フェレドキシンとは? わかりやすく解説

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フェレドキシン【ferredoxin】


フェレドキシン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/17 10:16 UTC 版)

フェレドキシン (ferredoxin) は、内部に鉄-硫黄クラスター (Fe-Sクラスター) を含む鉄硫黄タンパク質の一つであり、電子伝達体として機能する。ヘムを含まない非ヘムタンパク質(他にルブレドキシン、高電位鉄-硫黄タンパク質など)のひとつであり、動物から原核生物まで広く分布する。光合成窒素固定炭酸固定水素分子の酸化還元など主要な代謝系に用いられる。酸化還元電位 (E0') は−0.43V。略号はFdである。

比較的小さなタンパク質であるために、エドマン分解法などで古くからアミノ酸配列が調べられ、生物の系統解析などに使用されていた。しかしながら現在は情報量が少ないこともあいまって系統解析に使用されることはない。

フェレドキシンの種類と酸化還元様式

Fe-Sクラスターの種類

フェレドキシンはタンパク質アミノ酸配列や保有している生物よりはむしろFe-Sクラスターの種類によって分類される。Fe-Sクラスターは以下の種類から構成される。

[2Fe-2S]
および硫黄(不安定硫黄)が2つずつ結合している。植物や動物のフェレドキシンはこの形状のみである。真正細菌および古細菌高度好塩菌)もこのフェレドキシンを有する。
[3Fe-4S]
[4Fe-4S]が酸化状態でこの形状になるといわれているが、この形状を生理学的に利用する生物も存在する。真正細菌、古細菌のみが有する。
[4Fe-4S]
このクラスターは完全な立方体を形成しており、フェレドキシンおよび高電位鉄-硫黄タンパク質にみられる。より嫌気的環境で機能する。真正細菌および古細菌(メタン菌好熱菌)が有する。

また、1つのフェレドキシン内に複数のクラスターを有するものもあり、そのようなフェレドキシンは以下の表記がなされる。

  • [3Fe-4S] と [4Fe-4S] を1つずつ持つもの - [7Fe-8S]フェレドキシン
  • [4Fe-4S] を2つ持つもの - [8Fe-8S] あるいは2[4Fe-4S]フェレドキシン

メタン菌はポリフェレドキシンという[4Fe-4S]クラスターを12個有するフェレドキシンを持っている。このようにフェレドキシン内のFe-Sクラスターの種類と数は多様である。

フェレドキシンの酸化還元様式はそれぞれのクラスターで以下のようになっている。

[2Fe-2S]
2 Fe3+ (酸化型)

フェレドキシン (Fd)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/30 07:26 UTC 版)

電子伝達体」の記事における「フェレドキシン (Fd)」の解説

光合成以外にも多く原核生物での電子伝達用いられる鉄・硫黄クラスターを含むタンパク質光化学系Iから NADP+ への電子伝達関与する極めて低い酸化還元電位を持つ。

※この「フェレドキシン (Fd)」の解説は、「電子伝達体」の解説の一部です。
「フェレドキシン (Fd)」を含む「電子伝達体」の記事については、「電子伝達体」の概要を参照ください。

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