アジマススラスターとは? わかりやすく解説

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アジマス‐スラスター【azimuth thruster】

読み方:あじますすらすたー

船舶推進方向転換装置一つ船底から下に突出したプロペラスクリュー1付き構造物船体との接合部自在に旋回するため、プロペラ推力任意の方向に向けることができる。船内発動機からの動力固定軸で伝え従来プロペラ異なり、舵が不要繊細な操船が可能。船尾だけでなく船首舷側の下に設置した船もある。→サイドスラスター


アジマススラスター

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/07 07:15 UTC 版)

アジマススラスターのポッドとプロペラ
Zドライブを用いたアジマススラスター

アジマススラスター (: azimuth thruster) は船舶の推進装置の一種で、水平方向に360度回転するポッドにプロペラを装備したもの(アジマスとは方位角の意味)。

概要

固定軸プロペラととによる推進と異なり、船を任意の方向に移動させたり、現在位置を正確に維持したりすることができる。そのため、タグボート掘削船、海底ケーブル敷設船掃海艇などの作業船に多く採用されるほか、ジョイスティック操作のものがプレジャーボートシェアを伸ばしている。従来は小回りを必要とする小型の船舶に使用されていたが、近年ではクルーズ客船等にも使用が広がりつつある。

プロペラを駆動する原動機の配置により、大きく二通りに分類される。

船尾左右に並べて設置されることが多いが、船首にも設置される場合もある。例えば掘削船ちきゅうは、船首と船尾に各3基のアジマススラスターを装備している。

ゼットペラ (Z-peller)(IHI原動機・旧新潟鐵工所→新潟原動機)、ダックペラ (Duckpeller)IHI)、Zeus(カミンズ・メルクルーザー・ディーゼル)[1]、IPS(ボルボ・ペンタ)[2]アジポッドアセア・ブラウン・ボベリ)、マーメイド(ロールスロイス[3]電気推進)などの商標で市販されている。

得失

アジマススラスタを使用することにより、機動性・操船性が向上する。従来はバウスラスタ、スターンスラスタ等を装備していても困難であった小半径での旋回や離接岸時の水平移動が可能になるため、大型船舶でも入出港時にタグボートの支援なしで離接岸することができる。 近年、パワーエレクトロニクスの進歩により普及しつつある交流電動機を用いた電気推進との組み合わせにより機械的な伝達軸を廃する事が可能なため、以下の利点がある。

  • 流体力学的に船型を最適化でき、減速、伝達機構に起因する機械的損失や整備費用を低減できる。
  • 複数の推進器を備える事により機動性、抗堪性が高まる。
  • 定点維持が容易で、海洋掘削船など定位置に留まる必要がある用途に特に適する。

反面、従来の伝達軸を使用した推進器に比べて実績が浅い為、アジマススラスタに起因する故障が複数報告されている。

脚注

関連項目

外部リンク


アジマススラスター

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 06:01 UTC 版)

タグボート」の記事における「アジマススラスター」の解説

プロペラ平方向に360度回転するアヒル水中で脚を動かす状態を連想するためダックペラともいわれる代表的なものとしてはIHI原動機(旧・新潟鐵工所新潟原動機)製ゼットペラ (Z-peller)、IHI製ダックペラ (Duckpeller) がある。日本ではZ-pellerが圧倒的なシェア持っており、その影響韓国中国でもこのタイプはZ-pellerを搭載することが多い。

※この「アジマススラスター」の解説は、「タグボート」の解説の一部です。
「アジマススラスター」を含む「タグボート」の記事については、「タグボート」の概要を参照ください。

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