えきたいねんりょう‐ロケット〔エキタイネンレウ‐〕【液体燃料ロケット】
読み方:えきたいねんりょうろけっと
【液体燃料ロケット】(えきたいねんりょうろけっと)
ロケットエンジンの一種。
酸化剤と燃料を液体の状態でタンクに貯めておき、それらを燃焼室へ送り込んで燃焼させる。
推進剤としては
が用いられる。
このうち「液体水素-液体酸素」が最も高い比推力(推進剤質量当りの推力)を持つのでよく用いられるが、極低温(-250℃)の液体水素の取り扱いは難しく、低速の段階では必ずしも最高の推力を出すわけではない。
固体燃料ロケットに比べ、タンクやターボポンプなどの部品を必要とするため推力重量比は劣る。
しかし、比推力の高い推進剤を使えるため、推進剤を含めた推力重量比では勝ることが出来る。
また、推力の制御が容易で、必要に応じて点火消火も可能であるため、宇宙船の姿勢制御装置や、弾道ミサイルおよび宇宙ロケットの主エンジンとして使われる。
他に、構造が複雑なため整備が難しく、コストが高いという欠点がある。(しかし、地上でエンジンの燃焼試験は可能)
液体燃料ロケット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/14 15:00 UTC 版)
液体燃料ロケット(えきたいねんりょうロケット)は、液体の燃料と酸化剤をタンクに貯蔵し、それをエンジンの燃焼室で適宜混合して燃焼させ推力を発生させるロケットである。単に液体ロケットとも呼ばれる。人工衛星の姿勢制御エンジンなど一部には過酸化水素やヒドラジンのように自己分解を起こす推進剤を触媒等で分解して噴射する、簡単な構造の一液式のものもある。
- ^ 大澤弘之 監修『新版 日本ロケット物語』p.33–36 2003年9月29日発行
- ^ アルタイル 月面着陸機には実績のあるハイパーゴリック推進剤を使用したエンジンが搭載される予定だった。
- ^ 開発動向
- ^ 開発経緯
- ^ “中国の民間企業、運搬ロケット「朱雀2号遥2」の打ち上げに成功”. AFP通信 (2023年7月12日). 2023年7月13日閲覧。
- ^ 開口比40のノズルスカートを未装着時の推力は48.52kN (4.9 tf)
- ^ 開口比40のノズルスカートを未装着時の推力は66.64kN (6.8 tf)
- ^ 開口比40のノズルスカートを未装着時の比推力は286.8
- ^ 開口比40のノズルスカートを未装着時の比推力は291.6
- ^ 計算値
- ^ ミサイルの本 久保田浪之介 2004年9月30日 初版1刷 日刊工業所新聞発行 ISBN 4-526-05350-3
液体燃料ロケット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 04:15 UTC 版)
「ロケットエンジンの推進剤」の記事における「液体燃料ロケット」の解説
詳細は「液体燃料ロケット」を参照 液体燃料ロケット(液体ロケット)は、液体の燃料と酸化剤をタンクに貯蔵し、それをエンジンの燃焼室で適切な比率で混合して燃焼することで推力を発生させるロケットである。推進剤は燃焼器内に超臨界状態で噴射される。 固体燃料ロケットより複雑で信頼性に欠けるが、混合させるだけで自己着火するハイパーゴリック推進剤を使ったロケットは比較的単純である。さらに、人工衛星の姿勢制御エンジンなど一部には過酸化水素やヒドラジンのように触媒で分解する推進剤を使用する単純な構造の一液式のものもある。 第二次世界大戦で使用されたV2ロケットは酸化剤として液体酸素(LOX)、燃料としてエタノール75%と水25%の混合物を使用していた。戦後のミサイルでは、燃料はケロシンやヒドラジン系に置き換わり、酸化剤は液体酸素、四酸化二窒素、硝酸等に置き換わっている。液体フッ素の使用やリチウムの添加など、現行のものより比推力の良い推進剤も提案されているが、毒性や発癌性、腐食性等の取り扱いの観点から現実的ではない。過去には推進剤に起因する事故が複数回起きている。 主な燃料系は以下のとおり: 二液式ケロシン+液体酸素 液体水素+液体酸素 液化メタン+液体酸素 二液式(ハイパーゴリック推進剤)ヒドラジン+硝酸 モノメチルヒドラジン+硝酸 非対称ジメチルヒドラジン+四酸化二窒素 一液式ヒドラジン 過酸化水素
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