二フッ化酸素とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 化学 > 分子化学 > 酸素 > 二フッ化酸素の意味・解説 

二フッ化酸素

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/20 04:11 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
二フッ化酸素
識別情報
特性
化学式 OF2
モル質量 53.9962 g mol−1
融点

−223.8 ℃

沸点

−144.8 ℃

他の溶媒への溶解度 68 mL/L (0℃, 気体)[1]
熱化学
標準生成熱 ΔfHo 24.5 kJ mol−1
関連する物質
関連物質 O2F2
NF3
SCl2
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

二フッ化酸素(にフッかさんそ、oxygen difluoride)化学式 OF2は常温で特異臭ある無色の気体。液体は淡黄色[2]。有毒。融点-223.8℃、沸点-144.8℃。気体分子は折れ線形で[3]。O–F間距離140.9pm、∠FOF103.18°[4]

電気陰性度が酸素は約3.5,フッ素が約4.0なので酸素の酸化数は+2である。これは、酸素酸化数が+2の唯一の化合物である。

二フッ化酸素は水酸化ナトリウム水溶液にフッ素を通ずるか、HFKF の水溶液を電解すると得られる[5][2]。湿ったフッ化カリウムの存在下にフッ素を反応させる方法[6]もある。

その性質はガラスを侵さず、水にやや溶けるが、水溶液は酸性を示さない。125℃まで安定である[3]。フッ化酸素中最も安定で、単独では化学的に不安定というほどではない。しかしその強い酸化力に特徴があり、Cl2Br2およびI2と二フッ化酸素とは室温で爆発する[6]。水蒸気と混合しても室温で爆発する。放電下でH2CH4CO とは爆発的に反応する[2]

アルカリ水溶液中で二フッ化酸素はフッ化物イオンと酸素に分解する。

水とは穏やかに反応しフッ化水素を生成する。

金属あるいは非金属を問わず酸化ないしはフッ素化する。たとえば他のハロゲン化物イオンまたはハロゲン化水素の水溶液に対しては他のハロゲンを酸化する[6]

また放電下では Xe とも反応してフッ化キセノンおよび酸化フッ化キセノンを生ずる[2]

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ Yost, D. M. "Oxygen Fluoride" Inorganic Syntheses, 1939 volume, 1, pages 109-111.
  2. ^ a b c d 漆山 秋雄、「フッ化酸素」、『世界大百科事典』、CD-ROM版、平凡社、1998年。ISBN 978-4582040029
  3. ^ a b 長倉三郎ら(編)、「フッ化酸素」、『岩波理化学辞典』、第5版 CD-ROM版、岩波書店、1999年。ISBN 4-00-130102-4
  4. ^ J.L.Lyman,J.Phys.Chem.Ref.Data,1989,18,799.
  5. ^ HFはほとんど電離しないので、イオン性のKFを加えている。
  6. ^ a b c Cotton, F. A.; Wilkinson,G.; Murillo, C. A.; Bochmann, M. (1999). Advanced Inorganic Chemistry (6th ed), pp. 455–456. Wiley: New York. ISBN 0-471-19957-5

関連項目


二フッ化酸素

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/29 03:05 UTC 版)

フッ化酸素」の記事における「二フッ化酸素」の解説

詳細は「二フッ化酸素」を参照 二フッ化酸素(にフッかさんそ、英: oxyden difluoride)は、化学式が OF2 と表される常温特異臭のある無色気体液体淡黄色有毒融点-223.8 °C、沸点-144.8 °C。 水酸化ナトリウム水溶液フッ素通じるか、HF-KF の水溶液電解すると得られる湿ったフッ化カリウム存在下にフッ素反応させる方法もある。ガラスを侵さず、にやや溶けるが、水溶液酸性示さない125 °Cまで安定である。フッ化酸素中最も安定で、単独では化学的に安定というほどではない。しかしその強い酸化力特徴があり、ハロゲン単体や二フッ化酸素とは室温爆発する水蒸気混合して室温爆発する放電下で H2、CH4、CO とは爆発的に反応する

※この「二フッ化酸素」の解説は、「フッ化酸素」の解説の一部です。
「二フッ化酸素」を含む「フッ化酸素」の記事については、「フッ化酸素」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「二フッ化酸素」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



二フッ化酸素と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「二フッ化酸素」の関連用語

二フッ化酸素のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



二フッ化酸素のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの二フッ化酸素 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのフッ化酸素 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS