射出の仕組み
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/13 13:55 UTC 版)
射出の仕組みについてはいまだに分からないことが多い。これはその速度があまりに速すぎるのも理由の一つになっている。ヒドロ虫類の貫通刺胞の一つである狭端体ではある程度詳しく調べられている。これは1984年にHolsteinとTardentが毎秒4万枚撮影の高速カメラを用いて研究が行われ、それでも速すぎると2006年にはNuechetらが毎秒143万枚撮影の超高速カメラを用いて研究した成果である。それによると、最初に突き出されるのは剣状棘と呼ばれる突起であるが、発射の瞬間からこれが突き出るのに要する時間は約0.7マイクロ秒しかかからない。ここから計算される剣状棘の平均加速度は重力加速度の541000倍、標的にぶつかる際の速度は時速に換算すると134kmにもなる。剣状棘が標的の表面に突き刺さるとそこから刺糸が反転して伸びながら貫通して行き、所々に空いた穴からは毒液が吹き出す。刺糸が伸び切るのに要する時間は約0.3秒であった。
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