活性に対するグリコシル化の影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/07 07:49 UTC 版)
「アンチトロンビン」の記事における「活性に対するグリコシル化の影響」の解説
α-アンチトロンビンとβ-アンチトロンビンはヘパリンに対する親和性が異なる。両者の解離定数は五糖に対しては3倍、ヘパリン全長に対しては10倍以上β-アンチトロンビンの方が高い親和性を持つ。β-アンチトロンビンの高い親和性は、ヘパリンの初期の結合に伴って生じるタンパク質内のコンフォメーション変化が速いためであると考えられている。α-アンチトロンビンに存在するAsn135のグリコシル化はヘパリンの結合を妨げることはないが、その結果生じるコンフォメーション変化を阻害すると考えられている。 β-アンチトロンビンはα-アンチトロンビンの5–10%のレベルでしか存在しないが、そのヘパリンに対する高い親和性のため、組織の損傷後の血栓形成の制御にはα-アンチトロンビンよりも重要であると考えられている。事実、大動脈損傷後のトロンビンの阻害はβ-アンチトロンビンのみに起因している。
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