ちょうじょう‐げんしょう〔テウジヤウゲンシヤウ〕【超常現象】
超常現象
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/20 02:49 UTC 版)







概要
「paranormal (超常)」 という表現は1915年–1920年に作り出されたものであり[2]、 paraはラテン語で「~を超えた」という意味である[3]。
「paranormal」という表現は、アンブレラ・ターム(広い領域をまとめて呼ぶための用語)であり、サイキック現象(霊能力、超能力)、テレパシー、超感覚的知覚、サイコキネシス、幽霊などを指す語である[3]。この世界に存在すると思われるもののオーソドックスな科学では説明不可能なこと[3]。あるいは、オーソドックスな科学が調査対象にしていない現象を指している[4]。
超常現象には特殊な能力を持つとされる人間が関わっているもの(予知、透視、念写など)や、偶然では説明がつきそうにない出来事(心霊写真、妖精、妖怪など)や不思議などが含まれる。
超常現象に分類されることのある事象
例えばリン・ピクネット著 『超常現象の事典』などでは次のようなものを挙げている。
- 超能力[4]
- 霊能力[4]
- 霊界通信[4](霊媒、交霊会)
- ホーンティング[4]、幽霊、幽霊屋敷[4]
- 心霊現象
- ポルターガイスト現象[4]
- 妖精(フェアリー)[4]
- 予知夢[4]
- ドッペルゲンガー[4]
- 憑依[4]
- 呪い[4]
- 火星効果[4]
- 火の玉[4](ウィルオウィスプ、人魂、鬼火、狐火、球電)
- 人体自然発火現象[4]
- 電気人間[4][注 2]
- UFO[4]
- 地球外生命[4]
- タイム・スリップ[4]
- 形態因果作用[4]
- 臨死体験[4]
- 生まれ変わり(reincarnation、転生)[4][5]
他には次のようなものが挙げられることもある。
- ゼノグロッシア、真性異言
- ファフロツキーズ
- シンクロニシティ[5] (精度の高い偶然の一致、暗合、共時性)
- ハチソン効果
- 天使
- 妖怪
- 髪が伸びる人形[5](お菊人形)
- ツタンカーメンの呪い[5]
- アイスマンの呪い[5]
- 植物のテレパシー[5]
- 空中浮揚
超常現象に対する人々の態度に関する統計調査
ギャラップ社が2005年に調査したところ、米国人のおよそ4人に3人が(つまりおよそ3/4が)少なくともひとつの超常現象が実際にあると信じている、という結果が得られた [6]。同社の発表によると、同調査の結果、米国人で1番多く信じられているのはESPであり、41%の人がこれを信じており、2位は家に幽霊がとりつくことがあるということであり、米国人の37%がこれを信じている[6]。3位は「幽霊、あるいは死んだ人の魂が特定の場所に戻ってきたり特定の状況で現れたりすること」で、米国人の32%がこれを信じている[6]。4位はテレパシーで、米国人の31%がこれを信じている[6]。あとは5位 clairvoyance(透視や千里眼)26%、6位 占星術 25%、7位 霊界との通信(霊媒)21%、8位 魔女 21% ....と続いた[6]。
人物
- ジョン・ディー[4]
- ヴァレンタイン・グレイトレイクス(Valentine Greatrakes)[4]
- エマニュエル・スウェーデンボルグ
- ダニエル・ダングラス・ホーム[4]
- エウザピア・パラディーノ(Eusapia Palladino)[4]
- アイリーン・ギャレット(Eileen Garrett)[4]
- ニーナ・クラギナ(Nina Kulagina)[4]
- ユリ・ゲラー[4]
- ドリス・ストークス(Doris Stokes)[4]
- チコ・ザヴィエル(Chico Xavier)[4]
- コーラル・ポルゲ(Coral Polge)[4]
- ホセ・アリーゴ(José Arigo)[4]
- サティヤ・サイ・ババ(Sathya Sai Baba)[4]
- マシュー・マニング(Matthew Manning)[4]
- ミシェル・ゴークラン(Michel Gauquelin)
- 江原啓之
研究家・団体・学問
- 研究家
- カール・グスタフ・ユング[4]
- チャールズ・フォート[4]
- ロバート・ソーレス(Robert Thouless)[4]
- ギュスターヴ・ジュレ(Gustave Geley)[4]
- ケネス・バチェルダー(Kenneth Batcheldor)[4]
- 秋山眞人
研究家関連項目:超心理学者
- 団体
- 学問
懐疑派
- 人物
- ハリー・フーディーニ(1874 - 1926)(奇術師。当時流行していた降霊術で行われていたインチキを暴いた。)
- ハリー・プライス(1881 - 1948)(ゴーストハンター)
- ジェームズ・ランディ(1928 - )(奇術師、作家)
- カール・セーガン(1934 – 1996)(天文学者、科学啓蒙家)
- リチャード・ドーキンス(1941 - )
- スーザン・ブラックモア(1951 - )
- 大槻義彦(1936 - )
- 皆神龍太郎(1958 - )
- 団体
- サイコップ(CSICOP)
- Japan Skeptics
- と学会
懐疑派関連項目:トンデモ本、疑似科学、科学における不正行為、アドホックな仮説、オカルト
関連番組
- NHK BSプレミアム『幻解!超常ファイル』2013年3月~
- NHKスペシャル「超常現象 科学者たちの挑戦」2014年3月22日放送 [3]
- NHK『サイエンスZERO』 No.464「「超能力」はあるのか!? 不可思議に挑む科学者たち」2014年5月4日 放送
脚注
注釈
- ^ 単数形はphenomenon、複数形はphenomena
- ^ 「電気人間」とは電気を発する、とされる人間のこと。ちなみに、電気を発生することが確認されている魚類ならば、通常の生物学の範疇でいくつも知られている。(→en:Category:Strongly electric fish)
出典
- ^ デジタル大辞泉
- ^ “Paranormal”. Dictionary.com. Ask.com. 2011年3月31日閲覧。
- ^ a b c Orapello, Christopher. “What does 'Paranormal' mean?”. Mid-Atlantic Paranormal Research. 2008年11月23日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am an ao ap リン・ピクネット『超常現象の事典』青土社、1994年、pp.1-134(「目次」~「はじめに」~「第一部」)頁。
- ^ a b c d e f 『学研ミステリー百科4 超常現象の大百科』学研パブリッシング、2014
- ^ a b c d e [1][2]
関連文献
- LYNN PICKNETT, THE ENCYCLOPEDIA OF THE PARANORMAL, 1990
- (翻訳)リン・ピクネット『超常現象の事典』青土社、1994、ISBN 4791753070
- John & Anne Spence, The Encyclopedia of the World's Greatest Unsolved Mysteries, 1995, ISBN 0747214387
- (翻訳)ジョン・スペンサー、アン・スペンサー 『世界怪異現象百科』原書房 、1999、ISBN 4562031662
- Brian David Josephson, The Paranormal and the Platonic World.
- (翻訳) ブライアン・ジョセフソン『ノーベル賞科学者ブライアン・ジョセフソンの 科学は心霊現象をいかにとらえるか』徳間書店、1997(訳・解説:茂木健一郎・竹内薫)、ISBN 4198607028
- 宮城音哉『神秘の世界』岩波書店、1961
- J.ミッチェル、R.リカード『怪奇現象博物館―フェノメナ』北宋社、1987
- サイモン・ウェルフェア 、ジョン・フェアリー『アーサー・C・クラークのミステリー・ワールド』角川書店、1986、 ISBN 4048410091
- サイモン・ウェルフェア 、ジョン・フェアリー『(アーサー・C・クラーク) 超常現象の謎を解く (上・下)』飯倉書房 (1996 ISBN 484220219X ISBN 4842202203
- 同名旧版 (ISBN 4898000290 ISBN 4898000304) の改訳新装版
- コリン・ウィルソン『超常現象の謎に挑む』教育社、1992、ISBN 4315512702
- 『超常科学謎学事典』小学館、1992、ISBN 4092073046
- と学会 (山本弘、志水一夫、皆神龍太郎) 『トンデモ超常現象99の真相』洋泉社、1997、 ISBN 4896912519 ISBN 4796618007
- 志水一夫 『トンデモ超常学入門―志水一夫の科学もドキ!』データハウス、1997 ISBN 4887184417
- 菊池聡『超常現象をなぜ信じるのか―思い込みを生む「体験」のあやうさ』講談社、1998 ISBN 406257229X
- 菊池聡『超常現象の心理学―人はなぜオカルトにひかれるのか』平凡社、1999、 ISBN 4582850286
- 皆神龍太郎、志水一夫、加門正一 『新・トンデモ超常現象56の真相』太田出版、2001、ISBN 4872335988
- 羽仁礼 『超常現象大事典―永久保存版』成甲書房 2001 ISBN 4880861154
- 『全国超常現象家名鑑』
- 梅原勇樹、苅田章『NHKスペシャル超常現象: 科学者たちの挑戦』NHK出版、2014、ISBN 4140816325
外部リンク
超常現象
