熱力学第三法則とは? わかりやすく解説

ねつりきがく‐だいさんほうそく〔‐ダイサンハフソク〕【熱力学第三法則】

読み方:ねつりきがくだいさんほうそく

熱力学の法則


熱力学第三法則

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/25 15:30 UTC 版)

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熱力学第三法則

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/10 08:04 UTC 版)

ヴァルター・ネルンスト」の記事における「熱力学第三法則」の解説

ネルンストの一番の業績は熱力学第三法則を確立したことである。この法則1906年書かれ論文初め発表された。 ある化学反応がどちらの向きに進むかは、化学反応における物質結びつきやすさ、すなわち化学親和力によって決まると考えられていた。そして、その化学親和力Aは発熱量Qと、 A − Q = T d A d T {\displaystyle A-Q=T{\frac {dA}{dT}}} の関係がある(ただし、定温定圧過程とする。Tは温度)。これはギブズ-ヘルムホルツの式から得られるのである。この式により、Aの値が分かればQが求められる。 しかし、逆にQの値が分かってもAを求めることはできない。なぜなら、この式をAについて解くには、式を積分なければならず、その際積分定数出てきてしまうからである。この事実は、当時熱力学が完全ではないことを意味していた。 ネルンストはこの問題について、低温、あるいは固体ではAとQはほぼ等しくなるという実験事実注目した。そして、絶対零度近づくにつれてAとQの差は無限に小さくなるではないか考えた。これが、1905年ベルリン講堂思いついた発想である。すなわち、 lim T → 0 d A d T = lim T → 0 d Q d T {\displaystyle \lim \limits _{T\to 0}{\frac {dA}{dT}}=\lim \limits _{T\to 0}{\frac {dQ}{dT}}} となる。この仮定加えることにより、積分定数求めることができ、ギブズ-ヘルムホルツの式問題解消されるネルンスト主張した。 この論理突飛なうえ、実験的な立証もされていなかったため、発表当時その意味理解できる人は少なかった。しかしその後ネルンスト自身らによってこの仮定実験的に裏付けられ、現在では熱力学基本法則1つとなっている。 なお、現在では熱力学第三法則は、絶対零度においてエントロピーゼロになるという表現なされているが、この表現マックス・プランクよるもので、ネルンスト自身は「エントロピー」という言葉使っていない。そのプランクは、ネルンスト仮定について、überraschend(驚くべき意外な斬新な)という表現使っている。ネルンスト自身はこの定理について、「熱力学第一法則は3人(マイヤージュールヘルムホルツ)、第二法則2人カルノークラウジウス)、第三法則1人ネルンスト)によって発見された。第四法則発見する人は0人になってしまうから、熱力学はこれで完成された」と語っている。

※この「熱力学第三法則」の解説は、「ヴァルター・ネルンスト」の解説の一部です。
「熱力学第三法則」を含む「ヴァルター・ネルンスト」の記事については、「ヴァルター・ネルンスト」の概要を参照ください。

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