活性メチレンとは? わかりやすく解説

活性メチレン化合物

(活性メチレン から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/04/25 21:14 UTC 版)

活性メチレン化合物(かっせい—かごうぶつ、active methylene compounds または active hydrogen compounds)とは、有機化合物の中で、2個の電子求引基にはさまれたメチレン基 (−CH2−) を持つ一連の化合物群を指す用語。そのメチレン基が C−H 化合物の中では比較的高い酸性を示すことから、簡便にカルバニオンを発生させられる基質として、多くの炭素-炭素結合生成反応への応用がなされる化合物群である。

電子求引基としては、カルボニル基 (R−C(=O)−)、エステル基 (RO−C(=O)−)、シアノ基 (N≡C−)、ニトロ基 (O2N−)、スルホニル基 (R−S(=O)2−)、スルフィニル基 (R−S(=O)−)、ホスホノ基 ((RO)2P(=O)−) などが例として挙げられる。

反応

アセト酢酸エチルなどのアセト酢酸エステルからカルバニオンを発生させ、有機ハロゲン化合物などと反応後に脱炭酸させ、アセトン誘導体を得る手法。


マロン酸ジエチルなどのマロン酸エステルを用いて、同様に置換酢酸エステルを得る手法。


活性メチレン化合物から発生したカルバニオンがアルデヒドに付加してアルコールとなった後に、脱水して共役アルケンが生成する反応。


活性メチレン化合物から発生したカルバニオンは HSAB則で軟らかい求核種としての性質を持つ。α,β-不飽和ケトンに対し、1,4-付加を起こす。


遷移金属触媒によりカルバニオンと芳香族ハロゲン化物とをクロスカップリングさせる手法が知られる。銅触媒を用いる手法はハートレー反応 (Hurtley reaction) と呼ばれる。ほかパラジウム触媒を用いる反応が報告されている。

化合物例

参考文献

  • Smith, M. B.; March, J. March's Advanced Organic Chemistry, 5th ed., Wiley, New York, 2001.

活性メチレン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/01/18 08:33 UTC 版)

アセト酢酸エチル」の記事における「活性メチレン」の解説

アセト酢酸エチル2位メチレン部位上の水素 (CH3C(=O)CH2COOC2H5) は、炭素上にあるにもかかわらず比較的高い酸性 (pKa= 10.7 (25 水中)) を示す。それは、アセト酢酸エチル共役塩基にあたるカルバニオン2種類エノラート構造共鳴の関係にあることで、負電荷非局在化し、安定化されているためである。 このように 2つ電子求引基(例:カルボニル基シアノ基など)にはさまれることでその場所のプロトン酸性強められている状態のメチレン基を、活性メチレン (activated methylene) と呼ぶ。同様の化合物としては、マロン酸エステルアセチルアセトンシアノ酢酸エステルなどが挙げられるアセト酢酸エステル合成や、マロン酸エステル合成では、このカルバニオン安定性C-C 結合生成のために利用している。

※この「活性メチレン」の解説は、「アセト酢酸エチル」の解説の一部です。
「活性メチレン」を含む「アセト酢酸エチル」の記事については、「アセト酢酸エチル」の概要を参照ください。

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