EBS(電子制御ブレーキシステム)
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ブレーキフィーリング向上及び制動距離短縮を目的に大型トラックにEBS(電子制御ブレーキシステム)を採用した。 ドライバがブレーキペダルを操作するとペダルのストロークをコントロールユニットが受信し、そのストローク量と減速度を演算し、各バルブにエア圧は発生するよう信号を送る。実際に発生している減速度を車輪速センサから検出し、目標の減速度と一致するようブレーキエア圧を制御する。 |
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保管場所 | : | - |
製作(製造)年 | : | 1997 |
製作者(社) | : | 日産ディーゼル工業株式会社 |
資料の種類 | : | 量産品 |
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形式名 | : | EBS(電子制御ブレーキシステム) |
通称名 | : | EBS(電子制御ブレーキシステム) |
技術用途 | : | 制動性能及び制動操作性の向上 |
適用車種 | : | 大型トラック |
製造時期 | : | 1997 |
実用化年 | : | 1997 |
設計者 | : | 日産ディーゼル工業㈱ |
協力者 | : | (株)ワブコ |
装置構成 | : | ブレーキペダル操作量を検出するストロークセンサを内蔵したブレーキバルブ、様々な情報を元にバルブ等を制御するコントロールユニット、各車軸のブレーキ圧を制御するプロポーショナルリレーバルブ(前軸)・トレーラコントロールバルブ(トレーラ)、後軸のブレーキ圧及びABS圧力制御を行うアクスルモジュレータ、前軸のABS圧力制御を行うABSモジュレータバルブ、EBS非制御時に作動するソレノイドリレーバルブ、車輪の速度を検出する車輪速センサ・パルスホイールより構成されている。 |
表示部 | : | - |
性能機能 | : | ブレーキバルブにストロークセンサを内蔵し、ドライバのブレーキ操作を電気信号に変換する回路を従来のエア2系統に追加し、ドライバの要求するブレーキ力(減速度)をコンピュータで演算し、各バルブを電子制御する。 |
効果 | : | ブレーキの信号系を電子制御化することで、ブレーキレスポンスが向上し、制動距離の短縮を図ることができる。コントロールユニットが前軸、後軸、トレーラ(連結車)の制動力配分を最適化し、ブレーキペダルの角度に応じ、車両減速度をコントロールすることで、空車と積車が同一の操作性になり、ブレーキフィーリングの向上を図ることができる。 |
エピソード・話題性 | : | 1997年に日本国内で初めてカーゴ系トラック及び1998年にトラクタ系に採用・発売した。 |
特徴 | : | EBSはABS(アンチロック・ブレーキ・システム)及びASR(アンチ・スリップ・レギュレーション)の機能を含んでおり、ブレーキに関する安全装置を全て網羅したシステムある。 |
参考文献 | : | 小林正登他 「大型商用車用電子制御ブレーキシステムの開発」 自動車技術 Vol.52,No.11(1998) 小林正登他 「電子制御ブレーキシステム(EBS)の開発」 日デ技報 No.60(1998) |
電子制御ブレーキシステム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/25 00:21 UTC 版)
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電子制御ブレーキシステム(でんしせいぎょブレーキシステム)は、一般に電子制御制動力配分システム(でんしせいぎょせいどうりょくはいぶんシステム、Electronic Brake force Distribution、略称 EBD)とよばれる部分を指している。
基本的にはアンチロックブレーキシステム(Antilock Brake System、略称 ABS)に付加されるもので、ブレーキを踏むと 前後輪の回転数や旋回状態から、制動力を車輪に対して最適に制御配分する[1]。
概要
自動車において、ブレーキを踏むと車両重量が前方に移動する荷重移動が発生する。
運転手一人だけが乗っているのか、乗客も貨物も満載しているのか によって、大きく異なる車両積載重量は、重くなるほど制動時 前輪タイヤに加える重量を増大させる。
この重量が加わる分、前輪タイヤは前後方向のグリップ力を より使って速度を落とすことになる。
タイヤのグリップ力は タイヤの構造や接地面積などによってその絶対値は様々であるが、グリップ力を前後方向に使ってしまうと、左右方向 操舵力に振り向けられるグリップ力は相対的に減少することになる。これは積載重量が大きく荷重移動で前輪に加わる重量が増大すると、操舵力が乏しくなるオーバーステアになることを意味する。
また、大きい荷重移動では車体が前後に揺れるピッチングも大きくなり、乗員に不快感を与えることにもなる。
EBD 電子制御制動力配分システムは、これらの問題を軽減するものである。
積載重量が大きい場合には制動時 後輪の制動力を強めて前輪への荷重移動を小さくし、オーバーステアを軽減して操舵力を確保するとともに、ピッチングを緩和、旋回中の制動時では左右輪間の制動力配分も適切に制御して、車両の制動を安定化させる。
原理
自動車 前後輪の微妙な回転差や旋回状態をセンサーで検出、走行状態に応じた理想的制動力配分からのズレを推定して、ABSのアクチュエータによって、最適な制動力を 前後輪、および左右に制御配分する。特に前後輪の制動力を適切に制御配分することで、積載過多の状態における制動性能を向上させる。旋回中の制動時においては旋回状態によって さらに左右間の制動力バランスをコントロールし、荷重移動を軽減させている。
脚注
- ^ 本田技研工業 企業ニュース | 1997年9月19日 新ブレーキシステム「EBD」を実用化
関連項目
- ブレーキ
- アンチロック・ブレーキ・システム - ABS
- トラクションコントロールシステム - TCS
- 横滑り防止装置 - ESC
- 衝突被害軽減ブレーキ
- 坂道発進補助装置
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