魚類の鰭赤病菌とは? わかりやすく解説

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魚類の鰭(ひれ)赤病菌 [Aeromonas hydrophila]

 ヨーロッパで古くからウナギ皮膚発赤がでる淡水ウナギの"レッドペスト"とよばれた細菌性魚病知られていた。日本でも養殖ウナギ被害報告され初めてその病原菌として2種細菌分離されたが、その後1種標記であるが、他の1種現在のパラコロ病であることが明らかにされた。日本ではおもにウナギ病気として重要であるが、コイキンギョアユにも同様な魚病がある。野外池で養殖されている場合早春爆発的に発生するが、温室養殖では季節問わず発生する
外見的な症状腹側皮膚肛門などに発赤現れ病状が進むと腹部出血斑、皮膚の壊死(えし)、白変、潰瘍ともなって内臓壊死・崩壊して死亡する病原菌腸管の中だけで増殖するので、その粘膜剥がれるカタル腸炎をおこすことが特徴である。 予防法としては実験的に死菌ワクチン注射免疫効果があるとされている。治療初期であれば抗生物質サルファ剤などの化学療法剤が有効である。
鰭赤病水中腸内常在している条件性病原菌であるが、ときにヒト日和見感染(創傷感染)の原因となり、また、下痢などをおこす食中毒原因にもなるので、厚生省食中毒細菌として指定された(1982年)。この細菌通性嫌気性グラム陰性の短桿菌(0.6-1.0×1-6μm)であるが、同属せっそう病違って1本の鞭毛運動するので、運動性エロモナスともよばれ、28゚近、pH7.2-7.4、塩分0.5%でよく発育するまた、タンパク質リン脂質デンプン分解し哺乳類赤血球強く溶解(溶血)する。この細菌病原性は数種のタンパク質分解酵素脂質分解酵素溶血毒素(エロリジンなど)、腸管毒素などによると考えられている。また、この細菌産生するアモナバクチンとよばれるシデロフォア(鉄イオン結合する物質)も知られている。
なお、コイドジョウの"赤斑病"、コイキンギョの"松笠病(立鱗病)"、また、1967年東北九州数河川でアユ大量斃死(へいし)した"口赤病"の原因菌アメリカでコノシロから分離され病原菌(A.sobria)なども運動性のエロモナスである。最近アメリカではこれらの運動性エロモナスが原因になる魚病運動性エロモナス敗血症とよぶようになった




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