だんどう‐ミサイル〔ダンダウ‐〕【弾道ミサイル】
弾道ミサイル(Ballistic Missiles)
【弾道ミサイル】(だんどうみさいる)
Ballistic Missile (BM)
宇宙ロケットに近い形状をした長距離ミサイル。またはペイロードに爆薬を搭載した宇宙ロケット。
ロケットエンジンで大気圏外に上昇、極超音速で巡航し、大気圏に再突入して目標へ到達する。
現在の技術では巡航中に撃墜する手段が確立されておらず、再突入後のごく短時間にしか迎撃できない。
反面、慣性航法装置(INS)でのみ制御されるため、命中精度は極めて劣悪で、核兵器などによる戦略爆撃の用途にしか利用できない。
弾道ミサイルと宇宙ロケットはそれぞれ別々の意図を持って設計されているものの、どちらもモノを大気圏外へ打ち上げる事が目的なので構造に大差はない。
弾道ミサイルに人工衛星を搭載して静止軌道に乗せる事は十分可能であるし、宇宙ロケットに核兵器を搭載して狙った場所に墜落させるのも困難ではない。
そのため、弾道ミサイル開発から打ち上げ用ロケットが派生することも、逆に学術研究目的のロケットから弾道ミサイルへ派生することも十分可能である。従ってロケットの開発は常に政治が絡み、場合によっては海外から技術供与を拒否されることも起こる。
ならず者国家などはしばしば弾道ミサイルの実験について「核兵器の実験ではなく宇宙開発事業である」と主張するが、実情は定かでない。
弾道ミサイルの分類
弾道ミサイルは主に有効射程によって分類され、条約や国によって数字は異なるが、おおむね以下のように分類されている。
弾道ミサイル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/18 09:41 UTC 版)
弾道ミサイル(だんどうミサイル、英: ballistic missile)は、大気圏の内外を弾道を描いて飛ぶ対地ミサイルのこと。弾道弾とも呼ばれる。弾道ミサイルは最初の数分の間に加速し、その後慣性によって、いわゆる弾道飛行と呼ばれている軌道を通過し、目標に到達する。
注釈
出典
- ^ a b c d e f g 令和2年度防衛白書. 防衛省. (2020). p. 193
- ^ 関 賢太郎 (2017年12月25日). “ミサイル、「巡航」と「弾道」でなにがちがう? 射程だけじゃないそれぞれの特徴とは”. p. 2
- ^ 『新版 北朝鮮入門: 金正恩体制の政治・経済・社会・国際関係』、磯崎敦仁、澤田克己
- ^ ソ連発表の地図に異変 西部の町、鉄道位置が大移動 核攻撃を想定し偽装?『朝日新聞』1970年(昭和45年)2月4日朝刊 12版 14面
- ^ [1][リンク切れ]
- ^ http://thepage.jp/detail/20150804-00000009-wordleaf?page=1
- ^ “Treaty Between The United States Of America And The Union Of Soviet Socialist Republics On The Elimination Of Their Intermediate-Range And Shorter-Range Missiles (INF Treaty)”. アメリカ合衆国国務省. 2020年8月6日閲覧。
- ^ a b c 多田智彦 (10 2007). “ミサイル防衛の巨大センサー網”. 軍事研究 42巻 (10号): 66-67. ISSN 0533-6716.
弾道ミサイル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 09:42 UTC 版)
大気圏再突入時、再突入体は極超音速(IRBMでも秒速2km程度、ICBMであれば秒速約7km程度)となることから、空力加熱により数千度以上に加熱され、短い波長の放射を多く出す。
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弾道ミサイル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 08:42 UTC 版)
「朝鮮人民軍の兵器一覧」の記事における「弾道ミサイル」の解説
KN-02 (ドクサ)- 9K72の独自改良型。2008年の軍事パレードでベラルーシ製トラックに搭載されて登場。KN-08 KN-14 北極星1号(KN-11) 北極星2号(KN-15) 北極星3号(KN-26) 北極星4号 北極星5号 スカッドスカッドB - 2基。1976年、エジプトより購入契約。 ファソン5(英語版) - スカッドB改。「ファソン」は「火星」の意味。 ファソン6(英語版) - スカッドC改。 スカッドPIP スカッドER KN-18 - 2017年にMARVから試験発射した。スカッドC改ことファソン6(英語版)の改良型であり、ペンタゴンからKN-18と命名された。 KN-21 - スカッドB改ことファソン5(英語版)の改良型。2017年にMARVから試験発射した。ペンタゴンからKN-21と後に名称が発表された。 火星8型 - 2021年9月29日ごろに発射された新型の極超音速ミサイル。朝鮮中央通信と労働新聞が報じ、朝鮮中央通信が名称の公開を行った。2022年1月には複数回発射されたことが確認された。 ノドンノドン一号 - 初代ノドン。 ノドン二号 - 二代目ノドン。 進歩型ノドン テポドンシリーズテポドン1号(白頭山一号) テポドン2号 ムスダン - ソ連製R-27(SS-N-6)を改良、地上発射型に改装した中距離弾道ミサイル KN-23(英語版) - 9K720に類似した新型の短距離弾道ミサイル(SRBM)。