IHI原動機とは? わかりやすく解説

IHI原動機

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/14 00:55 UTC 版)

株式会社IHI原動機
IHI Power Systems Co., Ltd.
種類 株式会社
本社所在地 日本
101-0021
東京都千代田区外神田2-14-5
設立 2003年2月3日
業種 輸送用機器
法人番号 9010001081674
事業内容 原動機の製造販売
代表者 村角敬(代表取締役社長
資本金 30億円
売上高 641億3,100万円
(2024年3月期)[1]
営業利益 3億7,600万円
(2024年3月期)[1]
経常利益 15億3,400万円
(2024年3月期)[1]
純利益 17億4,700万円
(2024年3月期)[1]
純資産 255億8,600万円
(2024年3月期)[1]
総資産 783億3,200万円
(2024年3月期)[1]
支店舗数 6
主要株主 IHI 100%
外部リンク https://www.ihi.co.jp/ips/
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IHI原動機(アイ・エイチ・アイげんどうき、IHI Power Systems Co., Ltd.)は、東京都千代田区外神田にある舶用・陸用・車両用のディーゼルエンジンガスタービンZ型推進装置などの製造・販売を行うIHIグループの企業である。

旧・新潟鐵工所の原動機部門が前身であり、1919年大正8年)の新潟鐵工所時代には、日本で初となる舶用ディーゼルエンジンを開発している[2]

また、2021年(令和3年)に新潟ニューエナジーNPS新潟発電所[3]の譲渡を受け、IPS新潟発電所として発電事業も行っている[4]

沿革

  • 2001年平成13年)11月 - 新潟鐵工所が会社更生法の適用を申請。
  • 2003年(平成15年)2月3日 - 新潟鐵工所の原動機事業を承継して新潟原動機株式会社 を設立。
  • 2019年令和元年)7月1日 - IHI本体の航空機転用型ガスタービンを主機とする発電プラント事業を分社化し新潟原動機へ継承。更にIHIの100%子会社であるディーゼルユナイテッドを吸収合併し社名を株式会社IHI原動機へ変更。
  • 2021年(令和3年)11月1日 - 新潟ニューエナジーよりNPS新潟発電所を譲受。IPS新潟発電所に名称変更し、発電事業に参入[4]
  • 2022年(令和4年)11月1日 - 子会社として株式会社IPS相生を発足[5]
  • 2023年 (令和5年) 4月1日 - IHI原動機の2ストローク舶用大型エンジン「WinGD」と4ストロークディーゼルエンジン「S.E.M.T Pielstick」のライセンス及びその付随事業を子会社のIPS相生へ継承。同日IPS相生の全株式を三井E&Sへ譲渡し、社名を株式会社三井E&S DUに変更[5][6][7]
  • 2024年(令和5年)4月24日- 船舶用や陸上用のエンジンの燃費に関するデータを改ざんしていたと発表した。改ざんは国内の2工場で行われ、このうち新潟内燃機工場(新潟市)では1980年代後半に始まった可能性がある。データが確認できる2003年以降だけで国内外に出荷された計4361台に上り、納入先には海上保安庁やJR北海道が含まれている。内部告発により判明した。

取扱製品

ディーゼルエンジンは新潟鐵工所を端緒とする「ニイガタディーゼル」ブランドを擁している。過去にはIHI時代からの流れをくむ「DU-S.E.M.T.Pielstick」及び「DU-WinGD」も擁していたが、2023年4月に三井E&Sへ事業を譲渡している。なお旧新潟鐵工所もSEMTピルスティクとライセンス契約を結び、その後新潟原動機となってからも「新潟-S.E.M.T Pielstick」として事業を行っていたが、ディーゼルユナイテッドとの合併時にDUブランドに統合されている。

ガスタービンエンジンは新潟鐵工所と米国ソーラー社とのライセンス契約に基づく「ニイガタソーラーガスタービン」と、IHI独自開発の「IM270」及びゼネラル・エレクトリックとのライセンス契約に基づく「LMシリーズ」を擁する。なお、ガスタービンエンジンは発電用機関のみの取り扱いとなっている。

舶用エンジン

舶用主機関
  • 低速ディーゼルエンジン
  • 中速ディーゼルエンジン
  • 高速ディーゼルエンジン
    • 16V20FX - 燃料に軽油だけでなくA重油も使用できる事から、MTU製の独壇場であった高速巡視船の主機関として多く採用されている。
発電用ディーゼルエンジン
多目的ディーゼルエンジン

陸用エンジン

非常用発電装置
  • 非常用発電装置ディーゼルエンジン
  • 非常用発電装置ガスタービン
常用発電装置
  • 常用発電装置ディーゼルエンジン
  • 常用発電装置ガスエンジン
  • 常用発電装置ガスタービン

