古細菌とは?

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こ さいきん [2] 【古細菌】

細菌とは区別される原核生物で、高熱高塩濃度下など特殊な環境生育する細菌総称真核細胞との類縁性も認められ、メタン生成細菌高度好塩菌など100種類以上が知られている。

古細菌

同義/類義語:後生細菌, アーキア
英訳・(英)同義/類義語:Archaebacterium, Archaebacteria

好熱菌メタン細菌硫黄細菌などで、大腸菌などの真性細菌異なり真核生物近縁で共通の祖先を持つと考えられている。
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生物の名前総称など:  原始食虫類  原獣類  原真獣類  古細菌  古生マツバラン類  古生子嚢菌類  固有種

古細菌

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/06 08:32 UTC 版)

古細菌(こさいきん、アーキアラテン語:archaea/アルカエア単数形:archaeum, archaeon)は、生物の主要な系統の一つである。細菌(バクテリア)、真核生物(ユーカリオタ)と共に、全生物界を3分している。古細菌は形態や名称こそ細菌と類似するが、細菌とは異なる系統に属しており、その生態機構や遺伝子も全く異なる。非常に多様な生物を含むが、その代表例として高度好塩菌メタン菌好熱菌などが良く知られている。


  1. ^ ここでは、真核生物の細胞小器官のうち、細菌に由来することがほぼ確実であるミトコンドリア葉緑体、及びそこで働く機構やタンパク質tRNAリボソームなどは除く。これらは細菌の特徴を一部残している。
  2. ^ 線毛や匍匐、アクチンロケットなどによって移動することを言う。
  3. ^ 鞭毛を回転させ推進するという点では細菌と同じである。ただし細菌の鞭毛とは構造が全く異なる。#鞭毛参照
  4. ^ 粘液細菌や一部の藍藻放線菌の中には、相当高度な群体を形成するものがある。
  5. ^ 稀に融合体(多核巨大細胞)を形成する種が存在する。群体についても細菌と同様広く見られる。
  6. ^ プロテオ古細菌クレン古細菌タウム古細菌アスガルド古細菌など)
  7. ^ ユーリ古細菌など
  8. ^ テルモプロテウス目のみ
  9. ^ 一部の好熱細菌はエーテル結合を含む脂質を持つが、その場合でも炭化水素鎖が結合しているのは1,2位であり、古細菌の脂質とは区別できる。
  10. ^ 例外はチラコイドなどがある。稀にだがDNAを囲む膜を持つもの (Planctomyces) もいる。
  11. ^ MreBなど今日では多数の細胞骨格が見つかっている。ただし真核生物ほど多様な機能は持たない。原核生物の細胞骨格参照。
  12. ^ クレン古細菌からはクレンアクチンが見つかっている。ユーリ古細菌から発見された例は少ないが、テルモプラズマからMreBの報告がある。チューブリンホモログも存在(オーディン古細菌、タウム古細菌
  13. ^ 放線菌、スピロヘータの一部は直鎖状のDNAを持つ。
  14. ^ クレン古細菌はテルモプロテウス目のみヒストンを持つ
  15. ^ クレン古細菌はファミリーDを持たない。
  16. ^ サブユニット数は大腸菌で5
  17. ^ サブユニット数は11〜13
  18. ^ 基本的なサブユニット数は12(RNAポリメラーゼII)。古細菌と全てが共通する
  19. ^ 稀に存在するイントロンは自己スプライシング型であり、真核生物特有のスプライソソーム型は存在しない[175]
  20. ^ rRNAやtRNAには広くイントロンが知られているが、mRNAにイントロンが含まれている例は少ない。スプライソソーム型は存在せず、細菌に見られる自己スプライシング型も1例(Methanosarcina acetivorans)しかない。代わりに古細菌のみに存在する酵素が触媒するイントロンがある[175]
  21. ^ RNAは細菌、タンパク質は真核生物にやや類似。rRNAは細菌と同様5S、16S、26S。タンパク質(68個)は殆ど全てのサブユニットが真核生物と一致(67個)する一方、細菌とは34個しか一致しない。[155]。抗生物質感受性はどちらかと言えば真核生物寄りだが、個々の種、抗生物質の種類によって差が大きい。
  22. ^ tRNAのイントロンは少数見つかっているが、全て自己スプライシング型。古細菌と真核生物にある酵素触媒型は殆どない。
  23. ^ そのほかLon、Clp、HslVUなど。放線菌目のみプロテアソームも持つ(他の放線菌綱は持たない)。