2017年9月ごろ、最初の試射が行われ、続く2019年5月4日と9日、7月25日、8月6日に相次いで発射試験が行われた。 KN-24(英語版) - MGM-140 ATACMSに類似した新型短距離弾道ミサイル(SRBM)。全長が長く、複数箇所で異なる構造をしている。2019年8月と2020年3月に発射試験が行われた。 精密誘導型短距離弾道ミサイル(名称未公開) - 2017年5月29日に発射し、北朝鮮は精密誘導ミサイルと発表した。 KN-27 - 2021年3月25日に発射された新型とみられる精密誘導短距離弾道ミサイル。同年1月に開催された閲兵式で初公開された5軸10輪の移動式発射台に乗せられたミサイルと同一であるとされ、労働新聞ら現地国営メディアも発射成功と伝えた。KN-24の射程延伸などの改良型と思われ、外見が酷似している。 火星12(KN-17) 火星14 - 2017年7月4日に発射された、大陸間弾道ミサイル(ICBM)。通称KN-20。 火星15(KN-22) 火星17(英語版) - 2020年10月に行われた軍事パレードで初めて登場した。11組22輪の超大型移動発射台に搭載されており、射程は13000km超と専門家から推測されている。
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弾道ミサイル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 06:48 UTC 版)
大気圏上層や大気圏外を弾道飛行して目標へ到達するミサイル。射程で分類されるが明確な基準はない。ICBMだけはSALT-IIで射程5,500km以上の弾道ミサイルと規定されている。核弾頭を積んだ戦略ミサイルと通常弾頭を積んだ戦術ミサイルがある。
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弾道ミサイル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 15:29 UTC 版)
日本はM-Vロケットに代表される固体燃料ロケットの技術を保有している。 宇宙ロケットと弾道ミサイルの主な違いは誘導システム、そして再突入体の有無である。宇宙ロケットは地上施設からの電波によって誘導される点が支援を受けずに自律誘導する弾道ミサイルとは大きく異なる。そのため弾道ミサイルを開発するならば誘導システムの新規開発は必須である。再突入体(RV)については、日本はOREXなどで大気圏再突入の実験を5回行ない、慣性航法装置のテストや空力加熱のデータなどをテレメトリー収集した。 当初計画においては実験体の回収までを目標としていたが回収に成功したのは2回であり、さらには情報収集の目的であった宇宙往還機HOPE計画の事実上の凍結もあって、軍事転用できるだけの技術的蓄積は無く、今後も同種の再突入体に関する計画は無いことから、継続しての研究、あるいはデータの取得も見込めない。核弾頭を搭載した再突入体を開発するならば核抑止力としての有効性を持つだけのCEPを有するRVをJAXAとは別に行う必要がある。 固定基地の弾道ミサイルは先制攻撃で狙われやすく、生存性が低い。これは「ソビエトに近い島国」であるイギリスも陥ったジレンマで、空中発射弾道ミサイルを開発しようとして失敗し、ポラリスを導入した経緯がある。後年に実用化された車両移動式ミサイル(TEL)を僻地で運用する方法も考えられるが、日本における僻地とはすなわち国土の7割を占める山地であり、その山岳地における狭隘な道路事情での数十トンのTELの運用は非常な困難を伴う。 兵頭二十八は山岳地帯にミサイル基地建設を提案している。これは敵の先制核攻撃があっても、よほどCEPが高くなければ山自体が盾になるためミサイルの生存性が高まるという考えであるが、周辺住民の反発は確実で政治的難易度が最も高い運用方法である。
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弾道ミサイル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/21 23:09 UTC 版)
弾道ミサイルでは、弾頭(主に核弾頭)は先の尖った円錐状の耐熱カプセルである再突入体 (re-entry vehicle、RV) に搭載される。実施時の速度はIRBMでも秒速2km程度、ICBMであれば秒速約7km程度になるので、着弾までにRVの大部分が損耗し半球状になってしまう。なお、日本が耐熱タイル技術の開発に消極的だったのは、核ミサイル保有の疑いを減らすためであったといわれている。
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弾道ミサイル (ASBM)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/05 14:49 UTC 版)
「対艦ミサイル」の記事における「弾道ミサイル (ASBM)」の解説
