カルノーサイクルとは? わかりやすく解説

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カルノー‐サイクル【Carnot's cycle】

読み方:かるのーさいくる

フランス物理学者S=カルノー考えた熱機関熱効率最大になる理想サイクル蒸気などが、高温低温との間を等温膨張断熱膨張等温圧縮断熱圧縮の4行程循環するというもの。


カルノーサイクル

※「大車林」の内容は、発行日である2004年時点の情報となっております。

カルノーサイクル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/25 08:14 UTC 版)

カルノーサイクル: Carnot cycle)は、温度の異なる2つの熱源の間で動作する可逆熱力学サイクルの一種である。ニコラ・レオナール・サディ・カルノー熱機関の研究のために思考実験として 1824 年に導入したものである [1]。 カルノーの導入以降しばらくは注目されなかったが、19 世紀後半にウィリアム・トムソンにより再発見された後に本格的な熱力学の起点となり、熱力学第二法則エントロピー等の重要な概念が導き出されることになった。


  1. ^ S. カルノー(広重徹訳)、『カルノー・熱機関の研究』、みすず書房(1973).


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カルノーサイクル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 01:22 UTC 版)

ニコラ・レオナール・サディ・カルノー」の記事における「カルノーサイクル」の解説

カルノーは、熱機関最大効率生み出すには、可逆的な過程必要だ考えた。そして、以下のような仮想的な仕組み考案した。これはカルノーサイクルと呼ばれている。 図1 : 等温膨張 図2 : 断熱膨張 図3 : 等温圧縮 図4 : 断熱圧縮 図5 : 等温膨張。図1に戻る 図6 : これが、カルノーサイクルである。 空気入れたシリンダーと、高温源A、低温源Bを用意する。 まず、シリンダーをAと接触させる。この状態でAからシリンダーに熱が供給されると、シリンダー内の空気膨張しピストン押し上げる。この時、シリンダーはAと接触しているので、シリンダー内の空気温度はAのまま変化しない等温膨張、図1)。 次にシリンダーとAを離しピストン断熱状態にする。ピストン上がり続けるが、熱源が無いためシリンダー内の温度は下がる(断熱膨張、図2)。 シリンダー内の空気温度がBと同じ温度まで下がったところで、シリンダーとBを接触させる。そしてピストン下降させると、空気圧縮される。そして圧縮によって発生した熱が、シリンダーからBへと移動するシリンダー温度はBのまま変化しない等温圧縮、図3)。 シリンダーとBを離しピストン断熱状態にする。ピストンはさらに下がり空気圧縮される。この時熱が発生しシリンダー内の空気温度上がる断熱圧縮、図4)。 シリンダー内の空気温度がAと同じ温度まで上がったところで再びシリンダーをAと接触させる。Aからシリンダーへ熱が伝わりシリンダー内の空気膨張する等温膨張、図5)。こうして、図1と同じ状態となる。 この過程で、シリンダー内の空気はAから熱をもらい、Bに熱を与えている。つまりAからBに熱が移動したことになる。そしてその過程で、ピストン上下させるという仕事行っている。仕事使われる以外の余分な熱の移動は無いため、これが熱機関最大効率となる。また、上の説明では空気膨張圧縮させたが、カルノーの定理によれば最大効率は熱を伝え物質には依存しないのであるから、これは空気以外の気体、あるいは液体固体でも理論的に構わない。 なお、例えば図1のとき、Aからシリンダーへと移動した熱が無駄な仕事使われるためには、接触した時点でAとシリンダー温度差小さいのが望ましい。というのも温度差があると、Aからシリンダーへと移動した熱は、シリンダー内の空気温めるのに使われてしまい、その分ピストン押し上げるのに使われる熱が少なくなってしまうからである。よって、最大効率を得るためにはAとシリンダーは同じ温度なければならない。しかし、先述通り実際に温度差がないと熱は移動しないため、同じ温度では仕事行われない。 そこでカルノーは、両者温度差無限に小さい定めたこうすることで、等温変化のどの状態であっても空気とAは同じ温度を保つ。そして熱は無限にゆっくりと伝わりピストン無限にゆっくりと上昇する。これは現在では準静的過程呼ばれる手法である。 さらに、カルノーはこのサイクルを逆方向に行うことで、仕事から温度差生み出せることにも触れている。これは現在逆カルノーサイクル呼ばれている。

※この「カルノーサイクル」の解説は、「ニコラ・レオナール・サディ・カルノー」の解説の一部です。
「カルノーサイクル」を含む「ニコラ・レオナール・サディ・カルノー」の記事については、「ニコラ・レオナール・サディ・カルノー」の概要を参照ください。

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