二フッ化二硫黄
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/01 09:45 UTC 版)
二フッ化二硫黄(にフッかにいおう、disulfur difluoride)には F−S−S−F と S=SF2 の二種類の異性体が知られている。一フッ化硫黄(いちフッかいおう)と呼ぶことがある。 F−S−S−F の融点は−133°C、沸点は15°Cである。線形構造の分子で S−S 間距離が189pm、S−F 間が164pm、∠SSF = 108° の C2 対称形である。他のハロゲン類縁体と対照的に、こちらの異性体は不安定である。 F−S−S−F は真空中でフッ化銀 AgF と過剰の硫黄を加熱して反応させると生成するが、速やかに S=SF2 に異性化する。 S=SF2 は融点−165°C、沸点−10.6°Cの三角錐形構造で、S−S 間距離が186pm、S−F 間が160pm、∠SSF = 108° の Cs 対称形である。こちらの異性体は比較的安定で、250°Cまで安定だが、それ以上の温度では不均化する。 S = SF 2 ⟶ 3 / 16 S 8 + 1 / 2 SF 4 {\displaystyle {\ce {S=SF2->{{3}/{16}S8}+{{1}/{2}SF4}}}} また、フッ化水素 HF や三フッ化ホウ素 BF3 のような酸触媒で速やかに分解する。 どちらも水と反応し硫黄、フッ化水素とポリチオン酸を発生する。
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