等温過程とは? わかりやすく解説

等温過程

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/24 20:07 UTC 版)

等温過程(とうおんかてい、: isothermal process)とは、温度一定の環境下で、をある状態から別の状態へと変化させる熱力学的な過程のことである。等温変化(とうおんへんか)とも呼ばれる。系の温度は等温過程の前後で変化しない。特に理想気体の場合は、系の内部エネルギーも等温過程の前後で変化しない。


  1. ^ 田崎 p.45



等温過程

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 07:03 UTC 版)

自由エネルギー」の記事における「等温過程」の解説

温度 Tex環境にある系が、ある平衡状態から別の平衡状態変化する過程考える。熱力学第二法則により、系が外部から受け取る熱 Q には上限存在する。 Q ≤ T ex Δ S {\displaystyle Q\leq T_{\text{ex}}\Delta S} この不等式エネルギー保存則から、系が外部為す仕事 W にも上限存在するW = Q − Δ U ≤ T ex Δ S − Δ U {\displaystyle W=Q-\Delta U\leq T_{\text{ex}}\Delta S-\Delta U} 等温条件下では変化前後で系の温度外界温度等しく T=Tex なので、ヘルムホルツエネルギーの定義から Δ F = Δ ( U − T ex S ) = Δ U − T ex Δ S {\displaystyle \Delta F=\Delta (U-T_{\text{ex}}S)=\Delta U-T_{\text{ex}}\Delta S} となり、不等式 W ≤ − Δ F {\displaystyle W\leq -\Delta F} が成り立つ。この場合仕事 W は膨張仕事および非膨張仕事のすべてを含んでいる。 すなわち、温度 Tex環境にある系が状態 X0 から X1 へと変化する間に外部為す仕事 W には上限 Wmax存在する。 W ( T ex ; X 0 → X 1 ) ≤ W max ( T ex ; X 0 , X 1 ) {\displaystyle W(T_{\text{ex}};X_{0}\to X_{1})\leq W_{\text{max}}(T_{\text{ex}};X_{0},X_{1})} この Wmaxヘルムホルツエネルギー用いると W max ( T ex ; X 0 , X 1 ) = F ( T ex ; X 0 ) − F ( T ex ; X 1 ) {\displaystyle W_{\text{max}}(T_{\text{ex}};X_{0},X_{1})=F(T_{\text{ex}};X_{0})-F(T_{\text{ex}};X_{1})} と表され変化前後でのヘルムホルツエネルギー減少量が等温条件において取り出し可能な仕事量である。 等温条件下で外部一切仕事行わない場合、とくに、等温等積で非膨張仕事行わない場合は Δ F ≤ − W = 0 {\displaystyle \Delta F\leq -W=0} となり、自発変化ヘルムホルツエネルギー減少する方向へ進む。また熱力学的平衡条件ヘルムホルツエネルギー極小値をとることである。

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等温過程

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/25 16:03 UTC 版)

光子気体」の記事における「等温過程」の解説

光子気体熱力学的過程一例として、動くピストンがついたシリンダー考える。シリンダーの壁は「黒い」、すなわち光子気体系の温度シリンダー温度一致するとする。これにより、シリンダー内部黒体輻射による光子気体系とみなすことができる。通常の分子気体とは異なり光子気体外部から「入れておく」必要はない。壁の物体から光子生じるからである。内部体積極めて小さくなるまでピストン押し込むことを考えてみよう。シリンダー内部光子気体ピストン押し返しピストン体積大きくなる方向に動く。ここで、過程等温静的であるとして、ピストンには逆向きの力を掛けておき、極めてゆっくりとしか動かないものとする。このときの力は、光子気体圧力ピストン断面積 A を掛けたものに等しい。この過程を、系の体積が V0 になるまで一定温度で行う。ピストン移動距離 x における力の積分が、光子気体のした仕事 W になるので、 W = − ∫ 0 x 0 P ( A d x ) {\displaystyle W=-\int _{0}^{x_{0}}P(A\mathrm {d} x)} b = 8 π 5 k 4 15 c 3 h 3 {\displaystyle b={\frac {8\pi ^{5}k^{4}}{15c^{3}h^{3}}}} P ( x ) = b T 4 3 {\displaystyle P(x)={\frac {bT^{4}}{3}}\,} W = − b T 4 A x 0 3 = b T 4 V 0 3 {\displaystyle W=-{\frac {bT^{4}Ax_{0}}{3}}={\frac {bT^{4}V_{0}}{3}}} Q = UW = H 0 {\displaystyle Q=U-W=H_{0}\,} H0 は終状態におけるエンタルピーである。エンタルピーは、光子気体発生させる必要なエネルギーの量であるとみなせる。

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