魚類の連鎖球菌症菌とは? わかりやすく解説

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魚類の連鎖球菌(腸球菌)症菌 [Enterococcus seriolicida]

 魚類連鎖球菌症最初1974年高知県養殖ブリ発生しその後各地被害広がってブリ養殖業界で最も重要な細菌性魚病一つとなっている。この魚病初夏から冬にかけて発生するが、真夏に最も流行しやすく現在はブリ養殖地域におよんでいる。
症状特徴眼球飛びだし、その周囲鰓蓋(えらぶた)内側激し出血である。また、(ひれ)の発赤糜爛(びらん)、体表には潰瘍生じ肝臓脾臓腎臓腸管出血する場合もある。しかし、最近はこれらの症状がでずに、狂ったような異常な泳ぎ方をして死亡する例もある。これらの病の脳や鼻腔から多数病原菌検出されるまた、連鎖球菌症ブリのほかにカンパチチダイマダイイシダイマアジヒラメなどの海水魚ウナギニジマスアマゴアユクチボソテラピアなどの淡水魚感染する。この魚病治療法一般に抗生物質(テトラサイクリンマクロライド)が有効であるが、近年薬剤耐性菌問題もおきている。また、予防法としてワクチン実験的に検討されているがまだ実用化されていない
ブリ連鎖球菌症原因菌最近日本腸球菌エンテロコッカス・セリオリシダ(Enterococcus serioricida)と命名されたので、別名を"腸球菌症"ともよばれている。この細菌淡水海水中に常在する条件性病原菌で、グラム陽性通性嫌気性連鎖球菌(0.7×1.4μm)である。発育は20-37,pH7.6,塩分は0%が最適であるが、塩分7%でも発育するので、本来は陸性の耐塩細菌1種考えられる血清型はI,II,III型分けられている。タンパク質デンプン分解しないが、溶血性があり、病原因子としてその溶血毒素研究されている。
なお、ウナギ連鎖球菌ブリ由来と同じ腸球菌で、ニジマス由来ヒトからも分離される腸球菌エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)である(以前はストレプトコッカス)。また、アユなどの淡水魚由来細菌アマゾン川淡水イルカから分離され連鎖球菌ストレプトコッカス・イニアエ(Streptococcus iniae)と同じである。




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