プロフィリンとは? わかりやすく解説

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プロキシフィリン

分子式C10H14N4O3
その他の名称テオン、テオデン、シゴフィル、スパンチン、ブロンチル、プロフィリン、スパスモリシン、パンタフィリン、オキシプロピルテオフィリン、Theon、Brontyl、Spantin、Theoden、Sigophyl、Purophyllin、Spasmolysin、Pantafilline、Proxyphylline、Oxypropyltheophylline、3,7-Dihydro-7-(2-hydroxypropyl)-1,3-dimethyl-1H-purine-2,6-dione、テアン、Thean、β-ヒドロキシプロピルテオフィリン、β-Hydroxypropyltheophylline、7-(2-ヒドロキシプロピル)テオフィリン、プロキシフィリン、1,3-Dimethyl-7-(2-hydroxypropyl)-7H-purine-2,6(1H,3H)-dione、モノフィリン、Monophyllin、7-(2-Hydroxypropyl)theophylline
体系名:7-(2-ヒドロキシプロピル)-1,3-ジメチルキサンチン、1,3-ジメチル-7-(2-ヒドロキシプロピル)キサンチン、3,7-ジヒドロ-7-(2-ヒドロキシプロピル)-1,3-ジメチル-1H-プリン-2,6-ジオン、1,3-ジメチル-7-(2-ヒドロキシプロピル)-7H-プリン-2,6(1H,3H)-ジオン


プロフィリン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/12 09:17 UTC 版)

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プロフィリン
プロフィリン(青)とアクチン(緑)の複合体(PDBコード: 2BTF)
識別子
略号 プロフィリン
Pfam PF00235
InterPro IPR002097
SMART PROF
PROSITE PS00414
SCOP 2btf
SUPERFAMILY 2btf
利用可能な蛋白質構造:
Pfam structures
PDB RCSB PDB; PDBe; PDBj
PDBsum structure summary
PDB 2btf
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プロフィリン(英:Profilin)とはアクチン結合タンパク質の一種であり、アクチン細胞骨格の動的代謝回転および再構成に関与する [1] 。全ての真核生物のほぼあらゆる細胞で見出される。プロフィリンは、細胞の移動および細胞形状の変化に不可欠なアクチンマイクロフィラメントの成長に重要である。アクチン細胞骨格の再構成は臓器発達、創傷治癒、および免疫系の細胞による感染性侵入者の迎撃などのプロセスにとって必須である。

プロフィリンは、最初に発見されたアクチン単量体結合タンパク質であり、1970年代初めにUno Lindbergらによって初めて記述された[2] 。

機能

プロフィリンは、多様なタンパク質のプロリンリッチな配列に結合する。細胞内のほとんどのプロフィリンはアクチンに結合しているが、プロフィリンには50種類以上の結合相手が存在する。結合相手の多くはアクチン調節に関連している。プロフィリン自体もmRNAスプライシングのような細胞核内の生化学反応に関与しているようである。[3]

プロフィリンは膜リン脂質(ホスファチジルイノシトール4,5-ビスリン酸イノシトール三リン酸)のいくつかの変異体に結合する。これは、ホスホリパーゼCの作用によって放出される不活性形態のプロフィリンの隔離である。

プロフィリンはカバノキ属イネ科などの植物の花粉における主要なアレルゲンであり、Toxoplasma gondiiの宿主細胞への侵入に必須な成分である[4] 。

アクチン成長の促進

プロフィリンは以下の二つの方法でアクチン成長を促す。

  • プロフィリンはアクチン単量体と結合してアクチンーアクチン接触部位を占有し、これによりアクチン単量体のプールからアクチンを隔離する。しかし、プロフィリンは、アクチンに結合したADPATPへ触媒的に変換し、それによって、不完全に重合するADP-アクチン単量体を、容易に重合するATP-アクチン単量体に変換する。その上、ADP-アクチン単量体よりもATP-アクチン単量体に対する親和性が高い。したがって、アクチン、プロフィリン、およびヌクレオチド(ADPおよびATP)の混在で、アクチンの重合は進行し、質量作用の法則で重合度を推定することができる。
  • プロリン-アクチン複合体はフォルミン、WASP、およびVASP(プロリンに富むFH1ドメインを含むタンパク質)などのタンパク質によって成長するアクチン重合体に供給される。プロフィリンは、プロリン豊富タンパク質にアクチン単量体を動員するため、この重合方式には不可欠である。

プロフィリンは最も豊富なアクチン単量体結合性分子の1つだが、アデニル酸シクラーゼ結合タンパク質(CAP)や(哺乳動物では)チモシンβ4などのタンパク質はプロフィリンと同じ機能を持つ。一方で、ADF/コフィリンはプロフィリンに拮抗する。

葉状仮足の制御

Profilinはまた、ホスファチジルイノシトール3,4-ビスリン酸を下方制御して、細胞の先端への葉状仮足の誘導を制限する。

プロフィリン遺伝子

プロフィリンは分子量14–19 kDaのタンパク質である。酵母や虫に単一の遺伝子が、植物を含む多くの生物において複数の遺伝子が存在する。哺乳動物細胞では、4つのプロフィリンアイソフォームが発見されている。

  • PFN1
  • PFN2
  • PFN3
  • PFN4
  • PFN5

PFN1にコードされたプロフィリン1はほとんどの組織で発現されるが、PFN2にコードされたプロフィリン2は脳と腎臓において優勢である。[5]

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ Gunning PW, Ghoshdastider U, Whitaker S, Popp D, Robinson RC (2015). “The evolution of compositionally and functionally distinct actin filaments”. Journal of Cell Science 128 (11): 2009–19. doi:10.1242/jcs.165563. PMID 25788699. 
  2. ^ “Actin polymerizability is influenced by profilin, a low molecular weight protein in non-muscle cells”. Journal of Molecular Biology 115 (3): 465–83. (September 1977). doi:10.1016/0022-2836(77)90166-8. PMID 563468. 
  3. ^ “Alternative splicing of the mouse profilin II gene generates functionally different profilin isoforms”. Journal of Cell Science 113 (Pt 21): 3795–803. (November 2000). PMID 11034907. http://jcs.biologists.org/cgi/reprint/113/21/3795.pdf. 
  4. ^ “Toxoplasma gondii- derived profilin triggers human toll-like receptor 5-dependent cytokine production.”. Journal of Innate Immunity 6 (5): 685–694. (August 2014). doi:10.1159/000362367. PMC 4141014. PMID 24861338. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4141014/. 
  5. ^ “In mouse brain profilin I and profilin II associate with regulators of the endocytic pathway and actin assembly”. EMBO Journal 17 (4): 967–76. (February 1998). doi:10.1093/emboj/17.4.967. PMC 1170446. PMID 9463375. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1170446/. 

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