宇宙植物とは? わかりやすく解説

地球外生命

(宇宙植物 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/10 03:12 UTC 版)

天文学上の未解決問題
地球外生命は存在するか。
地球外生命の探査
活動領域と稼働区域が大きく異なる3つの例を挙げる。
1. 宇宙空間を航行しながら太陽系外惑星の探査を続ける宇宙探査機。画像は探査機ケプラー
2. 宇宙文明からの電波を地球上で受信すべくSETIを行う電波望遠鏡。画像はアレン・テレスコープ・アレイ
3. 地球以外の太陽系惑星に着陸して地上を探査する探査車。画像は火星を探査するマーズ・サイエンス・ラボラトリーの探査車キュリオシティ (en)。

地球外生命ちきゅうがい せいめいとは、地球以外の惑星宇宙空間など、地球の大気圏の外に生存している(またはそこ由来の)生命をいう[1][2]地球外生命体ちきゅうがいせいめいたい地球外生物ちきゅうがいせいぶつともいう。

知能の高低は問わず、知的生命でないものも含む[1]。また、大気圏外にあって生存してはいても地球由来の生物宇宙飛行士宇宙船内の実験生物)はこれを含まない[1]

英語(事実上の国際共通語)では、"extraterrestrial日本語音写例:エクストゥラティレストゥリアル、日本語慣習読み:エクストラ テレストリアル)" [3]、"extraterrestrial being" [3]、"extraterrestrial biological entity" [3]、"extraterrestrial life" [3]等々、様々な名称が用いられるが、日本語の「生命」「生命体」「生物」のもつ語意のようなものがそれぞれに異なるのと同様、少しずつニュアンスが異なる。ET(イーティー)という略語も頻用されるが、これは extra-terrestrial の頭字語である[3]EBE(イーバ)も略語で、こちらは extraterrestrial biological entity の頭字語[3]。また、それが知能の低くない異星人ヒトと相似する、異星の知的生命)であれば、"alien life" ともいう。

概要

1967年ソビエト連邦が発行した16カペイカ切手は、異星人宇宙船を画題とした珍しいもの。当時のソ連ではこのようなテーマが持て囃されており、これは切手バージョンといったところ。

1970年代から天文学者が主に電波望遠鏡を用いて地球外の知的生命の活動の兆候を探索しているが、未だに地球外生命体の存在は確認されていない。

1787年ころ、イタリア神父博物学者ラザロ・スパランツァーニが、「そもそも地球の生命は地球外から来た」とする説を唱えていた。生命の起源が地球外にあるとする説は「パンスペルミア説」というが、こうした説(仮説)は、DNA二重らせん構造を発見したフランシス・クリックも表明している[4][5]

十九世紀の観測

アメリカ天文学者パーシヴァル・ローウェル(1855-1916年)は、火星を観測した結果、その表面に「運河」などの人工的な建造物に見える巨大構造があると信じ、火星に文明が存在する証拠だと著作で述べた。サイエンス・フィクションの分野では火星に棲むタコ状(イカ状)の生命体(たこ型火星人)がさかんに描かれたが、これはイギリス作家H・G・ウェルズが1898年に発表したSF小説宇宙戦争』によるイメージの定着が発端であるとされる。

1959年、イタリアの物理学者ジュゼッペ・コッコーニ英語版とアメリカの物理学者フィリップ・モリソンが、地球外生命に言及する論文を学術誌に初めて発表し(※誌は『ネイチャー』)、「地球外に文明社会が存在すれば、我々は既にその文明と通信するだけの技術的能力を持っている」と指摘した。また、「その通信は電波で行われるだろう」と推論した。この論文は自然科学者らに衝撃を与え、一般人も知的生命体がこの宇宙に存在する可能性について大真面目に語り、様々な憶測、様々な空想が語られるようになっていた。

1960年にはフランク・ドレイクオズマ計画に着手した。

ドレイクの方程式

1961年にアメリカの天文学者フランク・ドレイクドレイクの方程式を示し、画期的なことに、可能性・確率について具体的に数値で論ずることを可能にした。我々の銀河系に存在する通信可能な地球外文明の数を仮に「N」と表すとするならば、そのNは次の式で表せる、と述べたのである。