注釈

  1. ^ ラテン語名としては、トーマス・キャバリエ=スミスによる、フィル古細菌(Filarchaeota。ESCRT-IIIフィラメントを持つことから[2])があるが、既にトーマス・キャバリエ=スミス本人も使用していない。
  2. ^ ドメインの本来の下位分類である界は明確ではない。一応Woeseによってユーリ古細菌界とクレン古細菌界の2界に大別されている[1]ほか、クレン古細菌界を代替するものとしてプロテオ古細菌界が提案されている[3]。一方、門は国際原核生物命名規約中では定められていない(正式な学名ではない)ものの、Bergey's Manual 2ndは、Domain Archaeaの下にPhylum Euryarchaeota(ユーリ古細菌門)とPhylum Crenarchaeota(クレン古細菌門)を置いており、この2門については広く認められているといって良い。また、タウム古細菌門も記載種を含んでいる。本来は全て正式な学名では無いが、前述の記載種を含む3門のみ引用符で囲んでいない。その他の門は記載種を含まず、多くの場合はゲノム情報をもとに提案された分類である。ここでは門以上の分類群やクレードについても記載した。
  3. ^ 界が異なるため同名でも命名規約上の問題はない。なお、同様にBacteriaという学名を持つナナフシも存在する
  4. ^ ラテン語をそのまま仮名転写するとアルカエア。アルケアは中世ラテン語に近い
  5. ^ "Mendosicutes Gibbons & Murray 1978"。1984年発行のBergey's Manualなどでこの表現が見られる。ここでは原核生物界を構成する4つの門の一つとして位置づけられていた。
  6. ^ トーマス・キャバリエ=スミスは近年Archaeabacteriaを使用しているが、Metabacteria(後生細菌)の方が適切であるとも主張している[10]
  7. ^ 好熱性の細菌は20世紀前半に好熱性の“Bacillus”(後のGeobacillus)などが発見されていた。また、Thermoplasmaよりも少し前の1969年には、イエローストーン国立公園より、高度好熱性の細菌Thermus aquaticus(至適生育温度72°C)が報告されている[20]
  8. ^ Archaeabacteria提唱後に出版された文献であるが、『五つの王国』(リン・マーギュリス著)や、古いBergey's Manual中では、いわゆる古細菌類が様々な細菌グループの中に散らばって分類されている。(Thermoplasmaマイコプラズマ類、高度好塩菌がグラム陰性好気性細菌群(シュードモナス門)、Sulfolobusが化学合成細菌門など。)
  9. ^ "Halobacter cutirubrum"はHalobacterium salinarumに統合されており、現在は無効名
  10. ^ 例えば、日本では1968年の東京大学の高橋による、DNA-23S rRNAハイブリッド法を用いたBacillusに関する研究がある[30]
  11. ^ 16S rRNAは細胞中に大量に存在するため、PCRが開発されていない当時でも配列の比較が可能だった。ただし、当時はRNA配列の全長を決定するのが困難だったため、16S rRNAをいくつかの小断片に切断し、対応する配列と一致する塩基の割合を比較することによって系統解析を行っていた[33]
  12. ^ ラルフ・ウォルフ。当時、ウーズと同じイリノイ大学の同じ階でメタン菌の研究をしていた。Methanothermobacter wolfeiiMethanobacterium wolfeiといったメタン菌に献名されている。なお、提供を受けたメタン菌は、Methanobacterium thermoautorophicum(現Methanothermobacter thermautotrophicus)、Methanobacterium ruminantium M-1(現Methanobrevibacter ruminantium)、Methanobacterium sp. JR-1(後にMethanogenium cariaciとして記載)、Methanosarcina barkeriの4つ。
  13. ^ この当時描かれていた系統樹は、全生物を対象にしたため外群が設定できず、それぞれの生物から系統樹が一点に収束する無根系統樹しか描けなかった。これでは、古細菌が真正細菌、真核生物何れに近縁なのか、何れとも近縁ではないのかといった情報を得ることができない。Lakeや堀は、それぞれ独自に5S rRNAから得られる無根系統樹を折り曲げて共通祖先を作ったが、根本的な解決とはならなかった(両者が描く系統樹は違っていた)。これを解決したのが、岩部らの研究で、両者はそれぞれ独自に共通祖先以前に重複した遺伝子を選び出し、その一方を外群として用いることにより、系統樹に根をつけることに成功した。これにより得られた系統樹は、共通祖先がまず真正細菌と古細菌類に分岐したこと、その後古細菌と真核生物の分岐が起きたことを支持するものであった。[41][42]
