系統色名
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/20 07:26 UTC 版)
系統色名は基本色名に修飾語を組み合わせた色の表記方法のことである。JIS規格においては「物体色を系統的に分類して表現できるようにした色名」と定義される。 基本色名は色を分類する上で最も基本になる色名であるが、複数の基本色名の境界領域に存在する色を表すには不十分であり、色空間の中に命名することができない色域が残されてしまう。 そこで、修飾語を付加することで色域を表示する。ここで述べる修飾語とは、明度・彩度・色相に関する形容詞等である。 JIS規格では、このような修飾語は 有彩色の明度及び彩度に関する修飾語 鮮やかな(vivid)、明るい(light)、強い(strong)、濃い(deep)、薄い(pale)、柔らかい(soft)、くすんだ(dull)、暗い(dark)、ごく薄い(very pale)、明るい灰みの(light grayish)、灰みの(grayish)、暗い灰みの(dark grayish)、ごく暗い(very dark) 無彩色の明度に関する修飾語 薄い(pale)、明るい(light)、中位の(medium),暗い(dark) 色相に関する修飾語 赤みの(reddish)、黄みの(yellowish)、緑みの(greenish)、青みの(bluish)、紫みの(purplish)(無彩色ではさらに細かく分類される) の3つに分類されている。これらの修飾語と基本色名を用いて、鮮やかな黄みの赤(vivid yellowish red)といった命名が可能になる。このような表示方法を用いることによって、色空間におけるあらゆる色を系統色名で命名することができる。また、系統色名から色を想像することも容易となる。一方、1つの系統色名が表す色域はある程度の幅を持っており、明度・彩度・色相を記号や数字を用いて表示する方法に比べて厳密性に欠けるという特徴があるため、正確な色表示にはやや不向きである。
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