ローウェルが描いた火星の“運河

火星を観測した天文学者パーシヴァル・ローウェル(1855-1916年)は、スキアパレッリがイタリア語で "canali"(※『運河』の意もあるが、ここでは自然地形としての『』の意)と呼んだ地表面の直線的地形を英語で "canal"(運河)と解釈し[6]、「人面岩」など人工建造物に見える巨大な構造体があるのにも気付き、これらがスキアパレッリの言うような自然地形ではなく人工物に違いないとの認識の下[6]文明の存在を示すものであろうとの説を、1894年にボストン科学ソサエティで行った講演で初めて唱え[6]、次いで、1895年の自著 "Mars "(和題:火星)[7]、1906年の自著 "Mars and Its Canals " [8]、1908年の自著 "Mars As the Abode of Life "(和題:火星 生命のすみか[6][9]にも記した[6][注 1]。しかしながら、後世に行われたマリナー計画(1962-1973年)による探査と研究により[6]、パーシヴァルの見ていたものが自然地形であった事実が判明し[6]、火星人工物説を巡る論争は完全否定される形で決着した[6]。知的生命の火星での現生は確認できず、パーシヴァルが指摘した文明の痕跡も否定されたことから、太陽系内における地球人以外の知的生命の存在可能性は限りなく低いと見做されるようになった。

地球にも熱水噴出孔付近など、摂氏400度を超え、太陽光も届かない過酷な環境でも生物が生きているという事実から、エウロパなど宇宙の星々にも、微生物などの地球外生命が存在するのではと語るNASAの研究者もいる[10]

太陽系内の原始的生命

アラン・ヒルズ84001から見つかった生命の痕跡とされる構造。

火星に知的な生命はいないにしても、原始的な生命に関しては、火星はかつて大気と液体の水を持っていたと考えられている(その証拠とされるものが見つかっている)ので、生命が発生していた可能性もある、と考えられている。

1970年代NASAが送り込んだ火星探査機バイキング1号および2号は火星表土のサンプルを採取し、そこに生命活動の兆候が見られるか確認する試験を行ったが、結果は生命の存在を肯定するものではなかった。

1996年にギブソンらが行った報告では、火星由来の隕石に化石状の構造が認められ、生命の痕跡と考えられるとしている。ただしこの見解は統一見解には至らず、論争の的になっている(詳細はアラン・ヒルズ84001を参照)。

2003年ESAが火星に送り込んだビーグル2号はバイキング以来はじめての生命探査を目的とした着陸機だったが、大気圏突入後に交信が途絶えて失敗に終わった。

火星以外では、木星の衛星であるエウロパガニメデ土星の衛星であるエンケラドゥスなどが、原始的な生命がいる候補として注目されている。これらの天体は主に氷や岩石から出来ているが、地下には液体の水の層が存在しているのではないかと考えられている。水中にはバクテリアがいるかもしれない。また、土星の衛星タイタンも、厚い大気圏を持ち、表面に液体の炭化水素が存在していることなどから、生命の存在する天体の候補に挙げられている。

太陽系外

原始的生命に関しては太陽系内での探索が続けられているが、知的生命に関しては太陽系内は望み薄と判断されるようになり、太陽系外での探索が続けられている。

ケプラー442b(想像図)と地球の比較

NASAなどによって地球外知的生命体がいるのかどうかの探査(地球外知的生命体探査、頭字語:SETI)が行われている。現在行われている探査・研究活動はいくつかの手法がある。ひとつは、宇宙空間を通じてやってくる電波のパターンを受信し解析することで地球外の知的存在の活動を発見しようという試みである。特に近い星を絞り込んで行う手法もある。他の手法としては、地球から近い恒星の中から、生命の生まれる可能性がありそうな惑星を持つものを見つけ、その惑星に対して電波をこちらから送信してやり、反応があるかどうか調べる、という方法である。地球に最も近い恒星・惑星群の中には、地球から(わずか)数光年~数十光年程度の距離にあるものもあるので、実験として現実的な年数の間に生命からの反応・返信が得られるかも知れないという期待とともに探査が行われている。受信方式の探査を「パッシブ」、送信方式の探査を「アクティブ」と呼んでいる。

