ねつりきがく‐だいいちほうそく〔‐ダイイチハフソク〕【熱力学第一法則】
読み方:ねつりきがくだいいちほうそく
熱力学第一法則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/03 09:50 UTC 版)
熱力学第一法則 (ねつりきがくだいいちほうそく、英語: first law of thermodynamics)はエネルギー保存の法則を熱力学系に適用させた場合の法則である。閉じた系の内部エネルギーの変化は系に供給される熱から系が周囲に行った仕事量を差し引いたものに等しいとされ、定式化されている。
- ^ 渡辺(1963) p.180
- ^ 広重(1968) p.203
- ^ Clausius, R. (1850). Ueber die bewegende Kraft der Wärme und die Gesetze, welche sich daraus für die Wärmelehre selbst ableiten lassen, Annalen der Physik und Chemie (Poggendorff, Leipzig), 155 (3): 368-394, particularly on page 373 [1], translation here taken from Truesdell, C.A. (1980). The Tragicomical History of Thermodynamics, 1822-1854, Springer, New York, ISBN 0-387-90403-4, pages 188-189.
- ^ Clausius, R. (1850). Ueber die bewegende Kraft der Wärme und die Gesetze, welche sich daraus für die Wärmelehre selbst ableiten lassen, Annalen der Physik und Chemie (Poggendorff, Leipzig), 155 (3): 368-394, page 384 [2].
- ^ a b Truesdell, C.A. (1980). The Tragicomical History of Thermodynamics, 1822-1854, Springer, New York, ISBN 0-387-90403-4.
- ^ Hess, H. (1840). Thermochemische Untersuchungen, Annalen der Physik und Chemie (Poggendorff, Leipzig) 126(6): 385-404 [3].
- 1 熱力学第一法則とは
- 2 熱力学第一法則の概要
- 3 歴史
- 4 関連項目
熱力学第一法則(エネルギー保存則)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 01:21 UTC 版)
「ルドルフ・クラウジウス」の記事における「熱力学第一法則(エネルギー保存則)」の解説
1つ目の法則は、ジュールやマイヤー、ヘルムホルツらによって発見されていたエネルギー保存則である。クラウジウスは次のように表現した。 「熱の作用によって仕事が生み出されるすべての場合に、その仕事に比例した量の熱が消費され、逆に、同量の仕事の消費においては同量の熱が生成される。」 クラウジウスは1850年の論文で、カルノーサイクルでの熱の出入りを計算し、熱量Qに対して、 d d t ( d Q d v ) − d d v ( d Q d t ) = A R v {\displaystyle {\frac {d}{dt}}({\frac {dQ}{dv}})-{\frac {d}{dv}}({\frac {dQ}{dt}})={\frac {AR}{v}}} が成り立つことを示した。ここで、tは温度、vは体積、Aは熱の仕事当量の逆数、Rは気体定数である。 熱量が常に保存されるのであれば、熱量はその物質の温度と体積のみで決まることになる。そのため、上の式の左辺はゼロにならなければならない(なぜなら、この式の左辺は、熱量を温度と体積で全微分した値であるから)。しかし実際にはゼロにはなっていない。そのため、熱は、その物質が持っているエネルギーのほかに、外部になされる仕事の分も加えなければならないことになる。 こうして、クラウジウスは次の式を作り上げた。 d Q = d U + A R a + t v d v {\displaystyle dQ=dU+AR{\frac {a+t}{v}}dv} ここで、Uは内部エネルギー(当時は内部エネルギーという単語は無かったが)、aは定数である。この式からクラウジウスは、熱(左辺)は、内部的になされる仕事(右辺第一項)と、外部になされる仕事(右辺第二項)に分けられると結論した。これはエネルギー保存則の初の定式化であった。 1865年の論文では、 d U = d Q − d w {\displaystyle dU=dQ-dw} と、現在良く見られるような形の式を導出した。
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