詳細は「対艦弾道ミサイル」を参照 弾道ミサイルを対艦兵器として使用するという点で先鞭をつけたのもソビエト連邦で、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)であるR-27(SS-N-6)をベースとした対艦版としてR-27Kを開発して、1970年より発射試験を開始し、良好な成績を得た。またアメリカ合衆国でも、1970年代より配備された準中距離弾道ミサイル(MRBM)であるパーシング IIで良好な射撃精度を得ると、これを対艦兵器として使用することも考慮されるようになった。しかし第一次戦略兵器制限交渉(SALT I)や中距離核戦力全廃条約(INF条約)の影響もあって、いずれもASBMとして配備されるには至らなかった。 1990年代以降、米中間における軍事的衝突の潜在的可能性を踏まえ、中華人民共和国が接近阻止・領域拒否(A2/AD)能力の整備に力を入れるようになると、ASBMの開発・配備も推進されるようになった。2010年にはMRBMをベースにしたDF-21D、また2018年には中距離弾道ミサイル(IRBM)をベースにしたDF-26B(英語版)が配備を開始している。
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弾道ミサイル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 03:34 UTC 版)
軍事上の観点からは、大圏コースは弾道ミサイルの飛行コースとして認識されている。 旧ソ連、中国、北朝鮮からアメリカ合衆国本土を狙うミサイルは、大圏コースとして北極圏上空を飛行するため、アラスカやグリーンランドのレーダー基地で探知することになる(弾道ミサイル早期警戒システム)。
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弾道ミサイル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/04 13:38 UTC 版)
詳細は「北朝鮮によるミサイル発射実験」を参照 朝鮮人民軍は、戦略軍に、KN-02短距離弾道ミサイル(SRBM)、スカッド短距離弾道ミサイルおよび、それを独自に改造した準中距離弾ミサイル(MRBM)のノドン、固体燃料の準中距離弾道ミサイルの北極星2号を配備しており、さらに米国本土を射程にすることを狙った大陸間弾道ミサイルの火星14と火星15の発射実験を行っている。KN-02短距離弾道ミサイルは韓国の首都ソウル、スカッドは韓国全域と日本の一部、ノドンと北極星2号は日本の大半、開発を進めている火星15はアメリカ全土を射程に含める事を狙っているため、極東アジアのみならず世界における軍事的緊張の一因となっている。 配備中の弾道ミサイルのうちKN-02短距離弾道ミサイルを除き、全て液体燃料ミサイルであるが、液体酸素や液体水素では無く常温保存が可能なものなので即応性も相応にある。実際ソ連のSLBM/ICBMも常温保存液体燃料であったし、燃料注入状態で1ヶ月以上保存可能であった。 2013年において北朝鮮の核兵器については核弾頭として予想最大保有数は20個前後との予測がされている。最低は核弾頭は存在せず大型原子爆弾5〜6個との予測。ただしこれは北朝鮮保有のプルトニウム量から推測したもので、高濃縮ウランによるものは考慮されていない。 核の闇市場を通じてパキスタンあるいは中国製の1960年代に設計された弾道ミサイルに搭載可能なウラン爆縮型原子爆弾の設計図が北朝鮮に流入している可能性がある。 2009年3月10日、アメリカ国防情報局が上院軍事委員会に提出した書面によると、弾道ミサイルに搭載可能な核弾頭の小型化技術獲得に成功した可能性があるとの見方を示した。 2009年3月31日、核爆弾の小型化に成功し、ノドンに搭載できるまでになり、弾頭を現在北朝鮮北部の地下施設で保存しているとの情報を米韓情報当局が得ていることが明らかになった。 どの弾道ミサイルであっても高性能爆薬や生物化学兵器については運用可能だと考えられている。核については少なくともスカッド、ノドンに関しては運用可能だと考えられている。 MIRV搭載技術についてはムスダンの原型となっているR-27 (弾道ミサイル)潜水艦発射弾道ミサイルを技術移転した際に獲得している可能性が高い。しかしMIRVには核弾頭の極端な小型化が必要であり、そのためには強化原爆あるいは水爆技術が必要とされるが、これは2013年現在まだ途上とみられ、結果的にMIRVは採用できず、単弾頭だと考えられている。ただし、生物化学兵器に関してはこの限りではない。
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「弾道ミサイル」の例文・使い方・用例・文例
- その標的は彼らの弾道ミサイルの射程距離内にある
- 我が国は対弾道ミサイルシステムの開発を計画している。
- 弾道ミサイル
- 弾道ミサイルを搭載した潜水艦
- 大陸と大陸の間を飛行可能な弾道ミサイル
- 弾道ミサイルを格納し発射する地下の構築物
- スペースと大陸間弾道ミサイル操作で米国を防衛するのに責任がある米国空軍のコマンド
- 弾道ミサイル防衛の実現化を担当する国防総省の政府機関
- SS25という,移動式の大陸間弾道ミサイル
- SS20中距離弾道ミサイルという中距離ミサイル
- コールドランチという,弾道ミサイルの発射方式
- 弾道ミサイルに対する防御システム
- 対戦術弾道ミサイル網という弾道ミサイル防御網
- タイフーン級弾道ミサイル原潜という原子力潜水艦
- 射程800キロメートル以下の地対地弾道ミサイル
- 弾道ミサイルを弾道飛行中に捕捉し破壊するミサイル
- 弾道ミサイル早期警戒システムという核攻撃探知システム
- ピルボックスという弾道ミサイル探知装置
- ヘンハウスレーダーという弾道ミサイル探知装置
- 弾道ミサイルを撃破しようとするミサイル体系
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