理想気体の定積過程とは? わかりやすく解説

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理想気体の定積過程

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/17 01:47 UTC 版)

定積過程」の記事における「理想気体の定積過程」の解説

容積 V の容器入った物質量 n の理想気体を状態Aから状態Bに移行させる定積過程について考える。理想気体定積モル熱容量 CV,m は体積 V に依らない。簡単のため、ここでは CV,m が温度 T にも依らない定数とする。 内部エネルギー U とエントロピー S の変化それぞれ Δ U = ∫ T A T B n C V , m d T = n C V , m Δ T {\displaystyle \Delta U=\int _{T_{\text{A}}}^{T_{\text{B}}}nC_{V,{\text{m}}}dT=nC_{V,{\text{m}}}\Delta T} Δ S = ∫ T A T B n C V , m T d T = n C V , m lnT B T A {\displaystyle \Delta S=\int _{T_{\text{A}}}^{T_{\text{B}}}{\frac {nC_{V,{\text{m}}}}{T}}dT=nC_{V,{\text{m}}}\ln {\frac {T_{\text{B}}}{T_{\text{A}}}}} である。ヘルムホルツエネルギー F の変化は Δ F = Δ U − T B Δ S − S A Δ T = n ( C V , m − S m ( T A , V m ) ) Δ T − n C V , m T B lnT B T A {\displaystyle \Delta F=\Delta U-T_{\text{B}}\Delta S-S_{\text{A}}\Delta T=n\left(C_{V,{\text{m}}}-S_{\text{m}}(T_{\text{A}},V_{\text{m}})\right)\Delta T-nC_{V,{\text{m}}}T_{\text{B}}\ln {\frac {T_{\text{B}}}{T_{\text{A}}}}} となる。ただし Sm(T,Vm) は、温度 T、モル体積 Vm = V/n におけるこの理想気体のモルエントロピーである。 エンタルピー H の変化は、理想気体の状態方程式 PV = nRTマイヤーの関係式 CP,m(T) = CV,m(T) + R を使うと Δ H = Δ U + Δ ( P V ) = n ( C V , m + R ) Δ T = n C P , m Δ T {\displaystyle \Delta H=\Delta U+\Delta (PV)=n(C_{V,{\text{m}}}+R)\Delta T=nC_{P,{\text{m}}}\Delta T} となる。ギブズエネルギー G の変化同様に Δ G = Δ F + Δ ( P V ) = n ( C P , m − S m ( T A , V m ) ) Δ T − n C V , m T B lnT B T A {\displaystyle \Delta G=\Delta F+\Delta (PV)=n\left(C_{P,{\text{m}}}-S_{\text{m}}(T_{\text{A}},V_{\text{m}})\right)\Delta T-nC_{V,{\text{m}}}T_{\text{B}}\ln {\frac {T_{\text{B}}}{T_{\text{A}}}}} となる。 定積過程では、理想気体外部仕事 W をしない。 W = 0 {\displaystyle W=0} 定積過程理想気体外部から得る熱 Q は Q = Δ U = n C V , m Δ T {\displaystyle Q=\Delta U=nC_{V,{\text{m}}}\Delta T} である。

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理想気体の定積過程 (初等的な説明)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/17 01:47 UTC 版)

定積過程」の記事における「理想気体の定積過程 (初等的な説明)」の解説

理想気体を状態Aから状態Bへと移行させる定積過程考える。このとき熱力学第一法則より Δ U = Q − W {\displaystyle \Delta U=Q-W} ただし Δ U {\displaystyle \Delta U} は過程による理想気体内部エネルギー変化、 Q {\displaystyle Q} は過程中に理想気体与えられ熱量、 W {\displaystyle W} は理想気体外部にした仕事である。 ここで、この過程無限に分割した微小過程考えると、その微小過程中に外部にする仕事 d W {\displaystyle dW} は d W = F d x = P S d x = P d V {\displaystyle dW=Fdx=PSdx=PdV} である。ここで P {\displaystyle P} は圧力d V {\displaystyle dV} は微小体積変化である。定積過程においては体積一定なので d V = 0 {\displaystyle dV=0} となるので d W = P d V = 0 {\displaystyle dW=PdV=0} である。よって熱力学第一法則の式は Δ U = Q {\displaystyle \Delta U=Q} と書き直せる。 ここで、定積過程における気体モル比熱定積モル比熱命名し c V {\displaystyle c_{V}} とすると、比熱の定義より Q = n c V Δ T {\displaystyle Q=nc_{V}\Delta T} となる。ここでnは気体モル数、Tは絶対温度である。 以上のことから気体内部エネルギー定積モル比熱について次の関係が成り立つ。 Δ U = n c V Δ T {\displaystyle \Delta U=nc_{V}\Delta T} Δ U {\displaystyle \Delta U} も Δ T {\displaystyle \Delta T} もともに過程によらず始点終点の状態のみで決まる量なので、この関係は定積過程限らずあらゆる過程成り立つ。

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