アクチュエーターとは? わかりやすく解説

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actuator

別表記:アクチュエーター

「actuator」の意味・「actuator」とは

「actuator」は、機械電子装置一部で、特定の動作を行うための装置を指す。これは、電気信号機械的な力を物理的な動き変換する役割を果たす例えば、ロボットの腕を動かすためのモーターや、自動車ブレーキシステム作動させる装置などがこれに該当する

「actuator」の発音・読み方

「actuator」の発音は、IPA表記では /ˈæk.tʃu.eɪ.tər/ となる。これをカタカナにすると「アクチュエイター」となる。日本人発音する際のカタカナ英語読み方は「アクチュエーター」である。

「actuator」の定義を英語で解説

An actuator is a component of a machine that is responsible for moving or controlling a mechanism or system. It is operated by a source of energy, typically electric current, hydraulic fluid pressure, or pneumatic pressure, and converts that energy into motion.

「actuator」の類語

「actuator」の類語としては、「effector」、「manipulator」、「servomechanism」などがある。これらはすべて、ある種エネルギー物理的な動き変換する装置を指す言葉である。

「actuator」に関連する用語・表現

「actuator」に関連する用語としては、「solenoid」、「servo」、「motor」、「piston」などがある。これらはすべて、機械システム動作制御するための部品装置を指す。

「actuator」の例文

1. The actuator in the robot arm allows it to move in a precise manner.(ロボットアームのアクチュエーターにより、精密な動きが可能となる。)
2. The brake actuator in the car was faulty, causing the brakes to fail.(自動車のブレーキアクチュエーターが故障しており、ブレーキ作動しなかった。)
3. The actuator converts the electrical signals into physical motion.(アクチュエーターは電気信号物理的な動き変換する。)
4. The servo actuator controls the position of the control surfaces on the aircraft.(サーボアクチュエーターは航空機制御面の位置制御する。)
5. The linear actuator is used to create motion in a straight line.(リニアアクチュエーターは直線的な動き作り出すために使用される。)
6. The actuator in the valve controls the flow of the fluid.(バルブのアクチュエーターは流体流れ制御する。)
7. The hydraulic actuator uses the pressure of a fluid to create motion.(油圧アクチュエーターは流体圧力利用して動き作り出す。)
8. The pneumatic actuator uses air pressure to create motion.(空気圧利用したアクチュエーターは動き作り出す。)
9. The actuator in the printer moves the print head.(プリンターのアクチュエーターはプリントヘッドを動かす。)
10. The actuator in the elevator controls the movement of the elevator car.(エレベーターのアクチュエーターはエレベーターカー動き制御する。)

アクチュエーター【actuator】


アクチュエーター

英語 actuator

各種制御システムで、作動エネルギー機械的な変位応力変換する役割要素部品油圧アクチュエーターには、ブレーキステアリングなどで用い油圧シリンダー式(直線運動用)のほかに、油圧モーター式(回転運動用) もある。トラックブレーキなどに用いるエアアクチュエーターは、エア圧縮性に伴う作動遅れを補うために、アキュムレーター併用する車体部品用い電気アクチュエーターには、インダクションモーターパルスモータームービングコイル型などがある。エレクトロニクス技術の進歩とともに圧電電歪磁歪ER流体や熱、光方式などによる新しタイプのアクチュエーターも登場している。

※「大車林」の内容は、発行日である2004年時点の情報となっております。

アクチュエータ

(アクチュエーター から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/21 22:03 UTC 版)

アクチュエータ: actuator)は、入力されたエネルギーもしくはコンピュータが出力した電気信号を、物理的運動に変換する、機械電気回路を構成する機械要素である。能動的に作動または駆動するもの。

