コルモラン_(ミサイル)とは? わかりやすく解説

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コルモラン (ミサイル)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/29 00:40 UTC 版)

コルモラン
種類 空対艦ミサイル
製造国 西ドイツ
性能諸元
ミサイル直径 34.4 cm
ミサイル全長 4.4 m
ミサイル全幅 100 cm
ミサイル重量 1型: 600 kg
2型: 630 kg
弾頭 160 kg (HE 55 kg)
射程 1型: 30 km以上
2型: 55 km以上
推進方式 固体燃料ロケット
誘導方式 中間航程: INS
終末航程: ARH
飛翔速度 マッハ0.9
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コルモランドイツ語: Kormoran)は、西ドイツで開発された空対艦ミサイル[1]。形式番号はAS.34[2]

来歴

1962年より、メッサーシュミット・ベルコウ・ブローム(MBB)社において研究開発が着手され、その後フランスノール・アビアシオン(後のアエロスパシアル)社も参画した。最初の試射は1967年に行われ、1974年に実戦配備が承認された。最初の量産弾は、1977年12月にドイツ連邦海軍に引き渡された[2]

また1983年には、射程延伸や弾頭大型化などを図った発展型としてコルモラン2の開発が開始され、1991年1月には配備可能と宣言、1996年より就役した[2]

設計

トーネードIDSからの発射シーン

ミサイルの誘導方式は、中間航程では慣性誘導、終末航程ではアクティブ・レーダー・ホーミング(ARH)方式とされている。射撃モードは、ミサイルのシーカーにより目標を捕捉・追尾する「レーダー追尾」(lock-on)、母機のレーダーによって目標を捕捉・追尾する「レーダー捕捉」(acquisition)、および「目視」の3つがある[2]。レーダーは優れた電子防護性を備えている[1]

弾頭重量は160キログラム、炸薬量は55キログラムである。ペイロードは16個の底浅な自己鍛造弾(P-charges)から構成されており、それぞれ70〜90ミリメートルの装甲を貫徹できた[1]。またコルモラン2では、弾頭重量は99.8 kgに強化されている[2]

本ミサイルは、低空飛行中の攻撃機であっても、短時間ポップ・アップするだけで発射可能なように設計されていた[2]。攻撃中にマッハ0.6から0.95を維持できて、目標を探知するレーダーと自動航法装置を備える攻撃機であれば搭載可能とされているが、運用のためにはPHI(position and homing indicator)および発射機構を備える必要があった[1]

配備

本ミサイルは、洋上航空阻止任務におけるトーネード IDSの主兵装として、ドイツ海軍航空隊イタリア空軍で運用されていた[2]。またドイツ海軍航空隊では、F-104Gにも搭載された[1]。運用は2012年までに終了した。

出典

  1. ^ a b c d e Taylor 1982, p. 698.
  2. ^ a b c d e f g Friedman 1997, pp. 228–229.

参考文献

関連項目


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