アクチン成長の促進
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/12 09:17 UTC 版)
プロフィリンは以下の二つの方法でアクチン成長を促す。 プロフィリンはアクチン単量体と結合してアクチンーアクチン接触部位を占有し、これによりアクチン単量体のプールからアクチンを隔離する。しかし、プロフィリンは、アクチンに結合したADPをATPへ触媒的に変換し、それによって、不完全に重合するADP-アクチン単量体を、容易に重合するATP-アクチン単量体に変換する。その上、ADP-アクチン単量体よりもATP-アクチン単量体に対する親和性が高い。したがって、アクチン、プロフィリン、およびヌクレオチド(ADPおよびATP)の混在で、アクチンの重合は進行し、質量作用の法則で重合度を推定することができる。 プロリン-アクチン複合体はフォルミン、WASP、およびVASP(プロリンに富むFH1ドメインを含むタンパク質)などのタンパク質によって成長するアクチン重合体に供給される。プロフィリンは、プロリン豊富タンパク質にアクチン単量体を動員するため、この重合方式には不可欠である。 プロフィリンは最も豊富なアクチン単量体結合性分子の1つだが、アデニル酸シクラーゼ結合タンパク質(CAP)や(哺乳動物では)チモシンβ4などのタンパク質はプロフィリンと同じ機能を持つ。一方で、ADF/コフィリンはプロフィリンに拮抗する。
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