種総称最初分裂生じ核種核分裂片という。放射能をもつ放射性核種多くβ崩壊はじめとする放射性崩壊繰り返し、やがて安定した核種になる。


核分裂生成物

ウラン-235プルトニウム-239等が核分裂することによってできた核種のことをいう。FPFission Products)とも略称される。 核分裂生成物(FP)の多く原子核が不安定で、放射線出して別の原子核変わっていく (これを壊変または放射性崩壊という) 。多く場合は、一回壊変してもなお不安定で、さらに放射線出して壊変続ける。こうしたFP半減期は短いものが多いが、なかには万年長いものもある。

核分裂生成物

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/20 22:22 UTC 版)

トリウム燃料サイクル」の記事における「核分裂生成物」の解説

原子炉内の核分裂反応では一般に放射性の核分裂生成物が発生し高レベル放射性廃棄物となる。 ウラン233も、ウラン235同様に半減期100年以下の短・中寿命核分裂生成物と、20万年上の長寿命核分裂生成物を生じさせる。しかしトリウム燃料サイクルでは、次項超ウラン核種再処理によって核燃料としてリサイクル可能なため、廃棄する必要があるのは核分裂生成物だけと仮定できる。 また、リサイクル不完全な場合超ウラン核種廃棄物含まれるが、これは廃棄物放射能減少させる可能性がある。

※この「核分裂生成物」の解説は、「トリウム燃料サイクル」の解説の一部です。
「核分裂生成物」を含む「トリウム燃料サイクル」の記事については、「トリウム燃料サイクル」の概要を参照ください。


核分裂生成物

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 09:49 UTC 版)

核分裂反応」の記事における「核分裂生成物」の解説

核分裂過程原子核分裂してできた核種を核分裂生成物という。核分裂片ともいう。分裂するときに魔法数に近い安定原子核になろうとするため通常二等分になることはなく、質量数140程度95程度分裂することが多い。 核分裂生成物がどの核種になるかはある確率で決まる。この確率収率という。核分裂する核種によって異な収率分布をもっているので、核分裂生成物を分析すれば核反応起こした親核種判る例えウラン235核分裂起こした場合その核分裂生成物は80種類程度生じ質量数72から160と広範囲分布している。これらは質量数90と140付近ピーク中心として鞍型の分布をなしている。 核分裂生成物は様々な核種混合物であるが、総じて陽子数と中性子数との均衡欠いており放射能を持つ。これらの放射性同位体は、陽子中性子均衡保てるところまで壊変(主にベータ崩壊)を繰り返す。核分裂生成物の中には中性子吸収する比較安定核種になる物質含まれるこのような物質は、原子炉蓄積して核分裂連鎖反応阻害するため、毒に例え中性子毒あるいは単に毒物質呼ばれる原子炉停止した出力変えた場合放射性の毒物質存在量時間とともに変化するため、原子炉挙動不安定にする要因となる。 これらの崩壊速度は様々で、数秒から数ヶ月でほぼ崩壊しつくす短寿命核種100年単位中寿命の核種、そして半減期すら20万年超える長寿命核種知られている。放射性物質基本的に寿命が短いほど少量でも放射能が強いものの短期間ですぐに減衰するが、逆に長寿命であれば放射能少量ならば弱い(大量にあれば当然強い)が、時間経ってもなかなか減らないという性質持っている比放射能参照)。 短・中寿核種盛んに放射線放って崩壊するため少量でも放射能大きく例え1945年原子爆弾の被害受けた広島市長崎市では、被爆者だけでなく家族知人行方を捜すため爆心地周辺後日立ち入った人々重篤放射線障害受けた原因となっている。 一方長寿命核種放射能小さいが寿命数万以上に達するものもあり、大量に存在する人間社会尺度では半永久的に放射線放ち続けることになる。このことは原子炉使用済み核燃料処分において重大な課題であり、ガラス固化体加工したのちに地中深く保管する地層処分などの手段が検討されている。 このように多数核種から構成されている核分裂生成物であるが、核分裂起こってからt分経過した後の全ての核分裂生成物の合計放射能強さ減衰一定であり、 A ( t ) = A 0 t − α {\displaystyle A(t)=A_{0}t^{-\alpha }} で与えられる。ここでA0t = 0 つまり核分裂起こった時点放射能強さ、αは定数であり1.2である。

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