一線を画す
「一線を画す」とは、境界をはっきりさせて区切りをつける行為のことを意味する表現。
「一線を画す」とは・「一線を画す」の意味
「一線を画す」とは、境界をはっきりさせて区切りをつけることが原義であるが、その結果として他との違いが明確になるという意味も併せ持つ表現となる。他との違いは肯定的に捉えられ、「他に比べて素晴らしいという」褒め言葉として用いられるものである。一方で、一線を画すことが否定的に捉えられる使用例もある。たとえば「一線を画してとっつきにくい」というように、他の人と一定の距離を置くことで、深入りしないという態度を表すようなケースである。そのため、一線を画すがポジティブな意味で用いられているのか、ネガティブな意味で用いられているのかは、文脈から読み取る必要がある。「一線を画す」と同じく「一線」を用いる言葉として「一線を引く」「一線を置く」があるが、それぞれの言葉によってニュアンスが異なる。一線を引くとは、境界をはっきりさせたうえで、特に人間関係において、これ以上の立ち入りを拒絶するという意思を表したネガティブな側面を持つ言葉である。たとえば「会社では人付き合いに一線を引いて、決して飲みに行かない」というような使い方がなされる。一線を置くとは、人間関係において、いくら親しくても深入りしないという意味を表している。たとえば「夫婦でも、それぞれお互いのライフスタイルの在り方には一線を置いて口出ししない」などの使い方がそれにあたり、どちらかといえばポジティブな意味合いで用いられる表現である。
「一線を画す」は時に「一線を画する」とも表記される。「画す」はサ行変格活用の動詞であるが、文語の場合は終止形が「す」、口語の場合は「する」となるため、画すと読む場合は文語的な言い方となり、画すると読めば口語的となるといった違いがある。ただし、文語でも口語でも意味に変わりはない。
「一線を画す」の読み方
「一線を画す」の読み方は、「いっせんをかくす」となる。「画す」を「がす」と読むのは誤り。「一線を画す」の語源・由来
「一線を画す」とは、二つ以上の言葉が結合して一つの特定された意味を表す慣用句。「一線」も「画す」も、ともに「区分すること」の意味を持つことから「区切りをつける」という慣用句として定着したものであり、長年の習慣として使われてきた言い回しがその語源である。「一線を画す」の熟語・言い回し
他と一線を画すとは
「他と一線を画す」とは、他との違いが際立っているという意味である。前後の文脈によって「他と違って頭一つ抜き出ている優秀さがある」といった意味合いになったり、「境界線を引いてそれ以上立ち入ることを拒絶している」といった意味になったりするケースがあるため、使い分けが必要となる。
限界を画すとは
「限界」とは、それ以上進めないギリギリのところ、という意味。「限界を画す」とは、それ以上踏み込むことができないギリギリの限度や境界線を示すことをいう。
「一線を画す」の使い方・例文
「一線を画す」の使い方・例文としては、「彼は、同期の中では習熟度において他と一線を画している」「親子といえども、生活するうえでの個人情報の取り扱いには一線を画すべきだ」「子弟はそれぞれのキャリアにおいて一線を画すべき存在である」「彼のサッカーセンスは素晴らしく、同年代と一線を画している」「現代の子育ての方法は、我々の親世代と一線を画している」「反りの合わない上司とは一線を画して付き合うのがよい」「この絵は他の作品と一線を画すほどの出来栄えだ」「人間関係では、良かれと思って一線を画すことが慇懃無礼と捉えられるケースもある」「このホテルは、サービスの点において他と一線を画す」「彼は人が好さそうに見えてもなかなか油断がならないので、なるべく一線を画すようにしている」などを挙げることができる。一線を画す
「一線を画す」の例文・使い方・用例・文例
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