丹、朱、緋、紅
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 04:52 UTC 版)
丹(タン)が色を名指すときは赭土(シャド)、赤土の色の意味である。赭土の主たる発色成分は三酸化二鉄である。黄土(;主要発色成分:水和酸化鉄)や緑土も焼成すれば丹色になる。なお、鶴の一種タンチョウの和名は、頭頂部(頂)が赤い(丹)ことに由来する。 朱(シュ)は、硫化水銀によるの赤色顔料辰砂の意味を持つ。オレンジがかった赤。硫化水銀による朱(辰砂・朱砂)には、例えば「黄口」や「青口」があり、色料としての朱の範囲は比較的幅があると考えてよい。 緋(ヒ)は、濃く明るい赤色を指す。緋は緋色に染め付ける染料のみではなく、緋色に染め付けられた糸や絹の色も指すことがしばしば強調されることからも分かるように、染色によって現れる染色とも強く関わる。緋の英語訳として使われるscarlet(スカーレット)にも同様の傾向がある。 紅(コウ)は、わずかに紫がかった赤を指す。キク科の紅花の汁で染めた色で、その発色成分はカルタミンである。藻類学では英語のred および学名のRhodo- の訳語として使われるが、細菌学では英語のpurple(紫)の訳語として使われる(紅色細菌など)。 それぞれのニュアンスは異なるものの、これらも、他の固有色名に比較すると普遍的な「赤」を意味する語である。
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