日本国内での導入
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/21 08:11 UTC 版)
「DMF14系エンジン」の記事における「日本国内での導入」の解説
カミンズNシリーズは、日本の鉄道車両メーカーが製造する輸出向け気動車(台湾鉄路管理局のDR2700型気動車、DR3000型気動車、 DR3100形気動車、DR1000形気動車など)に搭載されていたが、国産エンジンに固執していた日本国有鉄道では採用されなかった。日本国内向け鉄道車両としては、大井川鉄道DD20形ディーゼル機関車が初めてNシリーズ(直立シリンダタイプ)を採用した。 国内向け気動車へのNシリーズの採用は、国鉄分割民営化後の1988年に東日本旅客鉄道(JR東日本)がエンジンのコンペを企画し、小松製作所(コマツ)および新潟鐵工所(現・IHI原動機)製エンジンとともにカミンズNTA855-R1エンジンをキハ58形気動車に搭載し、1年間の営業試験走行を行ったことに始まる。試験終了後、JR東日本ではキハ110系気動車などの新製気動車や、旧年式気動車のエンジン換装にNシリーズをDMF14HZ系列として採用した。その後のキハE130系気動車以降の一般形気動車の新形式では小松製作所製SA6D140H系エンジンをDMF15HZ系列として採用して以降同系列に移行していたが、2017年製造の事業用気動車キヤE195系気動車のみ原設計がJR東海向けであったことから最後に採用した2002年製造の事業用気動車のキヤE193系気動車以来15年ぶりの採用となった。 1989年には、東海旅客鉄道(JR東海)がキハ85系気動車に国内向け新製気動車としては初めてカミンズNTA855-R1エンジンを採用、国鉄式呼称に“C-”を付けC-DMF14HZと称した。以後、JR東海はキハ40系気動車などのエンジン換装も含め、全ての気動車用エンジンをNシリーズに統一した。 なお、日本国内には鉄道車両用ディーゼルエンジンに対する排出ガス規制が存在しないため、2010年代に至ってもNシリーズの導入が続くという、欧米では見られない現象が続いている(上記カタログ参照)。最大手ユーザーの東海旅客鉄道(JR東海)においても、気動車のエンジンをNシリーズに統一した後は、Nシリーズが過去の形式となって以降も後継形式のXシリーズやクアンタムシリーズを全く導入せずNシリーズの調達を続けており、非電化区間用の最新形式(2022年現在)であるHC85系に至っても、旧式化したNシリーズエンジンを搭載している。
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