空対艦ミサイルとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > 空対艦ミサイルの意味・解説 

くうたいかん‐ミサイル【空対艦ミサイル】

読み方:くうたいかんみさいる

航空機から発射して艦艇攻撃するミサイル空対艦誘導弾ASMair-to-ship missile)。


【空対艦ミサイル】(くうたいかんみさいる)

空中発射して水上艦攻撃するためのミサイル
主に攻撃機爆撃機ヘリコプターなどに搭載される。

どこから攻撃される予測不能であり、高速飛翔するためCIWSでの迎撃も困難。
破壊力においても、現行の空対艦ミサイルはいずれも大抵の艦艇一撃大破せしめる
現代水上艦にとって最大脅威であり、対艦ミサイル対策海軍最重要技術課題である。

現代水上戦闘は、おおむね空対艦ミサイルとCIWS技術開発競争現場である。
RAMなどの迎撃技術進歩合わせ、空対艦ミサイルも迎撃回避技術追求されている。

例を挙げればミサイル飛翔速度向上、地形追随飛行を行う飛行制御プログラムなど。
また、搭載母機同様に迎撃回避するための技術追求している。

関連フォークランド紛争

各国の対艦ミサイル


空対艦ミサイル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/11 04:19 UTC 版)

エグゾセASMを搭載して発艦するシュペルエタンダール艦上攻撃機

空対艦ミサイル(くうたいかんミサイル、英語: air-to-ship missile, ASM)は、航空機から発射される対艦ミサイルのこと。

概要

第二次世界大戦中の対艦兵器としては砲熕兵器やロケット弾魚雷無誘導爆弾などが用いられていた[1]。その後、大戦末期にかけて精密誘導兵器(PGM)の開発が進むと、まずは推進装置をもたない誘導爆弾が導入されたが、これと並行して巡航ミサイルの開発も進められており、ドイツ空軍では1943年よりHs.293を実戦投入した[1]大日本帝国陸軍イ号一型甲無線誘導弾およびイ号一型乙無線誘導弾を開発していたが、いずれも実戦投入には至らなかった[2]。またアメリカ海軍ガーゴイルを開発していたが、こちらも実戦投入には至らなかった[1]

大戦後、ソビエト連邦ではナチス・ドイツから獲得したミサイル技術も踏まえて巡航ミサイルの開発を進めており、1953年にはMiG-15戦闘機を無人化したような設計のKS-1(AS-1)英語版を就役させ、これが同国初の空対艦ミサイルとなった[3]。その後も順次に開発・配備が進められていき、1966年には最大射程350海里 (650 km)という長大な射程を誇るKSR-5(AS-6)英語版が配備された[4]

ただしソ連では、政治的な理由もあって、このように戦略爆撃機でなければ搭載できないような大型・長射程のミサイルの開発が先行したため、戦術的に使用できるようなミサイルの開発が開始されたのは1960年代中盤になってからであった[3]。これに対して西側諸国では、むしろ比較的小型・短射程のミサイルの開発が先行しており、まず1959年、アメリカ海軍の対潜哨戒機が浮上した潜水艦を攻撃するための兵器として、指令誘導式のブルパップ(射程10海里 (19 km))が配備された[5]

その後、1970年代には北大西洋条約機構(NATO)諸国でも電波光波ホーミング誘導式の空対艦ミサイルの実用化が相次いだが、これらの多くは艦対艦ミサイル(SSM)とファミリー化されていた[1]。特にエグゾセ1982年フォークランド紛争で実戦投入され、駆逐艦シェフィールド」撃沈などで有名になった[6]。また航空自衛隊でも、1980年には80式空対艦誘導弾(ASM-1)を制式化した[7]

対艦ミサイルが登場した当初は、単に小さく高速であるというだけで要撃を避けることができていたが、水上艦の側でもミサイルの脅威に対抗するため電子攻撃CIWSなど対艦ミサイル防御(ASMD)の技術を発達させていったことから、後にはミサイルの側でも、超低空飛行(シースキミング)レーダー反射断面積(RCS)の低減によって敵からの探知を避けたり、超音速化によって要撃のための余裕を与えないようにしたりといった策を講じていくことになった[1]

主な機種

ソビエト連邦/ ロシア
中国

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ a b 対戦車ミサイルとして用いられるのが一般的だが、小型艦艇への攻撃用として使われることもある[8]
  2. ^ フランスとの共同開発
  3. ^ インドと共同開発した派生型
  4. ^ ASM-3(改)が開発中

出典

  1. ^ a b c d e Lake 2019.
  2. ^ 防衛庁防衛研修所戦史室 1975, pp. 458–460.
  3. ^ a b Gordon 2005, ch.2 Death From The Skies.
  4. ^ Friedman 1997, p. 234.
  5. ^ Friedman 1997, pp. 253–254.
  6. ^ Friedman 1997, pp. 226–227.
  7. ^ Friedman 1997, pp. 232–234.
  8. ^ Friedman 1997, pp. 257–258.

参考文献


空対艦ミサイル(ASM:英: air-to-ship missile)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 06:48 UTC 版)

ミサイル」の記事における「空対艦ミサイル(ASM:英: air-to-ship missile)」の解説

航空機から発射される対艦ミサイル航空機機動力優れるため、このグループミサイル射程は他のプラットフォームから発射される対艦ミサイルより短いものが多い。

※この「空対艦ミサイル(ASM:英: air-to-ship missile)」の解説は、「ミサイル」の解説の一部です。
「空対艦ミサイル(ASM:英: air-to-ship missile)」を含む「ミサイル」の記事については、「ミサイル」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「空対艦ミサイル」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「空対艦ミサイル」の関連用語

空対艦ミサイルのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



空対艦ミサイルのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
航空軍事用語辞典++航空軍事用語辞典++
この記事はMASDF 航空軍事用語辞典++の記事を転載しております。
MASDFでは航空及び軍事についての様々なコンテンツをご覧頂けます。
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの空対艦ミサイル (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのミサイル (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS