種々の系の平衡条件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/24 01:44 UTC 版)
系の受熱量を dQ、仕事出力を dW とし、系の圧力を P、体積を V、温度を T、エントロピーを S、内部エネルギーを U と表す。 熱力学第二法則 より dS - dQ/T > 0 が成立する。また、熱力学第一法則 dQ = dU + dW で力学的平衡を仮定して dW = PdV と近似し、これを第二法則に用いると、dU + PdV - TdS < 0 が成立する。したがって、ある状態が安定な平衡状態であるための条件は、その状態を始点とするすべての仮想的な変化(d に代えて δ で表す)が δS - δQ/T ≤ 0 または δU + PδV - TδS ≥ 0 となる(つまり、生起し得ない)ことである。 系の取り得る状態変化にいくつかの条件を加えれば、上記の平衡条件を下記の熱力学ポテンシャル等の極値条件として表すことができる。 U :内部エネルギー H = U + PV :エンタルピー F = U - TS :ヘルムホルツの自由エネルギー G = F + PV = H - TS :ギブズの自由エネルギー そのいくつかの例を以下に示す。
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