固有色名
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/20 07:26 UTC 版)
基本色名や系統色名は、色空間に属する色域を分割し区別するための表示方法であるが、固有色名はそれらとは異なり、ある特定の色に対して与えられた個別の名称のことである。 固有色名は、それが用いられる文化圏においてそれぞれの何らかの由来や意味を持っていることが普通である。例えば、その色を得る直接の材料となった染料や顔料に由来する色名や、その色から喚起されるイメージに合う動植物や自然物・人工物などから採用された色名が多い。 染料や顔料に由来する例としては、タデアイの葉を染料として得られる藍色、硫化水銀を原料とする朱色などがある。色のイメージに由来する例はさらに多く、桜の花に由来する桜色、空の色に由来する空色、水の色に由来する水色がある。 利休茶、新橋色、ロイヤルブルー、レモンイエローといったように人物・地名・身分など、様々な対象が色のイメージに重ねられる。固有色名は、その喚起されるイメージによって季節感や感情などとも密接に結び付いており、その社会における色彩に対する感受性を色濃く反映しているといえるだろう。
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