概要

アクチュエータは電動機エンジンのようにものを動かす駆動装置と、その動作により制御を行う機械、油・空圧・熱・電磁など物理的な装置を指す。利用する作動原理(入力・出力するエネルギー)によりさまざまなものがある。伸縮・屈伸・旋回といった単純な運動をするものに限る場合と、電動機(モーター)やエンジンのような動力を持続的に発生させるものも含む場合がある。 アクチュエータは基本的にエネルギーを与えることで運動を発生させる。何らかの装置に組み込む場合は電気的な信号によって制御できるようにするなどして制御機構に組み込む。制御方式は利用するエネルギーの種類やアクチュエータ自身の用途にも拠り様々である。単純な開閉器(スイッチ)やバルブによるものがある。ハンドルレバーといった操作部分に連結しているものもある。大きな力を発生させるアクチュエータを動作させるために動力伝達装置の開閉器に取り付けられた小型のアクチュエータなど、様々な利用のされ方がある。

歴史

産業革命以後、船舶が大型化され、人力での操舵が困難になり、油圧式の制御装置が導入され建設機械の普及にも油圧式アクチュエータが重要な役割を果たした。空気圧式アクチュエータは19世紀末より鉄道車両のブレーキやドア開閉装置などに利用される[1]射出成形機産業用ロボットは当初は油圧式が主流だったが、1990年代以降パワーエレクトロニクスの発達により、電動式のパワー密度と信頼性が向上すると制御性、エネルギー効率の優れた電動式が市場占有率を高めたが、2010年代ボストン・ダイナミクスが多脚ロボットに精密油圧制御を導入したことにより、潮流が変わり、長所が再び注目され、ロボットへの油圧アクチュエータの導入が増えつつある[2][3][4][5][6][7]

種類

電磁石で得られる動力を利用するものをソレノイドアクチュエータと呼ぶ。航空機や産業用ロボットなどに見られる油圧により駆動されるものもある。また筋肉化学エネルギーを利用したアクチュエータの一種と見たてることがある。形状記憶合金を使い、電流を入力することで発生するジュール熱による変形を利用したアクチュエータも実用に供されている。

電気式アクチュエータ

エネルギー効率が高く、精密制御が可能。パワーエレクトロニクスの発達により、電気式のパワー密度信頼性が向上したことで主流になった。

油圧式アクチュエータ

出力重量比が高く、堅牢で耐衝撃性に優れる。2010年代には精密制御が可能になり電気式の牙城を侵食しつつある。

空気圧式アクチュエータ

単純でトルクがあるので単純な動作に使用される。以前は位置決め精度が電動式と比較して劣っていたが精密制御が可能になりつつある[1]

化学式アクチュエータ

化学エネルギーを力学エネルギーに変換する[8][9]。まだ実験段階で複数の方式が模索される。

磁性流体アクチュエータ

磁性流体を用いたアクチュエータ[10][11]

電気粘性流体アクチュエータ

電気粘性流体を用いたアクチュエータ。粘性を制御可能で減衰係数を変える事により建築物の制振機構や車両のセミアクティブサスペンション等の用途に適用できる。

応用

ロボット関節を動作させるなどの利用が見られる。この中にはエネルギーを与えたときだけ縮み、エネルギーを絶つと外部の力に対して受動的になるアクチュエータも多く、関節を動作させる場合には、関節を曲げるアクチュエータと、伸ばすアクチュエータがセットになっていたり、或いは片側をばね弾力で肩代わりさせるなどの設計様式も見られる。複雑な所では力の合成を利用して複数アクチュエータから得られる力を利用して、支点として複雑な運動を行う場合もある。

こういった複雑な動作を要求されるアクチュエータは制御のために状態を検出するセンサと同時に組み込まれ、状態を監視する(センシング)。これによってアクチュエータに入力されるエネルギーを調節され、望みどおりの運動を行うが、建設機械のような単純なものでは操作者が各々の関節の状態を目視で確認・調節することからこういった状態把握のためのセンサ類は利用されない。

2000年代では制御用コンピュータの高性能化・小型化が進み、ロボットがより現実的な装置として開発されているが、その陰でアクチュエータもより効率よく動作するものが求められており、センシング技術も並行する形でセンサの小型化・高精度化や一定の情報処理機能を備える知能化が進んでおり、これらがロボット工学の全体的な発展を促している。

