イソ型
アイソフォーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/29 13:23 UTC 版)
タンパク質のアイソフォーム(英: Protein isoform)またはバリアント(variant)[1]は、単一の遺伝子または遺伝子ファミリーに由来する、類似した一連のタンパク質を意味する。多くの場合、各アイソフォームは同一もしくは類似した生物学的役割を果たすが、一部のアイソフォームにのみ特有の機能が存在している場合もある。一連のアイソフォームは、選択的スプライシング、転写時に利用されるプロモーターの差異やその他の転写後修飾などによって形成されるが、翻訳後修飾によって生じた差異はアイソフォームとしては考慮されないのが一般的である。
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- 1 アイソフォームとは
- 2 アイソフォームの概要
- 3 特徴
- 4 関連項目
アイソフォーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 16:31 UTC 版)
プリオンを構成するタンパク質(PrP)は全身に見られるタンパク質で、健常なヒトや動物にも認められる。ただし、感染部位で見つかるPrPは異なる構造を取り、プロテアーゼ(タンパク質を分解する酵素の総称)に耐性を示す。PrPの正常型はPrPC、PrPの感染型はPrPScと表記される(ここで、Cは「細胞性の」を意味する cellular または「一般的な」を意味する common、Scはスクレイピー(Scrapie)を意味する)。PrPCは明確な構造を取るが、PrPScは多分散系として比較的不明確な構造を取っている。PrPはin vitroでは程度の差はあれど明確なアイソフォーム(同一タンパク質が取りうる異なる構造)に折りたたまれやすくなり、これがin vivoで病原性となるアイソフォームとどのような関係を持つのかは未だ明らかにされていない。
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アイソフォーム
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「c-Jun N末端キナーゼ」の記事における「アイソフォーム」の解説
JNKは3つの遺伝子に由来する10種類のアイソフォーム(MAPK8(英語版) [JNK1、4種類]、MAPK9(英語版) [JNK2、4種類]、MAPK10(英語版) [JNK3、2種類])から構成される。各遺伝子からは、3'末端のコーディング領域がどのようにプロセシングされるかに依存して、46 kDaまたは55 kDaのプロテインキナーゼが発現する。46 kDaと55 kDaのアイソフォームの機能的差異は記載されていない。さらにJNK1とJNK2の転写産物は選択的スプライシングが行われ、JNK1-α、βと JNK2-α、βが生じる。アイソフォーム間でのタンパク質基質との相互作用の差異は、キナーゼドメイン内の2つのエクソンが相互排他的に利用されることに由来するものである。 JNKは次のような組織分布を示す。 JNK1とJNK2は全ての細胞や組織に存在する。 JNK3は主に脳に存在するが、心臓や精巣にも存在する。
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アイソフォーム
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CD45タンパク質ファミリーは複数のメンバーから構成されるが、全てPTPRC遺伝子の産物である。この遺伝子は34個のエクソンからなり、細胞外ドメインと細胞内ドメインの双方が非常に大きい、巨大なタンパク質を産生する。エクソン4、5、6(タンパク質のA、B、C領域に対応する)は選択的スプライシングを受け、この3つのエクソンの全ての組み合わせによって最大で8種類の異なるタンパク質が産生されうる。 CD45の巨大な細胞外ドメインは高度にグリコシル化されており、これらのアイソフォームの側鎖の構造には大きな多様性が存在する。アイソフォーム間の差異はタンパク質のN末端領域に生じる。この領域は細胞から直線的に伸び、O結合型糖鎖が存在している。 CD45のアイソフォームは細胞種と分化段階に特異的な発現を示し、そのパターンは哺乳類できわめてよく保存されている。これらのアイソフォームは、免疫細胞の種類を同定し区別するマーカーとしてよく利用されている。 ナイーブT細胞(英語版)は、通常A領域のみを含むCD45RAを発現している。最も短いアイソフォームでA、B、C領域を全て欠くCD45ROは、活性化されたメモリーT細胞(英語版)や一部のB細胞、活性化された単球やマクロファージ、顆粒球(英語版)で発現している。B細胞は3つのエクソンをすべて含むCD45R(CD45RABC)を発現しており、B220とも呼ばれている。B220の発現はB細胞に限らず、一部の樹状細胞などでも発現している。
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アイソフォーム
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「ミオシン軽鎖キナーゼ」の記事における「アイソフォーム」の解説
MYLKには4つの異なるアイソフォームが存在する。 MYLK1(英語版) – 平滑筋で発現 MYLK2(英語版) – 骨格筋で発現 MYLK3(英語版) – 心筋で発現 MYLK4(英語版) – novel、詳細は未解明
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アイソフォーム
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「プロゲステロン受容体」の記事における「アイソフォーム」の解説
詳細は「プロゲステロン受容体A(英語版)」、「プロゲステロン受容体B(英語版)」、および「プロゲステロン受容体C(英語版)」を参照 プロゲステロン受容体欠損マウスで実証された通り、プロゲステロンの生理作用は核内受容体のステロイド受容体スーパーファミリーの一員であるヒトプロゲステロン受容体(hPR)の存在に完全に依存している。シングルコピーのhPR遺伝子は、別々のプロモーターと翻訳開始点を用いて、2つのアイソフォーム、hPR-Aと-Bを生成する。hPR-BのN末端のみに165アミノ酸が追加されている以外は同一のものである。hPR-BはhPR-Aと多くの重要な構造ドメインを共有しているが、実際には機能的に異なる2つの転写因子であり、其々の応答遺伝子と生理作用を殆ど重複なく媒介する。PR-Aを欠損させたマウスモデルでは、PR-Bのみが産生され、PR-Bはエストロゲン単独またはプロゲステロンとエストロゲンの存在下で、上皮細胞の増殖を抑制するのではなく、むしろ寄与する事が予想外に明らかにされた。これらの結果は、子宮においてPR-AアイソフォームはPR-B依存性の増殖だけでなく、エストロゲン誘導性の増殖にも対抗する為に必要である事を示唆している。
