固化とは? わかりやすく解説

こ‐か〔‐クワ〕【固化】

読み方:こか

[名](スル)

かたくなること。物質が、気体または液体の状態から固体の状態に変化すること。「溶液が—する」

表情態度などがかたくなること。こわばること。


凝固

(固化 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/25 08:35 UTC 版)

凝固(ぎょうこ、: solidification, freezing)とは、物理化学液体固体になるプロセスのこと。

相転移の一つ。融解と反対の意味を示す。また、凝固が起こる温度凝固点と呼ぶ。の場合は氷結と言う言い方のほうが一般的である。純粋に温度変化によって固体に変化することを凍結と言う。ヘリウムを除く全ての液体が凍結することが知られており、絶対零度下でも凍結しないものは高圧をかけなければ凍結しない。多くの物体では凝固点融点が同じ温度であるが、物によっては差が生じ、寒天は85度でとけだし、40度から31度で固まる。

化学変化によってコロイド溶液ゲル化するなどして固化することや、タンパク質のコロイド溶液が凝集したり熱変性によって固まることなども凝固と呼ばれる。揚げ油を廃棄の為にゲル化剤を用いて固体にすることや、牛乳にレモンを入れるとタンパク質が沈殿することがこのことにあたる。

結晶化

凝固点で温度が保たれる様子

多くの液体は同質の液体から結晶性固体を形成、結晶化し凝固する。 これは熱力学第一法則の相転移であり、熱伝導性の悪い空気によって断熱された閉じた系において、固体と液体が共存して存在する場合、固体になるときに放出される凝固熱によって凝固点で温度が一定に保たれる[1]。完全に固体相のみになると再び系の温度は低下していく[2]

結晶化は主に「核形成」と「結晶成長」の二つの過程からなる。核形成は、数ナノメートル程度の大きさのクラスターを作る段階である。 結晶成長は核形成後の核から結晶が成長していく段階である。

過冷却

過冷却、固化が起きると温度が凝固点で一定になる

熱力学の第二法則にもかかわらず、純粋な液体の結晶化には、均質核生成 [注釈 1]の高い活性化エネルギーを超える必要があるため、一度凝固点より低い温度になる。これを過冷却と呼ぶ。

この状態は固体と液体との境界面の構造である。外部の温度が低いと、中心となる部分のエネルギーを外部に開放するだけの表面エネルギーをまかなえず凝結は前進しなくなる。この場合安定凝結になるためには充分なエネルギーを供給できるほど低温であるか、外部からの刺激要因がないと凝固がはじまらない。それらの要因として、固体、不純気体、固体の結晶化前、その他の凝縮のようなものの表面での不規則の存在によって、雑多な凝縮が起こるかもしれず、何らかのエネルギーが解放され部分的な境界面の破壊が起こると、そこから表面エネルギーを得て過冷却が起こる点は融解点に近くなる。

水の標準気圧での融解点は0℃付近であり、一般的には凝固点もそれに非常に近い、しかし核生成されてない水では-40℃付近までは過冷却させられる[3][4]。高気圧下(2000気圧)では-70℃付近まで過冷却が可能である[5]

ガラス化

硝子グリセロールなどの一定の物質は結晶化なしに硬質化する。これをガラス化と呼び、このようなプロセスで生成される物体非晶質固体と呼ばれる。

無定形の物体はポリマー物体と同様に上手く凝固点で凝固できず、特定の温度で急激に変化することはない。その代わり融点付近の温度範囲で粘弾性の特徴である緩やかな変質をおこなう。これらの物体はガラス転移点で特徴付けられ、変異点に節がなく緩やかなS字を描く。

脚注

注釈

  1. ^ 液体状態からなんの下地もないところで固体ができる現象

出典

  1. ^ ボール物理化学上, 第 1 巻 p166
  2. ^ 核生成と界面(京都大学)
  3. ^ Lundheim R. (2002). “Physiological and ecological significance of biological ice nucleators”. Philosophical Transactions of the Royal Society B 357 (1423): 937–943. doi:10.1098/rstb.2002.1082. PMC 1693005. PMID 12171657. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1693005/. 
  4. ^ Franks F. (2003). “Nucleation of ice and its management in ecosystems” (PDF). Philosophical Transactions of the Royal Society A 361 (1804): 557–574. Bibcode2003RSPTA.361..557F. doi:10.1098/rsta.2002.1141. PMID 12662454. http://rsta.royalsocietypublishing.org/content/361/1804/557.long. 
  5. ^ Jeffery, CA; Austin, PH (November 1997). “Homogeneous nucleation of supercooled water: Results from a new equation of state”. Journal of Geophysical Research 102 (D21): 25269–25280. Bibcode1997JGR...10225269J. doi:10.1029/97JD02243 

関連項目

外部リンク


固化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 18:54 UTC 版)

乾性油」の記事における「固化」の解説

乾性油が固まるのは化学反応結果である。「乾」とは言うもののデンプン糊どのように溶媒蒸発して固まるわけではない乾性油酸化によって次第固化してゆく反応箇所は、乾性油比較含有比率の多い不飽和脂肪酸C=C二重結合付近である。乾性油分子のこの部分比較反応性の高い部分で、特に、2つC=C二重結合挟まれメチレン基は、ここに結合した水素原子外れて両側のC=C二重結合共役して安定化できるため、活性メチレン基と呼ばれることもあるくらいに化学反応起こりやすい箇所だ。酸素混入し何らかの理由C=C二重結合付近酸化反応開始されると、過酸化物ラジカル生じ、これらが開始剤となって連鎖的酸化反応進行し、他のC=C二重結合部分との重合反応次々と発生する。この重合反応進行すると、油の分子同士互いに結合し分子量大きな網目状高分子となってゆき、最終的に流動性失って固まるために、固化する。 この酸化反応は、光や熱によって促進され固化が早まるまた、不飽和脂肪酸の量が多い乾性油、すなわちヨウ素価の高い乾性油ほど固まるのが早い反対にヨウ素価が低い油は重合可能な箇所限られていて固まらないため、不乾性油などと分類される固化した乾性油は、化学反応起きて元の不飽和脂肪酸とは分子構造異な高分子変化している。したがってなどとは異なり加熱などを行っても、再び液状にすることは通常できない。 なお、不飽和脂肪酸酸化反応重合反応発熱反応であるため、進行と共に熱が生じる。ヨウ素価の高い油を布などに含ませ放置すると、空気曝される面積大きくなるため、急速に反応進み温度上昇して自然発火する恐れがある例えば、洗濯後に乾燥機の中で放置された油の染み込んだ布のせいで発生した火災知られている。

※この「固化」の解説は、「乾性油」の解説の一部です。
「固化」を含む「乾性油」の記事については、「乾性油」の概要を参照ください。

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