核分裂性物質貯蔵施設
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「マヤーク核技術施設」の記事における「核分裂性物質貯蔵施設」の解説
核分裂性物質貯蔵施設(英語: fissile material storage facility, FMSF、ロシア語: хранилище делящихся материалов, ХДМ )と呼ばれる核分裂性物質の貯蔵設備をロシアとアメリカ合衆国の間の共同事業で整備するNunn–Lugar Cooperative Threat Reduction (CTR)プログラムが立ち上げられた。その目的は、高濃度で兵器として使用しうる核分裂性物質を、安全にしかも物理的な攻撃にも耐えて保管できる貯蔵所を建設することにあった。建設は1993年に始まり、2003年に完成した。しかし、初めて核分裂性物質が貯蔵されたのは2006年7月のことであった。これは、設備がまだ完全な機能を備えておらず、アメリカ側の監視法規と合致しない点があり、さらにその運営および監視のために十分訓練された人員が不足していたからであった。この建設にはさまざまな民間企業とアメリカ軍およびロシア軍が参加したが、特に重要なのはアメリカ陸軍工兵司令部と 米建設会社ベクテルであった。建設費は総額でおよそ4億米ドルに上った。貯蔵施設はマグニチュード8の地震や洪水、飛行機の墜落にも耐えられるとされている。貯蔵容積はプルトニウム50トン、ウラン200トンにのぼり、これは、12,500発分の廃棄核弾頭から出る核分裂性物質に相当する。しかし、2004年にはこの施設の計画利用率は25%に留まった。使用期間は100年と計画されている。この施設の横にある使用済み核燃料再処理施設RT–1の敷地内には、ウラン560トンまで収容できるプールがある。2004年には、これ以外に原子力潜水艦の核燃料40トン容器が154個納まる貯蔵施設が建設中であった。
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