  14. ^ 旧名Methanococcus jannaschii。2002年にMethanocaldcoccus属に変更となった[44]
  15. ^ 同年にSynechocystis sp. PCC6803の解析が行われており[46]、こちらの方が先行している可能性がある。その場合5番目。
  16. ^ あくまでも相対的な話である。嫌気培養装置や高温培養装置を必要としない点では有利だが、培地の管理は"通常の"細菌に比べれば難しく(水分が少し飛ぶだけで塩が析出したりする)、また寒天培地上でコロニーを形成する高度好塩菌は少数派と言われている。Haloquadratum walsbyiは、発見してから20年以上純粋培養できなかった。
  17. ^ 超好熱性の細菌は、Aquifex aeolicus(至適増殖温度85℃)、Thermotoga martima(至適増殖温度80℃)などが知られる
  18. ^ 全生物1位。130℃でも耐える。タイプ株であるAV19株の限界生育温度は110℃で、この記録はStrain116株による。また、常温では116℃での増殖が限界で、122℃で増殖させるには200-400気圧に加圧する必要がある[51]。細菌の最高増殖記録はAquifex aeolicusの95℃なので、高温適応の点では古細菌が圧倒的である。
  19. ^ 全生物3位。2001年までは最も強アルカリで増殖できる生物であったが、現在はAlkaliphilus transvaalensis(pH12.5。フィルミクテス門)に更新されている。飽和塩濃度でも増殖できる高度好塩菌を兼ねる。
  20. ^ 全生物1位。同属のP. torridusや近縁のFerroplasma acidiphilumもほぼ同じpHで生育可能
  21. ^ 全生物1位。近縁な古細菌にも同濃度で増殖できるものがいる。
  22. ^ 全生物1位。なお増殖温度も全生物6位。
  23. ^ D37(37%が生き残る限界線量)の比較では、細菌であるRubrobacter radiotoleransの方が上回っている。
  24. ^ 1例のみだが、未培養系統の古細菌MCG-A(Bathyarchaeota class 6)からバクテリオクロロフィルa合成酵素を含む配列が報告されている[78]。このar-bchG(古細菌型バクテリオクロロフィルa合成酵素)は、細菌の持つバクテリオクロロフィルa合成酵素とは系統的に離れており、最も同一性の高いRhodospirillum rubrumとの比較でも27%しか一致しない。大腸菌で発現させた実験によると、実際にこの遺伝子は機能するようである。
  25. ^ 古細菌を病気の直接の原因とする報告は殆どない。感染症と関係が深い細菌とは対照的である。僅かに、特殊な脳脊髄炎の患者から、未知の古細菌DNA配列が多数検出された例がある[84]が、この1例のみしか報告が無く、培養もできなかったことから確定していない。
  26. ^ これらの食品は塩濃度が低すぎるため、使用した食塩由来のコンタミの可能性もある。
  27. ^ なお、現在ゲノム編集に利用されているCRISPR/Cas9は細菌由来である
  28. ^ 細菌の鞭毛は、鞭毛の中を通って先端から構築されるが、古細菌の鞭毛は細いためそのようなことができない
  29. ^ sn-」とは立体特異的番号付けを用いた時につける接頭辞である。DL表記法で表記すると、細菌や真核生物のsn-グリセロール3-リン酸はL-グリセロール3-リン酸またはD-グリセロール1-リン酸、古細菌のsn-グリセロール1-リン酸はL-グリセロール1-リン酸またはD-グリセロール3-リン酸となる。
  30. ^ これを超えるものとして、未培養系統ではあるが、LC_2(ヘイムダル古細菌)の推定ゲノムサイズが6.35Mbp[133]
  31. ^ 真核生物ではヒストンH2A、H2Bが追加され、八量体になっている。1周期のDNAはおおよそ147bp[141]
  32. ^ ヘイムダル古細菌からN末テイルを持つヒストン相同配列が発見されているが、まだ研究されておらず、翻訳後修飾を受ける証拠はない[141]
  33. ^ 高度好塩菌Halobacterium salinarum NRC-1ではアフィジコリンによって増殖阻害を受けること(アフィジコリンはBファミリーDNAポリメラーゼの活性を阻害する)、PolB、PolDのどちらの破壊株も得られないことからともに複製に必須と考えられた[146]PyrococcusMethanococcusは、PolBの破壊株は得られるが、PolDは破壊出来ない[146]。一方、クレン古細菌はPolDを欠き、複数のPolBを保有する[146]
  34. ^ 2014年8月現在。全ゲノムが解読されている古細菌150種中。一方、細菌の45%にも存在する。[152]