鉄道車両用エンジン

鉄道車両用ディーゼルエンジン

Z型推進装置(Zペラ)

舶用 Z型推進装置”Zペラ”[9][10]
  • 舶用 Z型推進装置 固定ピッチプロペラ(FPP)
  • 舶用 Z型推進装置 可変ピッチプロペラ(CPP)

その他

  • ガイスリンガー継手
  • 発電監視装置 EDEN® PLⅢSYSTEM
  • 集中監視システム NESTY
  • 潤滑油清浄管理装置 ルブクリン

事業所

支店・営業所

  • 北海道支店 - 北海道札幌市中央区
  • 東北営業所 - 宮城県仙台市青葉区
  • 新潟営業所 - 新潟県新潟市東区
  • 名古屋営業所 - 愛知県名古屋市中区
  • 大阪支店 - 大阪府大阪市中央区
  • 九州支店 - 福岡県福岡市中央区
  • 焼津営業所 - 静岡県焼津市
  • 四国営業所 - 愛媛県今治市
  • 長崎営業所 - 長崎県長崎市

生産センター

  • 太田工場 - 群馬県太田市
  • 新潟内燃機工場[2] - 新潟県新潟市東区
  • 新潟鋳造工場[2] - 新潟県新潟市東区
  • 新潟ガスタービン工場 - 新潟県北蒲原郡聖籠町(新潟トランシス本社事業所が同敷地内に所在)

関係会社

  • ニコ精密機器株式会社 - 新潟県南魚沼市

脚注

  1. ^ a b c d e f 株式会社IHI原動機 第22期決算公告
  2. ^ a b c 新潟原動機株式会社 大形地区(鋳造工場・内燃機工場)」『日本マリンエンジニアリング学会誌』第47巻第3号、社団法人日本マリンエンジニアリング学会、2012年、445-449頁、2014年11月28日閲覧 
  3. ^ 発電エンジンを新潟原動機時代に製造・納入している。発電所は新潟内燃機工場・新潟鋳造工場と同敷地内に所在。旧発電所名にある「NPS」は新潟原動機(Niigata Power Systems)の頭文字を取っている。
  4. ^ a b 環境報告書2023”. IHI原動機. 2024年10月14日閲覧。
  5. ^ a b 沿革|株式会社三井E&S DU”. www.mes.co.jp. 2023年4月8日閲覧。
  6. ^ 株式会社IHI原動機の大型エンジン及びその付随製品等に関する事業の譲受について | ニュースリリース | 三井E&Sグループ”. www.mes.co.jp. 2023年1月5日閲覧。
  7. ^ 【インタビュー 攻めのフェーズ】三井E&Sホールディングス社長・高橋岳之氏、強い分野 より強く”. 日本海事新聞 電子版. 2023年2月1日閲覧。
  8. ^ 自動車に見られる横置きエンジンのことではなく、水平シリンダー式エンジンに対する国鉄時代からの部内呼称。形式に Horizontal の H が入る。
  9. ^ 南俊一. “新潟原動機株式会社 舵を切らずにその場で旋回!! 360 度あらゆる角度へ推進力を出す特殊旋回式舶用推進装置「 Z ペラ 」”. IHI原動機. 2021年8月13日閲覧。
  10. ^ ニイガタ Z形推進装置 Zペラ “世界の海で想像を超える操船性能を発揮””. IHI原動機. 2021年8月13日閲覧。

関連項目

外部リンク


IHI原動機(旧・新潟鐵工所)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 02:46 UTC 版)

日本の気動車史」の記事における「IHI原動機(旧・新潟鐵工所)」の解説

1983年国鉄普通列車用低コスト形気動車キハ37形を試作したが、搭載され210 PS新潟鐵工所製縦形(直立シリンダー形)直列6気筒機関「DMF13S」(メーカー名称は「6L13AS」)は船舶用改良ながら構造簡素化され燃費効率改善していた。すぐに横形(シリンダー形)に改良された6H13HS形 (230 - 250 PS) が「DMF13HS」の名称で国鉄採用され、特に国鉄末期新形気動車第三セクター鉄道向け気動車広く用いられ実績上げた以後インタークーラー装備チューニング変更等で250 - 460 PS発生気動車用の汎用機関としてJR私鉄問わず広く用いられている。 現在ではメーカーでの名称も「DMF13HS/HZ系」と改められている。なお、2002年新潟鐵工所経営破綻したため石川島播磨重工業出資により新潟原動機株式会社(現・IHI原動機)が設立されエンジン製造事業一部承継した。

※この「IHI原動機(旧・新潟鐵工所)」の解説は、「日本の気動車史」の解説の一部です。
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