げんどう‐き【原動機】
【原動機】(げんどうき)
自然界にあるエネルギーを、回転運動や往復運動といった機械的仕事に変換して動力を生み出す機械。
広義には風車や水車など(流体機関)も含まれるが、通常は燃料の熱エネルギーを用いる「熱・エネルギー機関」の事を指し、それらをひっくるめて単に発動機(エンジン)と呼ばれる。
大まかに内燃機関、外燃機関に分けられる。
原動機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/10 08:36 UTC 版)
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原動機(げんどうき、英語: prime mover)は、自然界に存在するさまざまなエネルギーを機械的な仕事(力学的エネルギー)に変換する機械・装置の総称[1]。狭義にはタービンなどの仕事を発生する機械そのものを指すが、広義には蒸気原動機、動力プラントなどのシステム全体を指すこともある。
原動機の損失
原動機の損失は、入力エネルギーと出力仕事の差として定義される。主な損失として、仕事として回収しなかった損失(排気損失)、冷却による損失(冷却損失)、空気による抵抗(風損)、摩擦や補機などによる損失(機械損失)がある。これらの損失がない理想的な運転状態を考えたとき、電動機の効率は100%であるが、熱機関にはカルノーの原理による原理的な上限が存在する[2]。
原動機の分類
原動機には次のようなものがある。
大分類 | 中分類 | 名称 | エネルギー源 | 速度 | トルク | 出力制御 | 速度制御 | 始動時間 | 効率 | 体積 | 質量 | 整備 | その他 | 主な用途 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
流体機械 | 気体 | 風力原動機 風車 |
風力 | 中 | 低 | 不適 | 不適 | 短 | 良 | 大 | 大 | 中 | 風力発電 | |
空気モーター 空気エンジン |
空気圧 | 中-高 | 低 | 容易 | 容易 | 短 | 良 | 小 | 小 | 容易 | 防爆 | 制御機器 圧縮空気自動車 | ||
液体 | 水力タービン | 水力 | 低 | 高 | 容易 | 不適 | 短 | 良 | 大 | 大 | 煩雑 | 水力発電 | ||
水車 | 低 | 高 | 容易 | 不適 | 短 | 良 | 大 | 大 | 煩雑 | |||||
油圧シリンダ 油圧モーター |
油圧 | 低 | 高 | 容易 | 容易 | 短 | 良 | 中 | 中 | 煩雑 | 工作機械 制御機器 流体継手 | |||
熱機関 | 外燃機関 | 蒸気タービン | 燃焼ガス | 高 | 低 | 不適 | 不適 | 長 | 中 | 大 | 大 | 煩雑 | 他の外燃機関同様 燃料の選択の幅が広い |
汽力発電 |
蒸気機関 | 低 | 高 | 適 | 適 | 不良 | 大 | 大 | 煩雑 | 始動時のトルクが大きい | 蒸気機関車 | ||||
スターリング機関 | 低 | 高 | 適 | 適 | 中 | 良 | 大 | 大 | 煩雑 | 機械的エネルギーから 温度差を作り出すこともできる |
冷凍機・潜水艦のAIP | |||
内燃機関 | 火花点火機関 オットー機関 |
中 | 中 | 適 | 適 | 中 | 中 | 中 | 中 | 煩雑 | 自動車・航空機・船[注 1] チェーンソー・刈払機 | |||
圧縮着火機関 ディーゼル機関 |
低 | 高 | 適 | 適 | 中 | 中 | 中-大 | 中-大 | 煩雑 | 自動車・船舶 機関車・気動車 | ||||
ガスタービン機関 | 高 | 低 | 不適 | 不適 | 中 | 中 | 中-大 | 中-大 | 煩雑 | 体積・質量あたり 出力が大きい |
航空機 コンバインドサイクル発電 | |||
液体燃料ロケット | 高 | 適 | 適 | 中 | 中 | 大 | 大 | 極めて煩雑 | ロケット | |||||
固体燃料ロケット | 高 | 不適 | 不適 | 短 | 中 | 中-大 | 中-大 | 容易 | ロケット・ミサイル | |||||
電動機 | 整流子 | 永久磁石界磁形 | 電力 | 中 | 高 | 適 | 適 | 短 | 良 | 小 | 小 | 容易 | 小型機器組み込み | |
電磁石界磁形 | 中 | 高 | 適 | 適 | 短 | 良 | 中 | 中 | 容易 | 簡単な回路で制御できる | 電車・電気機関車 | |||
交流 | 中 | 高 | 適 | 適 | 短 | 良 | 小 | 小 | 容易 | 掃除機 | ||||
誘導 | 三相誘導 | 中 | 中 | 可 | 可 | 短 | 良 | 中 | 中 | 容易 | ポンプ・圧縮機 | |||
単相 | 中 | 中 | 可 | 可 | 短 | 良 | 小 | 小 | 容易 | 家電・電動工具 | ||||
同期 | 電磁石 | 中 | 高 | 可 | 可 | 短 | 良 | 大 | 大 | 容易 | 大型機器 | |||
永久磁石 | 中 | 高 | 可 | 可 | 短 | 良 | 小 | 小 | 容易 | 電気自動車 ハイブリッドカー |
脚注
注釈
出典
- ^ “原動機(げんどうき)の意味”. goo国語辞書. 2019年12月6日閲覧。
- ^ 松木英敏; 一ノ倉理 『電磁エネルギー変換工学』朝倉書店、2010年、49頁。
関連項目
原動機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/31 13:41 UTC 版)
流体エネルギーを機械エネルギーに変換する。 油圧を使うもの油圧シリンダ:油圧のエネルギーを直線運動に変換する 油圧モーター:油圧のエネルギーを回転運動に変換する 揺動形アクチュエータ:油圧のエネルギーを首振り運動に変換する 空圧を使うもの空気シリンダ:気体のエネルギーを直線運動に変換する 空気モーター:気体のエネルギーを回転運動に変換する。歯車モーター、ベーンモーター、ピストンモーターなど 風力原動機 圧力モーター 水車、発電用水車 蒸気タービン、ガスタービン
※この「原動機」の解説は、「流体機械」の解説の一部です。
「原動機」を含む「流体機械」の記事については、「流体機械」の概要を参照ください。
原動機
「原動機」の例文・使い方・用例・文例
- 私の兄は中古の原動機付自転車を買った。
- 私は、原動機付き自転車でここまで来ました。
- 原動機を備えている
- 原動機付き自転車
- ペダル、あるいは低出力のガソリンエンジンで走らせることのできる原動機付き自転車
- 原動機付きであること
- 原動機から外部に取り出して利用できる動力
- ディーゼル機関車というディーゼル機関を原動機として走る鉄道車両
- ディーゼル機関を原動機として走る自動車
- 原動機で発電機を駆動して得た電気によって推進用電動機を動かす方式
- 内燃機関を原動機とする鉄道車両
- 原動機の発生する機械エネルギーに対する消費燃料の割合
- 船舶用の原動機
- 複動蒸気機関という原動機
- 吸収動力計という,原動機の出力の測定装置
- 空気タービンという原動機
- 原動機の回転軸の周りにかかる力のモーメント
- 原動機付きの自転車
- 往復機関という,ピストンを往復運動させ,これを回転運動に変換する原動機
- 原動機の軸部で使用し得る馬力
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