パルスプラズマスラスタとは? わかりやすく解説

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パルスプラズマスラスタ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/22 05:18 UTC 版)

パルスプラズマスラスタPPT )は、パルスプラズマロケット(PPR)またはプラズマジェットエンジンとも呼ばれ、電気による宇宙船推進機関の一種である[1]。PPTは一般的に、最も単純な形式と電気推進機関であると考えられており、1964年にソ連の2機の探査機ゾンド2号ゾンド3号ではじめて採用され、これが宇宙で使用された最初の電気推進機関となった[1]。PPTは通常、太陽電池パネルからの豊富な余剰電力をに利用可能な宇宙機に搭載される。

動作概念

パルスプラズマスラスタの概略レイアウト

ほとんどのPPTは、推進剤に固体材料(通常は ポリテトラフルオロエチレン (PTFE) )を使用する。液体や気体の推進剤を使用するものはほとんどない。 PPTが動作する最初の段階では、燃料内を通過する電気アーク が発生し、燃料のアブレーション昇華を引き起こす。このアークによって発生した熱により、結果として生じたガスがプラズマに変化し、それによって帯電したガス雲が作成される。アブレーションの力により、プラズマは2つの帯電プレート(アノードカソード)の間を低速で進む。プラズマは帯電しているため、燃料は効果的に2つのプレート間の回路を形成し、電流がプラズマに流れるようになる。この電子の流れにより強力な電磁場が形成され、それがプラズマにローレンツ力を加え、プラズマをPPT排気口から高速で加速する[1]。その動作はレールガンに似ている。パルスは、燃料の各バーストの後にプレートを再充電するために必要な時間と、各アーク間の時間によって発生する。パルスの周波数は通常非常に高いため、ほぼ連続的で滑らかな推力が生成される。推力は非常に低いが、PPTは長期間連続して動作することができるため、大きな最終速度を得ることが出来る。

各パルスで使用されるエネルギーはコンデンサに蓄えられる[1]。各コンデンサの放電間隔を変えることで、PPTの推力と消費電力を変えることができるため、システムの多目的な使用が可能になっている[2]

化学推進との比較

宇宙船の速度の変化の方程式は、ロケット方程式( ツィオルコフスキーの公式 )によって次のように表される。




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