系統解析
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系統学
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系統学(けいとうがく、英語:phylogenetics)とは、生物の種の系統的な発生、つまり生物の進化による系統分化の歴史を研究する学問。種や系統群の分化と進化を研究目的とする。
研究技術として、比較解剖学、比較発生学などによって得られた形態などの情報を、統計学を駆使した分岐学などを用いて解析する。生化学的手法も古くから植物の色素などの代謝産物の比較研究が系統解析の手法として用いられてきたが、これに加えて1980年代以降は、DNAやRNAといった情報高分子の塩基配列の解析などによる分子系統学も発達してきた。
系統学と分類学との関係


分類学は多種多様な生物を把握しやすいように(場合によっては造物主によるデザインを研究するという自然哲学的目的から)分類体系を作るのが初期の目的であった。進化論が提唱されて以降は、これに進化の様子を表現する目的(つまり系統学的な目的)が加わったのであるが、従来の分類を主目的とする考え方がすぐに消滅したわけではない。系統(系統樹の枝で示される)のみでなく、進化の段階(ヘッケル流の系統樹では進化したものが上に描かれる)でも分ける考え方が続いた(例として爬虫類の1分派である鳥類を爬虫類から分ける考え方など)。
20世紀半ばに、従来の分類学の考え方に恣意的あるいは不正確な点が多いとして、それに代わる表形分類学と分岐学(分岐論)の2つの考え方が提唱された。
表形分類学(phenetics)とは、生物の多くの形質を同時に比較し、近いもの・遠いものを定量的に明らかにする考え方である。これは分類を客観的に行うことに主眼を置き、進化系統は必ずしも考慮していない。この考え方は現在はあまり重視されないが、分子系統学は塩基配列などの表形分類的な比較から始まっている(現在は分岐論的あるいは種々の統計学的方法も用いている)。
一方、分岐学(cladistics)とは、進化に伴う分岐パターンを正確に明らかにしようとする考え方で、(分岐分類学という言い方もされるが)どちらかといえば系統学の方法論である。これは生物の多くの形質を同時に比較する点では表形分類学と共通するが、想定されるいろいろな進化の道筋から、分岐回数がなるべく少ないものを正しいと考える(最節約の原理)のが特徴である。この考え方はその後次第に分類学にも取り入れられ、恐竜など化石生物の研究で主流となっている。現在では特に分子系統学に基づく分類においても重要な考え方である。
生物学以外の系統学
比較言語学においても、生物学と同じように、系統学的手法で語族や語派が確立される。ただし言語は混合等の過程を経て複雑に形成されることが多いため、生物種間のような純粋な系統樹を作成できる場合は多くない。比較的系統を追いやすい語族としてインドヨーロッパ語族やオーストロネシア語族があげられる。
またヒト集団の社会制度や習俗、写本の系統等を広く扱う文化系統学も存在する。
関連項目
系統解析
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 15:33 UTC 版)
1960年代には核酸研究が進展し、核酸の塩基総量に対するグアニンとシトシンの合計量(GC含量)は同種の生物では一定で、近縁の生物ではよく似ていることが知られるようになった。1974年にLapanとMorowitzはDicyemennea 属ニハイチュウのGC含量の比較による系統解析を行ったところ、ニハイチュウのGC含量は23%で、それまで知られていた他の生物のGC含量は原生動物である繊毛虫類の22-35%、鞭毛虫類の45-60%、縮小条虫 Hymenolepis diminuta (Rudolphi, 1819)では36%、タコの肝臓に寄生する四吻目の条虫では47%であったため、繊毛虫類との類縁性を示唆した。また、1987年には、堀寛と大澤省三による5SrRNAの塩基配列の比較による系統解析が行われ、もっとも原始的な多細胞動物とされ、前者の説を支持した。しかしこれらの手法は今日では系統解析に適さないと考えられており、逆に1995年の片山らによる18SrDNAに基づく研究では扁形動物の一員に位置付けられ、1999年の小林らによるHox遺伝子の分子系統学的解析ではニハイチュウは三胚葉動物の、特に螺旋卵割動物であると示された。2017年のLuらによる解析では、直泳動物門の姉妹群であることが示された。この2門はMesozoaと呼ばれるクレードを構成し、このクレードは吸啜動物(腹毛動物門+扁形動物門)の姉妹群、もしくは側系統の腹毛動物門から分岐していることが示唆された。一方で、2018年のSchifferらによる解析では、直泳動物門は環形動物門の一部であり、二胚動物門の姉妹群ではないことが示唆され、謎は深まるばかりである。
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