空対空戦闘
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/11 07:01 UTC 版)
航空優勢の確保のために行なわれる空戦は、航空力学の諸法則や天候や航空機の性能及び軍事技術によって機動などが制約され、戦闘機は敵との優位な相対位置を獲得しようと連続的に機動して攻撃する。 空中戦は一般的に、発見・接近・攻撃・運動・離脱の要領で行われるが、実戦においてこれらの段階が順序だてて進むとは限らず、奇襲を受けた場合は唐突に攻撃や運動を開始して戦闘を行う。基本的な戦法は古典機からジェット機まで変わらず、ミサイルやコンピューターが発達しても遠方からのミサイルではほぼ生き残り近接戦になるため、格闘戦(ドッグファイト)の役割がまだ大きい。お互いに見えない位置からミサイル攻撃による戦闘が行われ、決着がつかなければ格闘戦に移行する。第二次世界大戦では、零戦とF4F、スピットファイアとBf 109のように格闘戦か一撃離脱で有利な空戦に持ち込むかも勝敗に関係していた。 発見 航空戦の第1段階は敵機の発見である。敵機の捜索は第一次世界大戦の頃は肉眼に依存していた。しかし、F-86を機にレーダーを搭載した戦闘機が現れると、敵機の捜索は主にレーダーで行うようになり、空中早期警戒システムや戦闘機誘導員との連携によって100キロメートル先の視認できない敵機を捜索することが可能になった。敵を先に発見することは戦闘において主導権を獲得することであり、敵機の存在を把握すればそれに最適な要撃位置を占位することが出来る。 同時に敵の捜索を回避する手段も航空戦に必要である。その手段としては対電子妨害手段がある。これは敵機の電子支援手段を妨害するものである。また捜索を回避する手段として低空飛行がある。これは敵の電子放射を監視してその間隙を通過するものである。 遠隔攻撃 敵機を発見した場合に可能であれば遠隔攻撃行動に入る。敵機の撃墜には、敵機と100キロメートル程度はなれた位置から長射程の空対空ミサイルを発射する場合がある。この他にも、自己誘導型で敵機を目指して飛行する空対空ミサイルもあるが、これらは非常に高価で、安価で汎用のものでは、自機で敵機に照準を合わせるミサイルや敵機が放出した熱を追っていくミサイルがある。前者は機首を敵機から離せず後者は気象に左右されやすい。そのためどのミサイルも完璧な兵器とはいえない。発射の際は、早期警戒管制機の支援を受けることもある。敵機の撃墜に失敗した場合は接近して戦闘行動に入るかどうかが問われる。また、敵からの攻撃に対しても迅速な対応や判断が求められる。 接近攻撃 航空機は攻撃に入る前に空中戦を志向するかどうかを決心しなければならない。これは、状況を把握している空中または地上の誘導員によって行われる。攻撃を行うことが決心されれば、航空機は速やかに攻撃のために、敵機に対して要撃成功の最適位置へ移動する。この際に重要なのは速度であり、高速であればあるほどに敵に発見される前に好位置を占位できる。その好位置とは、戦闘における運動や離脱において要する位置エネルギーを確保することが出来る高高度である。スピードは、失速すれば撃墜される危険があり、速すぎれば旋回半径が大きくなり舵が重くなる。 接近攻撃の段階における戦闘では戦術的状況と使用兵器によって左右される。戦術的状況とは航空機の運動によってもたらされる彼我の相対的な位置関係である。攻撃に最適な戦術的状況は敵機の後方であると伝統的に考えられているが、接近に時間を要する。正面からの攻撃は彼我の距離を最小化して攻撃の成功率を高めるが、敵の目前で直線的に飛行するために逆に攻撃を受ける危険性が最も高い。また横正面などの敵機の位置が激しく変化する方向からの攻撃は成功させることが難しく、ミサイルの追尾もより困難になる。機関砲やミサイルの射程にとらえるための格闘戦に入る。 離脱 戦闘で最適な離脱とは敵機の撃墜である。しかしながら常に敵機が撃墜できるとは限らず、また戦局や消費する燃料量の都合から戦闘を離脱することが求められる場合もある。また撃墜せずに戦闘を離脱する場合は相手から攻撃を受ける危険な段階でもある。従って戦闘は常に燃料量を確認しながら行い、基準値にまで燃料が消費されれば速やかに離脱しなければならない。 ただし、帰投する場合でも、基地が攻撃を受けて着陸不能になっている場合や途上での戦闘を考慮し、必要ならば代替の基地まで航続できるだけの燃料を要する。要するに離脱で重要なのはいかにして燃料を温存するかである。航空戦において特に重大な局面であり、最も困難な段階でもある。
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空対空戦闘
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/10 10:25 UTC 版)
空対空戦闘は、第一次世界大戦の頃は、ピストルなどでパイロットどうしが打ち合う程度だったが、次第にショットガンを持ち込むパイロットも出てくるようになりフランス空軍のローラン・ギャロスが、モラーヌ・ソルニエ Lに、固定銃を装備した事で戦闘機の思想が生まれ戦闘機同士の空対空戦闘が発達した。現在では主に空対空ミサイルでの戦闘がメインだが、固定武装として機関砲を対地、対空用に搭載している。
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