91式空対艦誘導弾とは? わかりやすく解説

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91式空対艦誘導弾

(ASM-1C から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/07/09 21:57 UTC 版)

91式空対艦誘導弾
ASM-1C[1]
種類 空対艦ミサイル
製造国 日本
設計 技術研究本部三菱重工業[1]
製造 三菱重工業[1]
性能諸元
ミサイル直径 35.0cm[1]
ミサイル全長 4.0m[1]
ミサイル重量 約510kg[1]
弾頭 260kg HE
射程 推定150km
推進方式 TJM2 ターボジェットエンジン[2][3]
誘導方式 慣性航法装置(中途)
アクティブ・レーダー誘導(終末)[1]
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91式空対艦誘導弾(きゅういちしきくうたいかんゆうどうだん)は、日本が開発・配備した空対艦ミサイル対艦誘導弾[1]。別称はASM-1C[1]海上自衛隊P-3CP-1哨戒機によって搭載・運用される[2]

概要

自衛隊では、対艦誘導弾をファミリー化して開発を行っている。航空機搭載の80式空対艦誘導弾(ASM-1)を基に、推進機関のジェット化により射程を延伸し、目標選択アルゴリズムやECCM能力が向上した地上発射式の88式地対艦誘導弾(SSM-1)が1988年に制式化され、陸上自衛隊が取得していた[1][2]海上自衛隊向けに、SSM-1の発展型として、艦船搭載型(XSSM-1B)と哨戒機搭載型(XASM-1C)がほぼ同時に開発されることとなった[2]。艦船搭載型の開発が先行し、哨戒機搭載型より1年早く90式艦対艦誘導弾(SSM-1B)として制式化されている。

対艦誘導弾の発達・開発系譜

哨戒機搭載型(XASM-1C)は、1987年より試作が開始され、1991年に91式空対艦誘導弾(ASM-1C)として制式化された[2]。ミサイル本体部はSSM-1/1Bとほぼ同等であるが、空中発射のため、初期加速用ロケットブースターは廃止されている。実用化に際しては、発射管制装置との接続やパイロン搭載時の適合性を試験している[2]。ミサイル形状は、胴体中央部に4枚の主翼を有し、胴体後部に操舵翼を持つ[2]。長射程を得るため、エンジンはターボジェットエンジンとなっている。また、P-3C搭載時の適合性を図るため、主翼形状が若干変更され、これまでの三角形に近い形状から、台形に近い形状となった[2]。ミサイルは、発射後、直ちにシースキマーモードにて巡航を行う[2]

P-3Cは、最大6発のASM-1Cを搭載可能であり、ハープーンの発射管制システムの改良型を用いていることから、ASM-1Cとハープーンの混載も可能となっている[2][3]。P-3Cの後継哨戒機であるP-1では、最大8発搭載できると言われている[4]

ファミリー化による開発のため、開発期間は4年ほどと短期であり[2]、ほぼ同時に開発したSSM-1Bと合わせて、開発費は約57億円に抑えられている[5]

後継

17式艦対艦誘導弾をベースとして、従来に比して長射程化および機能向上させ敵水上艦艇等への対処能力を向上するために、91式空対艦誘導弾(ASM-1)の後継として哨戒機用新空対艦誘導弾の研究開発が2017年(平成29年)度から2022年(令和 4年)度にかけて防衛装備庁により行われた。この開発は開発リスクや経費低減のために12式地対艦誘導弾の後継としての12式地対艦誘導弾(改)と同時開発され、構成品の共通化などのファミリー化も図られた[6]

長射程化により寸法および重量が増加することに対応するため、哨戒機上での発射技術などの運用技術が研究された。また外部情報に基づく射撃指揮装置の効率的な対艦射撃計画の立案支援機能について機能についても研究が行われた[6]

哨戒機用新空対艦誘導弾は「23式空対艦誘導弾」として、2023年(令和 5年)度予算から調達が開始された[7]。一方で12式地対艦誘導弾(改)は装備化されず、12式地対艦誘導弾能力向上型の研究開発へ開発成果が活用される形になった[8]

脚注

  1. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 自衛隊装備年鑑 2006-2007 朝雲新聞社 P358 ISBN 4-7509-1027-9
  2. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 技術研究本部50年史 P187-194
  3. 1 2 「F-1の誘導兵器とFCS」,川前久和,世界の傑作機No117 三菱F-1,P42-47,文林堂,2006年
  4. 中国潜水艦の天敵“P-1”,竹内修,「軍事研究」,2013年6月号,P28-37,株式会社ジャパン・ミリタリー・レビュー
  5. 誘導武器の開発・調達の現状 平成23年5月 防衛省経理装備局システム装備課
  6. 1 2 平成28年度 事前の事業評価 12式地対艦誘導弾(改)及び哨戒機用新空対艦誘導弾 本文 (PDF). 防衛省. 2026年7月10日閲覧。
  7. 我が国の防衛と予算-防衛力抜本的強化「元年」予算- 令和5年度予算の概要2023年3月28日、防衛省
  8. プロジェクト管理対象装備品等の現状について(取得プログラムの分析及び評価の概要について) (PDF). 防衛装備庁 (2023年8月31日). 2026年5月1日閲覧。

参考文献

  • 平成28年度 事前の事業評価 「12式地対艦誘導弾(改)及び哨戒機用新空対艦誘導弾」

関連項目

外部リンク




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