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超心理学と神秘学の分野に関する作家は、体外離脱は心理学的なものではなく、魂や精神、または微細身(英語版)が実際に体から離れて遠くの場所を訪れるものであると記している。そのようなものを指す名称は様々であり、日本では生霊、近代ヨーロッパでの神智学、人智学、儀式魔術(英語版)などの神秘学ではアストラル体、エーテル体など様々な名称で呼ばれている。古代インドの聖典では、そのような意識状態をトゥリヤ(英語版)(梵: तुरीय、英: Turiya)とも呼んでおり、心身の二重性から自己を解放するような深いヨーガおよび瞑想によって達成することができるとされる。その際に肉体を離れ旅する体は、ヴィギャン・デヒ(ヒンディー語: विज्ञानं देहि、英: Vigyan dehi)と呼ばれており、意図的に肉体を離れたり、また戻って来たりすることができる。体外離脱体験は、ヴィクトリア朝時代の心霊主義文学で「透視旅行」(英: Travelling clairvoyance)として知られていた。心理学研究者のフレデリック・マイヤースは、OBEを「精神的小旅行」(英: Psychical excursion)と呼んでいた。OBEの疑いがある事例の説明を行った初期の研究は、1886年に心理学研究者のエドマンド・ガーニー、フレデリック・マイヤースおよびフランク・ポドモアによって出版された二巻から成る『Phantasms of the Living』だった。この本は報告事例のほとんどすべてが裏付けに乏しく証拠を欠いた実証だったため、科学界によって激しく批判された。 神智学者のArthur Powell(1927)は、OBEの微細身理論を提唱した初期の著者だった。Sylvan Muldoon(1936)は、OBEを説明するためにエーテル体の概念を採用した。超能力研究者のErnesto Bozzano(1938)は、稀な状況においてエーテル体が肉体から解放されるというバイロケーションの観点から同様の見解を支持していた。微細身理論は、Ralph Shirley(1938)、Benjamin Walker(1977)、Douglas Baker(1979)などのオカルト作家によっても支持されていた。James Baker(1954)は、OBE中には精神体が「宇宙間領域」(英: Intercosmic region)に入ると記した。Robert Crookallは多くの出版物でOBEの微細身理論を支持した。 OBEに関する超常現象的解釈は、すべての超心理学研究者によって支持されている訳ではない。Gardner Murphy(1961)は、「(OBEは)既知の一般的な心理学の領域からそれほど遠くなく、超常現象に頼ることのない理解がますます進み始めている」と述べた。 1970年代、Karlis Osisは超能力者のAlex Tanousと共に多くのOBE実験を行った。一連の実験では、OBE状態のときに遠隔地に設置された着色したターゲットを特定するようTanousに依頼され、Osisは197件の試みのうち114件が的中したと報告した。しかし、対照実験が批判されており、スーザン・ブラックモアによると108件が偶然であると予想されるため、最終的な結果は特に重要ではない。ブラックモアは、その結果は「OBEでの正確な知覚の証拠」を提供しないと述べた。 1977年4月、ハーバービュー医療センター(英語版)のマリアという患者が、体外離脱を体験し体の外および病院の外へ浮かんでいったと訴えた。マリアは後に「離脱中に建物北側の3階にある窓台にテニスシューズが置かれているのを見た」とソーシャルワーカーのKimberly Clarkへ伝えた。Clarkが建物の北棟へ行き窓の外を見ると本当にテニスシューズが置かれていたという。Clarkはこの出来事について1984年に公開した。それ以来、この出来事は精神が肉体を離れる証拠として、多くの超常現象関連書籍で紹介されている。 1996年、Hayden EbbernとSean Mulligan、およびBarry Beyersteinはその医療センターを訪れ、その出来事について調査した。彼らがテニスシューズを同じ台に置いたところ、靴は建物の中から見えており、ベッドに横たわっている患者から容易に観測できることを発見した。彼らはまた、その靴は建物の外からも容易に見つけられることを発見し、マリアが三日間の入院中にそれについての会話を聞いており、それが彼女の体外離脱体験に組み込まれた可能性を示唆した。彼らは、超常的な説明を求めている体外離脱研究者から「マリアの物語は単に素朴さと希望的観測の力を明らかにしているに過ぎない」と結論付けた。Clarkはそれが発生してから7年間その事例の説明を公表せず、その話に疑問を投げかけていた。リチャード・ワイズマンは、この物語は超常現象の証拠ではないにも関わらず「事実確認を怠ったか、読者にストーリーの懐疑的側面を提示することを厭った作家らによって延々と繰り返されてきた」と述べた。 「あの世」を信じる医師であるシャルボニエは124件の体外離脱事例のデータを収集した。それによると体外離脱の92%が仰向けの状態で起き、96%が深いリラックス状態の時に起きたという。また体外離脱の体験者は「自分は肉体に宿った精神である」という確信を抱き、死を絶対的な無と見なさなくなる傾向にあることを指摘している。
※この「超常現象」の解説は、「体外離脱」の解説の一部です。
「超常現象」を含む「体外離脱」の記事については、「体外離脱」の概要を参照ください。
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