ギブズの自由エネルギー
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/25 14:06 UTC 版)
ギブズ自由エネルギー(英語: Gibbs free energy)は、熱力学や電気化学などで用いられる、等温等圧条件下で非膨張の仕事として取り出し可能なエネルギーを表す示量性状態量である。
解説
非膨張の仕事の例としては電池反応による電気的な仕事があり、ギブズ自由エネルギーの減少量は等温等圧条件下で系から取り出し可能な電気エネルギーを表す。なお、IUPACではギブズエネルギー(Gibbs energy)という名称の使用を勧告している[1]。 通常は記号 G で表される。
等温等圧条件下ではギブズ自由エネルギーは自発的に減少しようとする。即ち、Gの変化が負であれば化学反応は自発的に起こる。さらに、ギブズエネルギーが極小の一定値を取ることは系が平衡状態にあることに等しい。
これは、ヘルムホルツの自由エネルギーに関する
等温等積条件下ではヘルムホルツの自由エネルギーは自発的に減少しようとする。即ち、Fの変化が負であれば化学反応は自発的に起こる。さらに、ヘルムホルツの自由エネルギーが極小の一定値を取ることは系が平衡状態にあることに等しい。
と対応している。ウィラード・ギブズに由来する。
定義
ギブズエネルギー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/17 01:47 UTC 版)
ギブズエネルギーの変化 ΔG は、G = F + PV の関係を使ってヘルムホルツエネルギーの変化 ΔF から求めることができる。 Δ G = Δ F + Δ ( P V ) {\displaystyle \Delta G=\Delta F+\Delta (PV)} あるいは、ヘルムホルツエネルギーと同様に考えれば Δ G = ∫ state A state B d G = ∫ P A P B ( ∂ G ∂ P ) T = T ex d P = ∫ P A P B V ( T ex , P ) d P {\displaystyle \Delta G=\int _{\text{state A}}^{\text{state B}}dG=\int _{P_{\text{A}}}^{P_{\text{B}}}\left({\frac {\partial G}{\partial P}}\right)_{T=T_{\text{ex}}}dP=\int _{P_{\text{A}}}^{P_{\text{B}}}V(T_{\text{ex}},P)dP} となる。すなわち、T, P の関数として V を表す状態方程式が知られていれば ΔG を求めることができる。
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