等温過程の自発変化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/17 01:47 UTC 版)
等温過程における不等式を変形すると ΔF ≤ −W である。外部から仕事をされない場合、すなわち W ≥ 0 の場合は Δ F ( T ex ) ≤ 0 {\displaystyle \Delta F(T_{\text{ex}})\leq 0} となり、自由エネルギーが常に減少する。系の状態が温度のほかに示量性状態量 X で指定されるときの完全な熱力学関数はヘルムホルツエネルギーであり、その全微分が d F = − S ( T , X ) d T + ∑ a x a ( T , X ) d X a {\displaystyle dF=-S(T,X)\,dT+\sum _{a}x_{a}(T,X)\,dX_{a}} で書けるとき、等温条件とその他の拘束条件の下で可能な状態量の変化 δX に対して δ F = ∑ a x a ( T ex , X ) δ X a ≤ 0 {\displaystyle \delta F=\sum _{a}x_{a}(T_{\text{ex}},X)\,\delta X_{a}\leq 0} であるような変化の方向に系の状態が遷移する。拘束条件の下でヘルムホルツエネルギーが極小化される場合に、状態の遷移が止まり、系は平衡に達する。
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