メーカー

脚注

  1. ^ a b 則次俊郎「空気圧アクチュエータ」『日本ロボット学会誌』第15巻第3号、日本ロボット学会、1997年4月、355-359頁、doi:10.7210/jrsj.15.355ISSN 02891824NAID 10007548325 
  2. ^ 油圧復活、耐衝撃性でモーターに逆襲 川崎重工・ブリヂストンがロボットに”. 日経クロステック (2020年6月1日). 2020年9月8日閲覧。
  3. ^ 玄相昊, 「油圧による柔軟で機動性の高い多脚ロボットの実現」『日本ロボット学会誌』 2019年 37巻 2号 p.150-155, doi:10.7210/jrsj.37.150
  4. ^ 鈴森康一, 「タフロボット用油圧アクチュエータ」『日本ロボット学会誌』 2019年 37巻 9号 p.829-834, , doi:10.7210/jrsj.37.829
  5. ^ 李湧権, 「電動モータと油圧システムの競演から協演へ」『電気学会誌』 2016年 136巻 6号 p.368-371, 電気学会, doi:10.1541/ieejjournal.136.368
  6. ^ 鈴森康一, 「次世代アクチュエータが切り拓く新しいロボティクス」『日本ロボット学会誌』 2015年 33巻 9号 p.656-659, , doi:10.7210/jrsj.33.656
  7. ^ ロボット向け電油アクチュエータの開発 - 川崎重工
  8. ^ 若林慶彦, 岡本敏明, 斉藤浩一, 工藤寛之, 三林浩二「液性駆動・制御が可能な生化学式アクチュエータ」『自動制御連合講演会講演論文集』第50回自動制御連合講演会セッションID: 121、自動制御連合講演会、2007年、21-21頁、doi:10.11511/jacc.50.0.21.0NAID 130004600312 
  9. ^ Yuta SATO, Takahiro OKOSHI, Daishi TAKAHASHI, Takahiro ARAKAWA, Hiroyuki KUDO, Kohji MITSUBAYASHI (2010). “生化学反応を利用した化学エネルギー駆動型圧力制御システム”. Journal of Advanced Science (Society of Advanced Science) 22 (1): 7-8. doi:10.2978/jsas.22.7. ISSN 0915-5651. NAID 130004837646. https://doi.org/10.2978/jsas.22.7. 
  10. ^ 神山新一「磁性流体アクチュエータ」『日本ロボット学会誌』第2巻第4号、日本ロボット学会、1984年、325-329頁、doi:10.7210/jrsj.2.325ISSN 0289-1824NAID 130000844254 
  11. ^ 加嶋俊大, 「磁性流体および磁性エラストマーを用いたソフトアクチュエータの研究」 大阪大学 博士論文, 14401甲第16389号, 2013年, NAID 500000573880
  12. ^ 日本ギア工業バルブアクチュエータ”. 日本ギア工業株式会社. 2024年1月22日閲覧。

参考文献

関連項目

外部リンク


アクチュエーター

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/15 00:20 UTC 版)

形状記憶合金」の記事における「アクチュエーター」の解説

例え内視鏡細ければ細いほど、対象挿入する際の負荷小さくて済むが、細くするほどに先端部に機械要素組み込むのが技術的に難しくなる。この場合先端部に「熱を加えると、その方向に屈伸する」という性質形状記憶合金ワイヤーケーブル沿って複数仕込んでおき、これに電流流せるよう電線に繋ぐ。あとは曲げた方向形状記憶合金ワイヤー通電するとジュール熱発生してワイヤー変形内視鏡ケーブル先端自在に曲がる。 このようなアクチュエータ駆動用の機械要素)では、従来微細すぎてモーター電磁石による運動機能仕込めなかった小型機械に運動機能持たせることが可能で、これらは小型ロボット筋肉(→人工筋肉としての利用方法期待される宇宙空間太陽電池パネル構造物太陽光の熱を利用して展開するという用途研究されている。 塑性変形だけでなく、歪を蓄える事により、作動量は少ないが大きな力を発揮する必要のある分野(岩石破砕等)にも応用される

※この「アクチュエーター」の解説は、「形状記憶合金」の解説の一部です。
「アクチュエーター」を含む「形状記憶合金」の記事については、「形状記憶合金」の概要を参照ください。

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