  35. ^ RNAポリメラーゼは11〜13のサブユニットより構成され、真核生物のRNAポリメラーゼII(古細菌と共通する12のサブユニットより構成)とよく似ている。細菌ではサブユニット数は5で、いくつかのサブユニットが省かれている。[154]。転写機構もRNAポリメラーゼIIと良く似ており[149]転写開始前複合体(真核生物よりもサブユニット数が少ない)により転写が開始されると考えられている。
  36. ^ リボソームの大きさは細菌と同様70S(50S+30S)。rRNAは16S、5S、23Sの3つで、真核生物の5.8Sに相当する配列は23Sに組み込まれている。また、一般に16S rRNAにはシャイン・ダルガノ配列が認められる。タンパク質はユーリ古細菌で58〜63、クレン古細菌で66〜68の構成。その内67種については真核生物に対応するrタンパクが存在する(細菌と共通するのは33~34しかない)[155]
  37. ^ ジフテリア毒素(真核生物)やアニソマイシン(真核生物)はほぼ感受性、キロマイシン(細菌)やストレプトマイシン(細菌)にはほぼ非感受性であるが、例外としてクロラムフェニコール(細菌)は効果がある。クロラムフェニコールはMethanosphaera stadtmanaeには良く効くが、MethanobrevibacterMethanomassiliicoccusは中程度の耐性を持ち、SulfolobusHalobacteriumにはあまり効かない[156]。リボソームをターゲットとする抗生物質に対する感受性は各古細菌種によって多様性が大きい。なお、ジフテリア毒素は、ほぼ全ての古細菌が感受性を示すため、かつて古細菌と細菌を区別する手っ取り早い手段の一つとして使われていた。
  38. ^ テルモコックス綱古細菌では、細菌や真核生物が糖のリン酸化にATPを消費するところ、ADPを消費する形態になっている。また、グリセルアルデヒド3-リン酸から3-ホスホグリセリン酸への経路が、フェレドキシンオキシドレダクターゼ、または非リン酸化グリセルアルデヒド3-リン酸デヒドロゲナーゼでバイパスされている。この反応では還元型フェレドキシンないし、NADPHが得られるが、ホスホグリセリン酸キナーゼによるATP合成が起こらないため、後者では通常型EM経路よりもATPの生成が1分子少ない。最終段階のホスホエノールピルビン酸からピルビン酸への変換の際、通常型EM経路と異なりホスホエノールピルビン酸シンターゼが働き、AMPピロリン酸からATPが生成される。これらの形態は、熱に弱い反応中間体を経ないことで高温に適応していると考えられる。[160]
  39. ^ 片方が繊毛を持っていれば組み換えは起こるようである。両方が繊毛を失った場合は組み換えが起こらない
  40. ^ Ferroplasma acidarmanusFerroplasma type II(16S rRNA配列99.2%)の間にも組み換えは起こるが、Ferroplasma acidarmanus同士よりもはるかに少ない組み換えしか見られない
  41. ^ 生物は、物質を代謝する際に特定の同位体を好むことがよくあるため、炭素や硫黄同位体比率が大きくずれた分子は生命活動の証拠となりうる(ただし、非生物的に同様の物質が形成されることもあるため慎重に検討する必要がある)。37憶7000万年前(42億8000万年前)の熱水噴出孔で形成されたと考えられる岩石からも同様の痕跡が見つかっている[178]
  42. ^ 真核生物とクレン古細菌(及びタウム古細菌やアスガルド古細菌などにも)には、EF-1(伸長因子-1)に11アミノ酸残基の挿入がある。3ドメイン説が正しい場合、クレン古細菌と真核生物にそれぞれ独立して同じ位置に同じ長さの配列が挿入されたと考える必要がある。一方、エオサイト説が正しい場合、クレン古細菌と真核生物の祖先に11アミノ酸残基が挿入されたと考えれば、挿入が1回で済みはるかに合理的である。
  43. ^ 元々のエオサイト説では、生物全体をEubacteria、Archaeabacteria、Eocyte、Eukaryotesの4界に分けた。Archaeabacteriaは後のユーリ古細菌、Eocyteは後のクレン古細菌に相当する。なお、EocyteはのちにTACKなど近縁種を含むように拡張されている[198]
  44. ^ Urkaryotesは真核生物の遺伝子、または真核生物の本体を指している。また、Crenarchaeota、Euryarchaeotaを総称してArchaeabacteriaと呼ぶとした。[199]

出典

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古細菌

出典:『Wiktionary』 (2011/05/12 12:08 UTC 版)

名詞

(古 細菌こさいきん

  1. アーキア分類学上のドメイン一つ占め生物群。原核生物一群20世紀後半発見され、真正細菌よりも真核生物に近いとされる太古の地球似ている推測される環境生育する種があるため、より古い生物群と考え「古」をつける。いわゆるバクテリアはないため、名称から細菌を外す動きもあるが定着ていない

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