射出成形とは? わかりやすく解説

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射出成形

英語 injection molding

樹脂成形法として、押出し成形とともにもっとも広く利用されているものである熱可塑性樹脂場合は、おもにポリマー主体とするぺレットという小さな固形状のものを、シリンダー内で加熱(一般的に220270C程度)、可塑化、溶融させ、流動化した成形材料30~100MPaの高圧射出プランジャースクリューによって固く閉じた金型中に射出させ、冷却固化し成形品をつくる。そのほかにも、RIMなどの液状モノマーの射出成形、ガスアシスト射出成形、発泡射出成形などがある。自動車のラジエーターグリル、バンパーフェース、リヤガーニッシュなどの外装部品インスツルメントコンソールトリムなどの内装部品製造多用されている。

参照 樹脂成形RIM
※「大車林」の内容は、発行日である2004年時点の情報となっております。

射出成形(インジェクション モールド)

プラスチック材料加熱溶融し金型内に加圧注入し固化させて成形を行う方法を射出成形と呼ぶ。
  一般的な射出成形機では、ペレット呼ばれる粒状プラスチック原料ホッパから供給し、それを加熱したシリンダ内で溶融するシリンダ内には回転しかつ前後動作するスクリューがあり、ペレットスクリュー回転によりシリンダ前部供給され順次溶融される。射出時にはこのスクリューシリンダ内を前方動いて溶融した材料シリンダ前部ノズルから金型内へと射出を行う。
  金型等で冷却され射出され材料冷やされ固化すると型を開いて製品取り出す。この一連の工程自動化されており、成形品を大量に生産することが可能となる。
  射出成形では日用品から精密部品まで、大きさワッシャのような小物からケースのような比較大きなものまで様々な製品作られる
  射出成形に用い金型は、機械加工金型区別して成形金型呼ばれる精密品の射出成形では材料冷却度合均一でない製品にゆがみを生じるため型の温度管理は重要となる。このため成形金型冷却水を通すための穴加工製品の形状に応じて工夫して行われる

射出成形

 

適している分野・使用事例

日用品部品など多種多様な製品得られ大量生産に向く。


※本用語集は、索引元の東大阪市製造業支援サイト「東大阪市技術交流プラザ」において、平成16年度委託事業で構築したコンテンツです。

射出成形

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/25 22:47 UTC 版)

射出成形(しゃしゅつせいけい)はプラスチックなどの合成樹脂の加工法である。インジェクション成形ともよばれる。熱可塑性樹脂の場合が典型的で、軟化する温度に加熱したプラスチック(プラ湯)を射出圧 (10 - 3000 kgf/cm2) を加えて金型に押込み、型に充填して成形する。

概要

金属の金型鋳造法と似ているが、鋳造は、金属の融点を超える比較的低粘度の液状にて低圧で充填される(流し込まれる)のに対して、射出成形は比較的低い温度 (180 - 450℃) で高圧で成形されるのを特徴とする。

金属鋳造でもダイカストは熱融した材料を金型へ圧入する概略は相同だが、樹脂射出成型の方が溶融温度は低いものの素材が高温にも弱いため温度管理がよりシビアといった相違があり、やはり個別の技術分野として扱われる。

射出成形に使用される金型で凸部は雄型でコア(Core)とも呼ばれ、凹部は雌型でキャビティー(Cavity)とも呼ばれる。射出成形機へ金型を取り付ける場合、必ずキャビティーが固定側となり、コアが可動側となる[1]

熱可塑性樹脂の射出成形

熱可塑性樹脂では樹脂を高温にして溶融させ、低温の金型に入れて固化させる。

一般的に、樹脂の融点あるいはガラス転移温度より50 - 150℃高い温度に加温される。これは、高分子特有の粘度を低下させるためである。しかし熱可塑性樹脂は、約200℃より分子鎖の酸化分解が始まると言われている。すなわち熱可塑性樹脂の射出成形では、樹脂を高温にできないため、温度と粘度のジレンマがつきまとう。

比較的早いサイクル(数秒 - 数十秒)で成形できる長所を持つ反面、樹脂粘度が高いので高速・高圧充填を必要とする欠点を持つ。

熱硬化性樹脂の射出成形

熱硬化性樹脂の場合、始めに50℃前後に加温し、流動性を持たせた後、高温の金型(約150℃前後)へ充填して硬化(固化)させる。

熱硬化性樹脂は融体状態では分子量が低く粘度が低いため、高い充填圧力を必要としない。このため、半導体の封止装置等に利用されている。一方で、硬化に時間がかかるためサイクル時間が長く(数分)なる欠点を持つ。

特殊な成形

多色成形
多色成形は、異なる色、材質などを色ごとに分けて、または1つの金型に複数の射出装置から同時に成形する方法。2色が一般的である。PCキーボードや、歯ブラシの柄、カラーコンテナに使用される。
バンダイホビーセンターではガンプラ用として東芝機械と共同開発した4色多色射出成形機があり、プラモデル化もされた。
モールド成形
モールド成形は金型内に金属シートなどをいれ、そこに射出する。
金属
金属の分野でも金属粉末射出成型法 (Metal Injection Molding, MIM) という、金属粉末と樹脂の混合物を射出成形する技術がある。

工程

一般的な射出成形法

以下の一連の作業を成形の1サイクルと呼ぶ。

  1. 型締工程
  2. 射出工程
  3. 計量工程・冷却工程(同時進行することが多い)
  4. 型開工程
  5. 取出

ホットランナー

近年では材料の無駄を減らすため、ホットランナーと称する、射出ノズル内にヒーターを内蔵する事により温度を維持する機構が組み込まれる例が増えつつある。

射出成形機メーカー

脚注

関連項目

外部リンク


射出成形

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 03:06 UTC 版)

陶芸」の記事における「射出成形」の解説

射出成形は熱可塑性樹脂金属部品成形長年用いられてきた方法で、食器産業にも応用されるようになった複雑な形をした品目大量生産に向くこの技法大きな利点のひとつは、ティーカップ取っ手含め1つプロセス生産できることであり、取っ手取り付ける工程省けるのみならずより丈夫なものが作れる。成形ダイスには50 - 60%の未焼成陶土粉体と、結合剤英語版)、潤滑剤可塑剤ならなる40 - 50%有機添加剤との混合物供給される。この技法はほかの成形法ほど広く使用されていない

※この「射出成形」の解説は、「陶芸」の解説の一部です。
「射出成形」を含む「陶芸」の記事については、「陶芸」の概要を参照ください。

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