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アイソフォーム
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リアノジン受容体には以下のアイソフォームが存在する。 RyR1(英語版)は、基本的に骨格筋に発現する。 RyR2(英語版)は、基本的に心筋に発現する。 RyR3(英語版)は、より広範囲に発現するが、特に多いのは脳である。 哺乳動物を除く脊椎動物は一般に、RyRαとRyRβと呼ばれる2種類のRyRアイソフォームを発現する。 モデル動物であるキイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster )や線虫(Caenorhabditis elegans )等の多くの無脊椎動物は単一のRyRアイソフォームを持つ。非後生動物種からはRyRに対する配列相同性を有するカルシウム放出チャネルが見出されたが、それは哺乳類のものよりも短く、IP3受容体に近い配列であった。 ryanodine receptor 1 (skeletal)(英語版)識別子略号RYR1(英語版) 他の略号MHS, MHS1, CCO Entrez(英語版)6261 HUGO10483 OMIM180901 RefSeqNM_000540 UniProtP21817 他のデータ遺伝子座Chr. 19 q13.1 テンプレートを表示 ryanodine receptor 2 (cardiac)(英語版)識別子略号RYR2(英語版) Entrez(英語版)6262 HUGO10484 OMIM180902 RefSeqNM_001035 UniProtQ92736 他のデータ遺伝子座Chr. 1 q42.1-q43 テンプレートを表示 ryanodine receptor 3(英語版)識別子略号RYR3(英語版) Entrez(英語版)6263 HUGO10485 OMIM180903 RefSeqNM_001036 UniProtQ15413 他のデータ遺伝子座Chr. 15 q14-q15 テンプレートを表示
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アイソフォーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/06 23:30 UTC 版)
Bcl-2には2つのアイソフォーム(アイソフォーム1、2)が存在し、両者のフォールディングは同じである。しかし、これら2つのアイソフォームはBADやBAKタンパク質に対する結合能や、構造的トポロジー、結合が行われる溝の静電ポテンシャルが異なり、両者の抗アポトーシス活性には差異が存在することが示唆される。
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アイソフォーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/01 00:16 UTC 版)
詳細は「リンカーヒストンH1のバリアント(英語版)」を参照 動物のH1ファミリーには複数のH1のアイソフォームが存在し、それらは生体内で異なる組織と発生段階で発現しているものや、重複した領域で発現しているものもある。こうした複数のアイソフォームが存在する理由は明らかではないが、ウニからヒトまで進化的に保存されていることやアイソフォーム間のアミノ酸配列の大きな差異は、これらが機能的に等価なものではないことを示唆している。1つのアイソフォームはヒストンH5と呼ばれ、このアイソフォームは鳥類の赤血球にのみ見られる。他のアイソフォームとしては卵母細胞/受精卵型アイソフォームH1M(B4またはH1fooとしても知られる)があり、ウニ、カエル、マウス、そしてヒトにも存在し、胚では体細胞型アイソフォームH1A–Eや、H5に似たH1.0アイソフォームへと置き換えられる。H1Mは体細胞型アイソフォームよりも多くの負電荷を持つにもかかわらず、ツメガエルの卵抽出液中の分裂期染色体に対してより高い親和性で結合する。
※この「アイソフォーム」の解説は、「ヒストンH1」の解説の一部です。
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アイソフォーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/04 17:35 UTC 版)
この遺伝子には6種類の異なるアイソフォームをコードする7種類の転写産物が同定されている。他のスプライスバリアントも記載されているが、その全長の性質は明らかにされていない。同定されたアイソフォームは自己リン酸化や下流のキナーゼのリン酸化の活性が異なる。
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アイソフォーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 15:43 UTC 版)
ヒトでは16種類のヒストンH2Bのバリアントが存在し、そのうち13種類は通常の体細胞で発現し、3種類は精巣でのみ発現している。こうしたバリアント(アイソフォームとも呼ばれる)は構造的に非常に類似しているが、それらのアミノ酸配列には一部に特異的な多様性が存在する。ヒストンH2Bのすべてのバリアントには同じ数のアミノ酸が含まれ、配列中の多様性はアミノ酸の数の上ではわずかしかみられない。こうしたバリアントは2つから5つのアミノ酸が変化しているだけであるが、こうした小さな差異でさえも高次構造を変化させる場合がある。 ヒストンH2Bの各アイソフォームは、他のタンパク質との相互作用、クロマチン上の特定の領域への局在、翻訳後修飾のタイプや数、安定性が異なる。こうした差異の全てが蓄積することで、アイソフォームはそれぞれ特有の機能を持ち、さまざまな組織で異なる機能を果たす場合もある。 通常のヒストンH2BはDNAが複製される細胞周期のS期の間に強く発現するが、ヒストンH2BのアイソフォームによってはDNA複製非依存的に細胞周期の全ての段階を通じて同じレベルで産生され、S期以外の段階でもヌクレオソームに付加される。 ヒストンH2Bのバリアントは"HistoneDB with Variants" databaseで検索することができる。
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