活性マイセリウム胞子転移ドライブ(Displacement-activated spore hub drive)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/24 08:36 UTC 版)
「U.S.S.ディスカバリー」の記事における「活性マイセリウム胞子転移ドライブ(Displacement-activated spore hub drive)」の解説
劇中では「胞子ドライブ(Spore drive/S-drive)」と呼ばれる。宇宙空間とその裏側の亜空間に独特なネットワーク網を張り巡らせる宇宙植物マイセリウムの性質を利用し、艦を一瞬だけ「マイセリウム空間(mycelial plane/mycelial space)」に沈ませ、ネットワーク網のある別の場所まで瞬間移動させるトランスワープ技術。ワープエンジンも亜空間も使わない、スタートレックにおいてはこれまで登場したいかなるトランスワープとも一線を画す異様な技術である。 胞子ドライブはわずか数kmの距離から遥か50000光年もの距離まで、マイセリウムネットワークさえあればどこにでも瞬間移動できる。しかし宇宙植物マイセリウムの栽培収穫と、マイセリウムとDNAを相互交換し交信しあえる「航海士」となる生物が必要で、さらに航海士はジャンプに際して身体的負担がかかるため設計図面さえあればどの宇宙艦にも搭載可能な汎用性の高い技術とはいえない。当初U.S.S.グレンは、貯蔵中のマイセリウム胞子を目当てにに潜り込んできた宇宙生物の巨大クマムシを航海士として(捕縛して強制的に)利用することで実用的な長距離ジャンプを実現したが、その実験の失敗によってクルー全員が縄状にねじり死んで船は全滅。クマムシを回収したディスカバリーもクマムシの利用法に気づきグレンに倣うが、戦時下における連続ジャンプでクマムシの消耗が激しく利用が不可能になる。さらに、当時U.S.S.ディスカバリーの指揮権を持っていたサルー中佐がクマムシの境遇を哀れんで宇宙に解放したため、物理的にも使用不可能となったが、機関主任のポール・スタメッツ大尉が独断で自らにクマムシのDNAを取り込む遺伝子操作を行い、彼が航海士役を担うことで再び稼働が可能となった。惑星連邦では優性人類を生み出す遺伝子操作を固く禁じており、スタメッツ大尉の遺伝子操作も本来許されるものではなかったが、戦時下であったことから例外的に容認された。戦後においては胞子ドライブの運用は認められていなかったものの、連邦から最重要任務を与えられていたクリストファー・パイク船長が、5万光年を超える距離の移動が必要となった際「大目に見てもらおう」として再運用に踏み切っている。 以上のように、装置設備の他にも「一定量のマイセリウム胞子」「航海士」「連邦規則」の条件をクリアして初めて使用できるものだが、航海士については独特なテレパシー能力を持つクイジャン人でも務められるようである。 ディスカバリーのクルーは当初、あくまでも宇宙空間を転移するシステムと認知して利用していたが、後に鏡像宇宙への意図的な時空間ワープも可能であることが判明し、そのような技術の存在が公になると広く混乱を招くことが懸念されたため、連邦司令部の判断により鏡像宇宙に関連する情報は廃棄された。またディスカバリーは2257年に、ディスカバリーの船体と一体化した形の重要情報を守るための措置により未来へ移動し、胞子ドライブもまたディスカバリーの消失とともに公式記録から存在自体を抹消された。そのため移動先である32世紀においても胞子ドライブは独特で異様な技術であり、ダイリチウムの不足で気軽に高速ワープ移動ができないという未来世界において、ダイリチウムなしでどこへでも移動できるディスカバリーはその能力を最大限に活かすこととなる。 胞子ドライブを稼働させる際には艦内に「ブラック警報(Black alert)」が発令され、第1船体の回転ギミックが動くと同時に艦全体がきりもみ回転して瞬間移動する。ブラックアラートはシリーズ初登場で、レッドアラート(非常警報)、イエローアラート(警戒警報)、ブルーアラート(離着陸警報)とも異なる不気味な異質さをよく表現している。
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