ケプラー442b
ハビタブルゾーン(生命居住可能領域)内に惑星が存在する可能性が高く、生命が存在することが期待されている太陽系外惑星

脚注

注釈

  1. ^ 2020年頃でも同様の説が、超常現象を扱う雑誌Webで唱えられた。

出典

  1. ^ a b c 小学館『デジタル大辞泉』. “地球外生命”. コトバンク. 2020年4月1日閲覧。
  2. ^ 横尾広光 (cf. researchmap)、小学館『日本大百科全書(ニッポニカ)』. “地球外生命”. コトバンク. 2020年4月1日閲覧。
  3. ^ a b c d e f Extra-Terrestrial”. 英辞郎 on the WEB. アルク. 2020年4月1日閲覧。
  4. ^ Crick 1981.
  5. ^ クリック 2005.
  6. ^ a b c d e f g h i j ナショナルジオグラフィック 2016年11月23日 p. 2
  7. ^ Lowell 1895.
  8. ^ Lowell 1906.
  9. ^ Lowell 1909.
  10. ^ “深海エビ、地球外生命体の鍵を握る? NASA研究”. 日本版CNN (CNN). (2014年11月24日). http://www.cnn.co.jp/fringe/35056956.html 2014年12月12日閲覧。 

文献一覧

参考文献

関連文献

関連項目

内部リンク

外部リンク


宇宙植物

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To LOVEる -とらぶる-」の記事における「宇宙植物」の解説

セリーヌ 詳細は「To LOVEる -とらぶる-の登場人物#セリーヌ」を参照 ホレ草 ホレ星の薬草催淫効果持ち摂取した者は一定時間興奮状態になってしまう。バレンタイン前日御門ララチョコ作り方聞かれた際、リトにあげる誤解したために、ほんの悪戯心からチョコホレ草入れるように教えたシバリ杉 オキワナ星に棲む意思持った植物。根の部分触手のように自由自在に操り人間縛り上げたりつるし上げたりすることができる。モモがオキワナ星に訪れて以来友達。 (ウリ星の)食用スイカ 声 - 宮原弘和 味にプライド持っている巨大スイカ。本来は食用なので本来はおとなしいが、プライドキズつけられる怒り、人を襲うようになるデビルークハーブ デビルーク星のハーブ飲料材料として用いられるが、地球人摂取するしばらくの間酩酊状態になる。 パワダの花 惑星ミストアに生息する毒性を持つ花。近づく者に花粉吹きかけ、触手のような襲いかかる花粉成分には、吸い込む一時的に体力消耗させる効果がある。 ラックベリー タコのような根で地上を走る果樹その実は「カレカレ病」をはじめ、さまざまな病に効果もたらす万能薬である。 アドレナの花 匂い嗅いだ者は、アドレナリン全開興奮状態になる。 ケンジャの花 沈静効能を持つ花。一仕事終えた感じ虚脱感に向かう。 アメフラワー まるでゲリラ豪雨のように、大量撒き散らす大輪の花惑星ゼラスの黒バラ トゲ強力な毒を持つ黒いバラ。毒の効果絶大で、例えかすり傷程度でも、触れた者は全身麻痺して動けなくなってしまう。 キャノンフラワー ジュダ星の鳳仙花一種。拳大の種子砲弾のように発射する危険指定種ダヅールの種 ピンチのとき地面たたきつける衝撃急速に発芽して相手身体絡みついて動き止める虹色のバラ 花びら七色変化する観賞用綺麗なバラジキドの花 香り嗅いだ人の性格を別人のように変えてしまう危険な花。 ミルケアの花 分泌する蜜には美肌だけでなく、肌に深く浸透し疲れ癒す成分含まれている。 チュッチュ草 クチビルにも似た花びら近付いた生き物吸い付き分泌される体液養分にする宇宙7大猥褻植物の1つフィリングスの花 ピンク色花びら綺麗な花。花を咲かせるまでに枯れてしまうことが多いため、希少種とされている。セフィが希少植物センター買ってきて、モモプレゼントした花言葉は「犠牲思いやり、そして笑顔」。 ホレダンの花 この花から出る花粉は、女性吸い込むと、目にした男性猛烈に惚れ込んでしまう効果がある。 しかし、既にその目にした男性恋心抱いている女性吸い込んで効果はない。 ニャンニャン草 花の部分の形をしており、触ると睡眠ガスを出す。

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