ステアリング・ホイール
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ステアリング・ホイール(英: steering wheel)とは、自動車においてステアリング機構を操作し、回転させて進行方向を調整するための環状の部品。日本や台湾などにおいてはハンドル (handle) と呼ばれてきたが、これは和製英語である[1]。
ステアリング・システムの一部であり、運転する人はステアリング・ホイールを両手で握り、回転させることで進行方向を調整する。右前に前進したいとき、または右後に後退したいときは右回り(時計回り)に、左前に前進したいとき、または左後に後退したいときは左回り(反時計回り)に回転させ、ステアリング機構を操作しながら前進・後退する。
歴史
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自動車の黎明期には、ステアリングの調整はティラーバー(棒状のハンドル)で行っていた。1894年のパリ - ルーアン間のレースに、Alfred Vacheronがパナール (Panhard) の4馬力モデルにステアリング・ホイールを着けた自動車で参加したという記録が残っており、これが特筆に値する記録としては最初期のものと考えられている[2]。1898年からはPanhard et Levassorがステアリング・ホイールを標準装備するようになった。1898年にチャールズ・ロールズは、ステアリング・ホイールを装備した車を初めてイギリスに輸入したが、それはフランスのパナール6馬力タイプであった[3] 。
ギャラリー
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ノブ付きハンドル(フォークリフト)
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ツインレバー・ステアリング装備のホンダEV-STER (2011)
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アダプティブクルーズコントロール装備のステアリング・ホイール ボルボ・XC40 (2018)
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Wiiハンドル(ゲーム機の周辺機器)
脚注
- ^ “ハンドルからオープンカーまで、海外では通じない自動車にまつわる和製英語”. AUTO MESSE WEB. 交通タイムス社 (2019年10月1日). 2020年11月21日閲覧。
- ^ Duncan, H.O. (1927). The World on Wheels - Volume I. Paris. pp. 456–457, picture of the Vacheron-Car on p. 457.
- ^ “C S Rolls sitting in the first car in Britain fitted with wheel steering, 1898”. Science & Society Picture Library. 2011年1月4日閲覧。
関連項目
ステアリング・ホイール
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「ステアリング」の記事における「ステアリング・ホイール」の解説
詳細は「ステアリング・ホイール」を参照 一般に「ステアリングホイール」を短縮した「ステアリング」とハンドルが対比されることが多いが、ステアリングは操舵装置全体の名称であり、本来はホイールとハンドルが対比される対象である。ここから現在に続くハンドル(handle)という言い方につながっており、決して日本だけの用語ではない。てこ式の舵棒から、不用意な操舵を防止する近代的なステアリングホイールを装備したのは1897年のパナール・ルヴァッソールが最初である。 現在ではステアリングホイールの操作を軽くするため、油圧または電動モーターで動きをアシストするものも多く、これをパワーステアリングと呼ぶ。多くの油圧式の場合、エンジンによってベルト、または歯車駆動されるベーンポンプで油圧を発生させ、ステアリングギアボックスに装備されたピストンを作動させることで倍力効果を得ている。圧力の伝達(作動油)には、粘度が低く発泡しにくい専用のパワーステアリングフルードを用いる。また、温度上昇による発泡を防ぐため、配管をU字やS字状にして長さを稼いだり、その部分にフィンを設け、クーラーとすることもある。フルード中の気泡は液圧によって体積が容易に変化し、操舵感の悪化やアシスト力の減少を招く(ベーパーロック現象と同様)。パワーステアリングフルードは循環してリザーブタンクに戻り、そこで圧力が開放されて気泡は消滅するため、ブレーキパイプ内に生ずる気泡に比べると、その影響は小さい。 一般的にステアリングホイール中央部のスペースにはホーンボタンやエアバッグが装着されている。スポーク部にカーオーディオ(以前はセンターパッドに配置された物もあった)やハンズフリーフォン、オートマチックトランスミッションや無段変速機の段数を任意に変更するためのスィッチ、アダプティブクルーズコントロールのボタンが装備されている場合もある。スポーツタイプ(純正装着との交換用の社外品)や競技用のステアリングホイールでは、リム部の直進時に真上となる位置にセンターマークが施され、操舵角の目安としているものもある。
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